横浜 想定外ドラフトと、その意図について その影響の考察

前記事の続きです。

簡単に2016ドラフトをまとめますと、

フェーズ2、先(未来)を覚えた横浜の指名結果と、その雑感について

編成の意図が明確で、非常に良いドラフトだったと評価しています。

後は、その意図が結実するかですが、そこは本人たちの努力であったり、他の様々な外部要因も関係してきます。

高卒でみますと、梶谷、平田らを例にするのなら300打席程度確保するのに7年程度かかっています。

入団した後も含めての評価にもなりますし、まずは、その明確な意図に基づいたドラフトを肯定的に評価したく思っています。

そうは言っても、想定外もあります。

編成的には良い意味で想定外なのでしょうが、

予定以上に選手を獲得できた。

このコトバに集約されます。

その背景を考えますと、そのポジションにおける希求感になります。

今回、二遊間、内野にフォーカスして記事を書いていますが、ロペスを除きますと、彼らが記録したWAR(守備力、攻撃力、走力とうとうの総合力)の積み上げは、かなり低いです。

2015年より、改善こそしましたが依然課題となり続けています。

その為の7位 狩野行寿。

私が驚きと評した指名につながっています。

盗塁能力、守備力、右打者と横浜の補強ポイントの内、3つも要件を満たしている狩野指名自体、横浜の足りない部分を補ってくれる可能性を持った指名と思っていますし、納得の指名なのですが内野が溢れ気味です。

日ハムを参考に、

横浜は計画的に試合数を割り当て、少数精鋭型で育成していくことを目指している最中です。

その思想背景を一部放棄したようにも、感じる内野手の獲得。

その意味するところは、同ポジションに対しての危機感、希求感が、それだけ強かった事の証左と理解しています。

確かに分析していて思いますが弱いです。

打撃ではリーグ平均並みの数字を出せるようになった倉本が記録したRCWIN -0.60。

守備負担の大きいポジションで出した数字としては立派ですし去年より大きく改善してはいるのですが、もう少し上積みを期待したいです。

そして、その倉本ですが、守備力(UZR -11.7)、走力(ベースランニング評価、リーグ最下位)にも大きな課題を抱えています。

ラミレス監督が補強次第で手応えのようなモノを語っていますが(現状のままではAクラス相当との分析)、

そのポイントの一つが5番強化。

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それと並んで倉本が、横浜にとって大きいと思っています。

倉本を、どう活かすか?です。

個人的には選択の幅を増やしたいのではないかと想像しています。

倉本に代走を出したいと思っても、倉本に代わりうる遊撃手を準備できませんでしたし、倉本に代打を出したいと思っても出せませんでした。

また、シチュエーションによってはバントの上手い打者を代打で出したかったですが、それも敵わない状況でした。

倉本のコンディション維持も兼ね(コンディション維持させれば総ての数値が、さらに向上する可能性があります)、そう言った事を志向する可能性は否定できないです。

実際、監督は宮崎や筒香で、同様な事をしています。

その為の指名。

来年、即効果(可能なら、そのレベルであることが望ましいです)が出るのかわかりませんが、そう言う選択肢を作る為の一環として足の早い狩野を指名したのは、非常に理解できます。

ですが、

5番強化も、倉本の活かすのもポイントは内野。

内野がポイント故に、くどいようですが、選手が溢れ気味になってしまいました。

そこで、今の状況を整理しつつ、その影響の考察をしていきたいと思います。

ドラフト前後における人の動きの確認(内野限定)

OUT 柳田・内村・ロマック(内野とは言い辛いですがシリアコとの兼ね合いで記載)

