前記事の続きです。
長過ぎるので分割しました。
伊勢氏が根拠としている菊池、ビシエドの対戦打率の良さに関してです。
確かに彼らの対菅野の打率は2018年単年でみると高いです。
でもね、通算で見ると・・・
単年で菅野を打った打者は横浜の桑原(インコースを打つのが上手いです)も含めいます。
問題は、それが継続しない事です。
私が確認した範囲で通算対戦成績で打率.300以上菅野から打っている打者が見つかりませんでした。
インコースを捌けるだけじゃ足りない可能性が高いです。
カタログスペック的にインコースを捌けて外を待てれば打てそうです。
参考記事
広島戦でみる攻防、濱口とパットン(来季苦戦するかも)の違いについて MLBにおけるトレンドと横浜の② - 所持雑感
上記記事で指摘しています通りパットンレベルですと個人レベルでなくチームレベルで通用してないです。
ですが、菅野の対戦成績をみていると明らかに得意としている打者が居ません。
今後、出て来るかもですが不在。
より伊勢氏のコトバを引用しますと、
イニング、得点差、球場、そして打者……これからすべてのデータを再度見直せば、必ず傾向は出てくるはずだ。
これを傾向と言って良いのか微妙なんですよね。
確かに伊勢氏が指摘する通り右打者には
①、外角を苦にせず、逆方向に打ち返せる技術を持っていること
と。
コメント頂いたように、
②、インコースの直球を捌ける
の2点は必要条件とは思います。
思いますが十分条件には感じないです。
対菅野で言いますと内外(①、②揃って初めて)を打てるようになって初めて勝負の土俵に上がれるようです。
そこから駆け引きの領域(高いレベルで行われる外の出し入れを基本に駆け引きをする領域)になり、その分野で激しい攻防を互いにしているようです。
力の帰趨がはっきりしてなく駆け引きレベルですとやって、やられてになり易くなります。
打撃成績も安定しないです。
ジロウさんのコメント引用です。
そうなると早目にカウント取りに来た球を打つ事になります。
とはいえ、ストライクボールの見極めも必要なうえに、ストレートに力もありますから、球を引きつけても球の力に負けない、速さと強さのあるスイングで打ち返すという、高度な事が要求される事になります。
かなりの無理ゲーですね。
仰る通り現在考えうるセの最高水準の打撃技術をもってしても菅野を打ち崩すのは容易ではない可能性が高いです。
だから、菅野を通算成績で得意としている打者が見当たらないとも言えます。
菊池、ビシエド(この人、配球傾向を読むんですよね)らは駆け引きの領域で打ってるようです。
元々外を打つのが得意で苦手のインコースを克服した中日平田が対菅野の対戦打率を大幅に改善し対戦OPSで1.071と打っていますが二年連続でやられっぱなしの打者って菅野の場合確認した範囲では見つかりませんでした。
その駆け引きの領域で小林の補助もあり菅野の成績が安定してきていると思っています。
そしてセの多くの打者は駆け引きも出来ない技術領域にいる可能性が高いです。
参ります。
伊勢氏が断言するほど出来て当然には感じないです。
菅野を打ち崩せるとしたらストレートを無力化させる方が早い気がします。
そうすれば自然、待てますから。(軟球系の対策で対応できる)
当ブログが良く指摘する根本的な技術論の話になります。
結局、これが一番の早道となります。
だから、皆さん、強い球に負けない強い打撃。
ブンブン振り回すようになってきています。
その先に柳田のように逆方向があるのですが・・・やれやれです。
結局、MLBもNPBも一周回って基本に戻るようなのですが(基本性能を引き上げて対策する)、
柳田へのMLBの評価が急上昇したように、あの打撃は潰しが効きやすいです。
ブンブン振り回す先に今は進み始めています。
一方、横浜の打者の多くが現状のブンブンすら出来てない状況です。(強い球に対応できる強い打撃)
それ故に不安に感じている昨今です。
一時、横浜が伊勢氏の提唱する攻略法を実践していた時期もあり横浜は対菅野対策で結果を出していた時もあります。
が、捕手小林の成長と伴に結果を出せなくなりつつあります。
菅野単体で話すより全体で見た方が分かりやすいかもですがセの捕手も一時期を考えますと本当に成長しました。
単純な勝負数で捕手は一般的な打者の7~9倍ほどあります。
経験数上、勝負勘、その他(情報)で段々敵わくなっていきます。
倉本とか駆け引きで勝てなくなりつつありますが相手が手ごわくなりつつありますね。
実績上、倉本が打てるのは今や広島さん相手ぐらいです。
参考記事
倉本2018 とりあえずビール的に初球はボール球 - 所持雑感
各チームの捕手が本当に手ごわくなりました。
広島さんも打たせてとる配球を改めれば倉本から打たれなくなるかもですが引き出しが少ないかなぁ。
おそらく今年の結果を基に改善中とは思いますがなかなか変えられないです。
倉本の件も含めイロイロ示唆を感じる題材です。
再確認の意味で倉本の打撃を追うのも面白いです。
2016年との比較で2018年の倉本は大きく打撃の質が変化しました。
この辺の機微を解説してくれる方が多ければ、カナコロのような記事が支持されないのですが現実は厳しいです。
またトリガー記事となった論評で伊勢氏はシュートを投げないと菅野の課題を指摘していますが菅野だけの話でなくシュートを投げる投手が減っています。
こういう機微(トレンド)も解説者には語って欲しいのですが。。。ごにょ、ごにょ動かして打ち取る投手が減ってるんですよね。
難易度が高くなったとでも言うのでしょうか?
一部、関西紅ショウガさんの問いかけに対する回答にも通じています。
広島野球が一部通用しなくなり始めているわけです。
私でも予測できた事(開幕前に書いている事項)なので後日、記事を書こうと思っていたのですがカナロコ記事の影響で取り掛かれてないですが読みたい人多いかもですね。
尚、現在連載中の記事構成は打の課題は、そのまま投手の課題でもあり裏表となっています。
配球論にも通じますが、どういう打者、投手が活躍しているかを読み解くことで横浜の戦力が見えてきます。
ラミレス采配に対し強い不満のある方々ですが左打者のケースバッティングを批判したカナロコの記者や解説者も含め諸事情に詳しくないように感じています。
横浜の選手たちも、現在抱える課題をわかった上で個々で鍛錬しています。
それは首脳陣も同じです。
頑張っても報われない世界故に、結果だけでなく、まずは、その努力を私は応援したいです。
そして、その努力を、課題とは何かを可能な限り綴る予定です。
(気持ち切れかけていますが)
ホント、今は大変です。
余りに変化が激しいです。
セも菅野対策の必要条件である
①、外の球に逆らわず打てて ②、インコースを捌ける打者が増えていますので
巨人小林が正捕手から外れれば、もう少し打たれると思います。
私の見積もりでいいますと大城レベルで防御率3点台(後半と言いたいですが)ぐらいかなぁ・・・
伊勢氏の言うような采配論レベルでなく技術的な部分で菅野もソロソロ危ない領域になりつあるわけですね。
ほんと、レベル上がっています。
何かと評価の低い小林に関し記事を書くのも面白いかもです。
甘い球を見逃してくれる打者が本当に減りました。
各チームの主力打者の多くが理想的なファーストストライク(好球必打)を実行してきています。
参考記事
より重要になりつつあるファーストストライクへの対応について① 待球の技術難度について雑感 - 所持雑感
より重要になりつつあるファーストストライクへの対応について② 昔は三振少なかったです - 所持雑感