本論を読む前に
失点をするという現象に対し、その要因は多々あります。
殊更、失点の一要因に過ぎない四死球だけに着目して、良い悪いを論じし過ぎると、本質を見失う恐れがあります。
そこは注意して読みすすめて下さい。
では、
山口投手のタスクについてみて行きたいと思います。
山口投手の持ち球
ストレート、フォーク、スライダーです。
その三種の持ち球の被安打率の推移が以下の通りです。
成績が悪くなり始めた2013年ごろから、スライダーが打たれ始め、投球の軸として機能しなくなって来ています。
三振数という絶対数なので、シーズン記録と比較するのは良くないのですが、スライダーが有効に機能してなく、三振がとれていません。
スライダーが機能しなくなり、全体の成績を押し下げているような感じです。
稀にストレートと、フォークだけ勝負できちゃうような投手。
上原投手のような方も居ますが、
山口の場合、そこまでの威力はなく、
良い球を放りますが、ストレートとフォークだけでは組み立てし難い投手と言えます。
ストレートの球質を表す数値として注目されるようになった回転数という項目があります。
一般にキレがあるストレートというのは球の回転数が大きく、伸びのある速球になり、ストレートで三振をとれます。
上原投手の場合、そのキレで勝負する事で、ストレートで勝負でき、その空振り率も20とか30%に届きます。
(そもストレートで、空振りとれる投手が少ないのです。先発投手と比較して良いかというのはありますが・・・2013年の田中でもストレート空振り率6%ほどです。山口のそれは一応、田中より上回ります。)
MLBの中継をみますと、これりゃ打てないと感じますが、
一方、
山口投手のそれは、回転数が遅いんだと思いますが、球速表示ほど速く見えず、空振りがとれていません。
一般的な知己で言いますと、回転数が遅くなると、空気抵抗を受ける事で急速に、その速度が落ち、
まぁ、要はフォークなんですが、
ストレートも中途半端な回転数ですと、お辞儀をするようなストレートになり、初速と終速に差があることで、見極めやいストレートになります。
むろん、他の球との組み合わせで打ち取る事が出来るのですが、
スライダーがモノになっていないので、全体のタスクが落ちるような感じです。
山口の場合、スライダーが機能しなくなった結果、一般的な日本人の投手より優秀な球を投げれるとはいえ、そのストレートで追い込まねばならず、また、そのストレートも、空振りがとれるわけでないストレート。
(リードが単調なので待たれちゃうのかもしれませんが)
つまりは、思いっきり投げ込み、かつ、コースを狙う必要があり、結果、四球が多くなる。
球速とコースは、トレードオフの関係にあり、
思いっきり投げれば投げるほど、コントロールが悪くなります。
逃げというより、四球が多くなるのは止む無い状態と感じます。
最も投球術全般(リード)で、多少、どうにかなる部分もあるかもしれませんが、
これは山口が何の球種で四死球を出したかのグラフです。
三振数と同じで、前年との比較には注意をお願いします。
このグラフから言いたいのは、ボールスリーから投げる球のほとんどが、ストレートいう事実。
四死球なので、このグラフだけではダメなのですが、
調べると今年の場合、ボールスリーになると、9割以上、ストレート投げ込んでいるようで、
四死球か、打たれるか(被安打率.571)という状況でした。
この単調な配球。(去年は未だ他のボールを投げていました)
山口だけの責任ではないと思います。
正直、この辺、組み立て次第でなんとかなる部分も感じ、他球団に行けば活躍出来るかもしれない部分を覚え、非常に複雑です。
まぁ、さすがに組み立て、大変と思いますが、リード大事、だなぁとも思います。
リードの詳細評価は、状況、配球、相手との読み等ありますので、どういう意図をもって配球させたか、また、その配球通りに球が来たかどうかあり、一概にデジタル情報だけ判別できない所もありますが、
リードの所作は
球の出し入れ、高いか低いか、遅いか速いか、近いか遠くかという残像を基本利用して組み立てます。
単調し過ぎると、打たれ易いのですが・・・
以上、まとめますと、
精神的なモノというより、山口投手の場合、リードも含む技量的な部分で四死球が増えているような感じした。
スライダーが武器にならないと、山口投手、復活できないと思います。
個人的な意見ですが、今の球種では戦えない状況ですし、一度、抜本的な事を考え直した方が良いのではないかと思います。
今のスライダーの状況で相手を打ち取れるのか?
どうしたら、打たれないのか?
その前提を立て直す為には、どうしたら良いか?
是非、ガンバって下さい。
ファンとして応援しています。