IN  松尾・狩野・佐野・シリアコ・予定で田中

各選手の役割、試合割当数。

柳田 

一軍 23試合 24打席 内野総てを守れると言う事でバックアッパーとして帯同(怪我に備えた保険的な役割)。

二軍 内野総てを万遍なく、46試合 108打席。

内村

二塁のバックアッパー、一軍出場機会なし。

二軍 二塁で57試合 187打席。

退団した柳田・内村の打席・試合数は、松尾や狩野に振り分けられるべき試合数としては不十分です。

二遊間を中心に育成中の選手で百瀬(20歳)、柴田(23歳)いますが、

百瀬(左) 遊撃62 二塁 40

柴田(左) 遊撃74 二塁 26試合でした。

その打席数は、

百瀬が334打席

柴田が304打席です。

内村、柳田が退団した事で空いた打席数は296打席。約300。

百瀬、柴田を参考にするのなら足りません。

既存選手への影響が避けられないわけです。

育成濃厚な松尾の加入と、その可能性が高い狩野の加入による影響は大きいです。

そこに、

新外国人獲得情報。

シリアコ内野手の獲得。

ロマックが退団しましたので、振り分けていた195打席が空きますが、そのままシリアコ内野手に回る可能性もあり、佐野の加入もあって全体的に打席数が足りません。

OPSで.500を切る百瀬は勿論の事、二軍で.600を切る柴田ら来年、一軍で活躍できるかと言いますと、なかなか想像できません。

二軍で育成していくことになる可能性が高く、

それは他の内野手も同じです。(白根、山本)

そして、

二軍成績的に育成する必要のない白崎、飛雄馬、山下(昨年との比較で随分、良くなりました)。

悩ましい状況です。

横浜がAクラスに躍進できた理由に、

二軍で十分鍛えられていたからと説明した事がありますが、

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金本阪神もですが、

二軍で種まきをし、耕し、芽吹いていた事で北條らを抜擢できています。

その前準備がないと、どうしても遅れてしまいます。

谷繁中日の場合、そのアクションが2015年指名で、今、二軍レベルで芽吹きつつあり(抜擢が出来ない)、

金本阪神の場合、前任者が準備しており、芽吹いていたわけです。

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ワンサイクル終えた横浜は次のサイクルの準備に入りつつありますが、

その正の循環を回す上で重要な適正育成人数を超えてしまった感触を覚えています。

今の編成ですと、打席割り当て数が少ないです。

当然、私と同様な事を編成も考えていたと思いますが、

それでも、狩野が欲しかった。

欲しいと思うほど、その分野が補強ポイント。

元ヤクルトの田中も絡んで来ますが、狩野を獲得してしまった事で、内村に与えていたような枠を、与える事ができなくなりました。

田中を獲得した場合、憲晴、石川、田中の内、一人は内村枠になりますが、

調整の為の試合数を、どこまで準備できるかの問題もあります。

これは白崎、飛雄馬、山下にも言えます。

そもそも、山下と柴田は年齢で一歳しか変わらず、本来なら山下にも十分な試合経験を与え育成したい所です。

田中を本当に獲得するのか、わからなくなってきて来ていますが、

バントが出来き、経験豊富な野手は、横浜の補強ポイントです。

若い選手が多い中、外部の血を入れるのも重要です。

狩野同様、様々な理由で田中を欲する横浜ですが、どう割り当てていくか、二軍試合、経験の割り当てに注目して行きたいです。

合わせて、

既存選手のコンバートがあるのか、

山下、飛雄馬、白崎に関しては、ブレイク一歩手前とも思え、一軍でもっと、試合経験を与えたい状態でもあります。

ですが、

優勝が現実的に見え始めた故に、起用し難くなりつつあります。

山下が、前年との比較で、一軍試合出場数、打席数を大きく伸ばした一方で、

雄馬が、比較で大きく減り、

白崎は伸び悩んでいます。

白崎は、二軍で、しっかり鍛えていればと思わなくもなく、その素質の高さは、流石、ドラ1であり期待しているのですが伸び悩んでいます。

新人初年度だった2013年、ほぼ一年、一軍帯同してしまいまいましたが、この年(その次の年も)、柴田のように二軍で鍛えられていればと思わずにいられません。

エリアンの去就も含め、飽和気味の内野には、何らか動きがあるかもですが、

何ともモヤッとする感じが拭えないです。

記事書き終えましたが(状況整理目的)、目的であったモヤッと感の解消には至りませんでした。

その根本を突き詰めますと、ファン心理。

影響があるだろう、選手たちの事が気になってしょうがないって事なんでしょうね。

上手く対応してくれることを球団に期待します。