横浜野手WAR苦難の歴史と課題について

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桑原2番の話をした際、他の打順も含む見解も聞きたいとリクエスト頂いた事があります。

2番桑原が機能するかでラミレス横浜の順位が変わってきそうです。

打順を固定化できることで役割分担が明確になります。

 昨年の横浜は桑原の不調を埋めきれずホームランを打っても得点増えませんでした。

そのキーマン指定していた桑原が苦しんでいる状態です。

2番はラミレス野球を語る上でもっとも特色の出る打順です。

チームは2番適性の高い宮崎を早めに固定することで形を模索し始めています。

 

前記事で柴田の話をしました。

柴田の出来が良くラミレス構想が変わるかもしれません。

昨年までの柴田では2番を任せられませんが、可能性を覚えました。

打順構想について語りたいと思います。

その構想の話をする前に現状確認です。

現状確認で重要なのは過去を省みる事です。

過去を確認することで現状がみえ、未来を予測できます。

以下、本文です。

 

横浜、野手WAR、苦難の歴史と現状の課題。

 

ラミレス野球といいますと2番。

この2番を軸にチームを語る事の多いラミレスです。

その構想、理想は挫折の歴史と言ってもよく、その背景を考えると中畑さん時代にまで遡る事になります。

2番を中畑さん時代から固定できませんでした。

そこに編成も認めた野手の歪みのコンボでチーム戦力バランスが崩れている横浜です。

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中軸以外の野手育成に苦戦している横浜にとって2番は鬼門の打順となっています。

1番はラミレス時代に桑原をホボフルで固定できた実績がありますが2番は固定できたとは言い難いでしょうか?

中畑、ラミ政権下2012~2018年通してみて一番2番を打った事がある野手は2014年正遊撃手だった憲晴と考えています。

都合100試合ほど2番遊撃で先発出場しています。

他、内村、梶谷、石川が代わるがわる2番を打ってました。

憲晴の、あの守備は素晴らしかったですね。

2014年がホボ初めてのフルシーズンだった故に2015年年初は憲晴の大活躍を妄想したものでした。

2015年年初記事でチームの根幹メンバーとして

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ようやくチームの根幹(20代の黒羽根、梶谷、筒香、山崎などが試合出場数でキャリアハイを記録)が見えた一年。

 っと2014年を回顧し2015年を期待した私でした。

しかし、待っていたのは厳しい現実。

出場試合数でキャリアハイを記録した憲晴、黒羽根は2015年構想外という状況に陥っています。

 

そして、その2015年は破滅的なチーム成績が待ってました。

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にて横浜の立ち位置を、

中畑ベイスターズ、勝負の年というよりは、将来への飛躍に向けて基盤を作っているというのが正しい現状認識と私個人は思う。

 勝つことだけを考えるのなら、

ショート山崎、二塁石川が基本線になるとは思うが、

 その成長曲線を、どう考えるか?

 っと書いてもしましたので

その背景も理解できますが一新されたメンバーで戦った2015年中畑ベイスターズは、その未熟さ故に現実に跳ね返されています。

その2015年に起用された2番は桑原、関根、飛雄馬、白崎、松本、乙坂、山下、内村、柳田、石川、倉本・・・15名を数えました。

実に様々な選手が2015年シーズン試されていますが誰も定着できませんでした。

ほんの4年前のシーズンです。

上記メンバーのうち横浜に残っている選手も少なくなりました。

横浜の野手WARが伸びてこない原因ですが中軸以外、脇を支える選手たちが思ったより育たなかった歴史があります。

その辺の背景は記事で書いている通りです。

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育成に苦戦してしまった事もあり2015年当時、実に様々なタイプ、攻撃型、守備型問わず2番で起用されてます。

上記メンバータイプをみますと何を基準に2番で起用しているのか?訳がわからメンバーでしたね。

この原因を考えると打てないに尽きます。

かつ守れない、送れない、最低限も出来ない。

経験ないメンバーなのでしょうがないです。

その影響が色濃いラミレス横浜です。

この残されたメンバーの力をマネージメントで最大化しAクラス進出しCS突破したのがラミレスでした。

一方で限界のようなものが生じ始めチームが変わり始めています。

 

