セイバーでみた、最も得点効率の悪いチームとは?どこ? リーグ比較

引用元

RC・RC27・RC27/avgとは

RC・RC27・RC27/avgとは

 RCとは、Runs Createdの略で、個人の総合得点能力を表す指標の一つです。「個人の得点創出能力」と言うと堅苦しいですが、要するにRCの数値は、「その打者によって、どれだけの得点が産み出されたか」 を意味します。

 そしてRCを利用して一人の打者で一試合を行った場合に入る得点を示したのがRC27です。RC27は打席数の異なる打者の得点力を比較するために用いられます。

 RC/avgはリーグ平均を100として、RC27が何%高いか(低いか)を示す指標です。

引用終わり

今回、このRCを利用して、効率の悪い攻撃をしているチームを解析していきたいと思います。

そこから、伸び代のあるチームとは?で見たいです。

算出方式として、

実際の得点/RCを利用します。

それで算出した数値は以下の通りです。

効率

1位 巨人 94.9% 

2位 広島 93.1%

3位 ヤクルト 90.8%

4位 阪神 89.5%

5位 横浜 87.2% ←この数字が良くなりそうか、どうかが大きいです。

6位 中日 84.1%

です。

尚、

パのリーグ平均、得点/RC94.5%に対しセは89.8%と得点/RCが5%低いです。

セのファンの皆さん、気付いていると思いますが、

パの方が打線の方が良いです。

セ各球団で、その効率の良さ、悪さの原因分析を自分なりにしようと思いましたが、

序論として、

先にセとパで、どうして、このように数字差が出たのか解析した方が、

セの各球団の癖を説明し易く感じるので、

最初にリーグ差が生じた原因について説明させて下さい。

RCと実際の得点で差が生じる原因についての考察

RCとは、得点予想値ですので、実際とズレが出るのは当然です。

当然ですが、実際に近づけようとしているにも関わらず、乖離が生じるには、その原因が当然あるわけです。

要は平均からズレた数値があり、それが原因で数値を下げているわけです。

本塁打がソロかどうか、残塁し易いアウトカウントの多い(得点確率が低いです)所での出塁が多いか、どうか等も影響しますが、

基本的にLOB率によって得点/RCは決定され易いです。

LOB率=残塁率ですが、

ホームランを抜かしますと、他の攻撃結果は、常に残塁が生じる可能性を内包します。

RC上、+評価されても、無駄になる可能性があります。

四球3つだけでは、得点入りません。

犠打、盗塁が成功しても、点が入らないケースが当然あるわけであり、

それら行為が無駄になれば(攻撃側からみてLOB率が悪い)、得点/RCが悪化します。

では、

攻撃側からみてLOB率が悪化するケースとは、

どういうケースなのでしょうか?

データを見る限りIsoPに問題のあるチームのLOB率は低くなる傾向が高いです。

高校野球などでは、二塁からワンヒットで還って来れる確率高いのですが、プロですと、なかなか還って来れません。

2014年のデータで見ますと、二塁からワンヒットで還って来れる確率は50%台です。

長打が絡むことで得点確率が上がります。

勿論、一番は、ホームランですが、

単打、四球だけですと得点が入らないのが現状です。

結果、打率や、出塁率以上に、OPSがアメリカでは重視されます。

2013年、阪神は、リーグ屈指の出塁率を誇りましたが、IsoPがリーグ平均に対し20%弱低く(=0.103)、得点/RCが91.1%と悪かったです。

これが、4番ゴメスを獲得し、IsoPを向上させた結果、得点/RCが98.7%にまで向上させています。

セイバーでIsoPが重視されるのは、長打力が得点との相関が高いからです。

長打があることで、単打や四球が活かされ易いです。

チーム打率との比較で得点圏が高いか、低いかでRCに影響を与えるケースもありますので、

個別にチームをみる必要もありますが、

2013年の阪神は特段、低くも、高かくもなく(チーム打率=得点圏打率)、2013年の阪神に関しては長打力不足が原因で得点を落していたと考えられます。

また、打者能力に粗密があるチームも効率が落ちやすいと思っています。

打線なのか、点なのか?

そこも重要です。

このIsoPで2015年を比較しますと、

パとセでは、

2013年における阪神と、他のチーム程の差があります。

セ平均 IsoP=0.105

パ平均 IsoP=0.126

良くみると、生還率が非常に悪い(出塁しても還って来れない)と嘆かれていた2013年の阪神レベルなんですよね。

セのIsoP

得点が入りに難いわけです。

純粋な攻撃力比較だけなら、得点相関の高いOPSをみる方が良いのですが、

セ 0.668

パ 0.708

今回は、その中身、効率をみて、セの各球団の伸び代をみるのが目的なので、

こういう見方をしています。

横浜は得点/RCでみますと、数値良くないですが、

だからと言って、攻撃力が低いわけでないです。

横浜のチーム、OPSは.703とセ、一番ですので、攻撃力はあります。

そこは了解の上で、今後書くかもしれないシリーズを、お読みください。