2015年の横浜が記録した野手WARは

参考

野手WAR推移でみた中畑さんラミレス回顧 2019年の希望と課題 - 所持雑感

+4.4勝。

2015年優勝したヤクルトさんが記録した野手WARは約+20勝。

4位と低迷した広島さんが記録した野手WARは+18.4勝(翌年から三連覇)。

他の5チームが+15勝以上を記録する中、唯一の一けたを記録した横浜の野手WARは+5勝切っています。

野手戦力で他のチームとの勝敗で生じた差は10勝以上。

その差し引きゲーム差は10ゲームです。

2015年、最下位の原因の一つです。

 

守りも破滅的で前年2014年に記録したチームUZRを-14.5→-50と大きく落としています。

二塁にグリエルがいて三塁にバルディリス、そして一塁にはブランコというぞっとするような内野陣がいた2014年よりさらに数字が悪化するとは思いませんでした。

一塁に捕球に優れた名手ロペスが加入しての数字でしたから当時はビックリしたものです。

 

この守りの立て直し(センターラインの再構築)と中軸以外の打線バランス調整がラミレス横浜の課題でした。

 

守りに関しては選手を守備重視で起用、固定することで数字を大きく好転させています。

倉本の固定が守備重視に繋がったかは数字をみる限り疑問です。

が当時のチームメンバーをみると最適解であり、彼以上の遊撃手はいませんでした。

憲晴が大けがをしなければ有力な対抗馬(横浜の正遊撃手として+15を記録した事もある守備の名手)になった可能性もありましたが打撃に課題があり何とも言えません。

 

そして、その倉本は桑原と伴にフルイニング出場した事でチームに骨格のようなものを与えています。

フルイニング出場できる選手がいない時、ベンチメンバー圧迫し常に交代要員を意識する羽目になります。

これが2016、17年のラミレス横浜と2018年のチームの差でもありチームに混乱を与えた原因となっています。

形が定まらないわけです。

勿論、形を固める事を優先すればできますが、それですと

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団結力を中心にチームづくりを進めすぎると、今度は個が育たないからだ。

になるわけです。

野球は極めて個別性の高いスポーツです。

それ故に個がないと作戦も何もないです。

犠打できない選手に犠打を命じても失敗するだけです。

個別性が高く投手対打者が基本です。

采配ではどうにもなりません。

 

ラミレス横浜のチーム戦力がAクラスに進出できてもリーグBクラスだった原因です。

他に有力な選択肢(編成も認める野手の歪み)もなかったですし、あの起用はベストだったと思いますがチーム戦力下回る中、チーム一丸で戦い続けた横浜でした。

俺たちはファミリーだ!!野球をしていた時代です。(筒香談)

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より引用ですが、

俺たちはファミリーだ、なんてコトバがチームの主軸から発せられるようなチームが横浜です。

そして、そんなベタなコトバが受け入れられるようになったわけですね。

 チームの和がないと、白けそうですが、その和があり、それを束ねられる中心選手が横浜には居ます。

 こういうチームは強いですし、強くなります。(成長)

 そんな横浜でした。

そしてチームはCSでも勝ち進み、日本シリーズに進出したわけです。

 

11年ぶりのAクラス進出が目標だったチームは倉本、桑原、戸柱らを軸に守りを固め(凡事徹底対策)ています。

2014年チームUZR-14.5→-50→2016年+3.2→2017年+22.8

と守備の数字を改善させたラミレス横浜でした。

そしてチームが崩壊した2018年に→-40となっています。

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デジャブ―。

歴史を繰り返す事になった横浜です。

その原因を読み解くと2015年同様と同じ問題。

個の弱さ。

その個の弱さを解決するために競争を促した結果起きた破滅。

チームが崩れた原因は優勝を目指したからなんですが、これが塩味な横浜でした。

そんな横浜でしたが2015年同様最下位に落ちてもおかしくなかったのですがギリギリを耐え今年に繋げています。

 

負けた年(失敗経験)と言うのは何かをもたらさすことがあります。

2018年の結果を元にチームを作り直しているラミレスです。

 

ポイントは守備(だから桑原を使いたがっています)。

軸となってチームに安心感を与える選手(だから桑原を使いたがっています)。

そして2014年以降の横浜の課題である中軸と下位打線で生じているアンバランス。

実力差が大きすぎてバランスの崩れた打線となります。

その実力差を埋めるキーパーツが2塁ソトとなっています。

 

そして下位打線と中軸を結ぶリンクマン的役割を2番打者にラミレスは求めており、ただ送るだけでなく実に様々な役割を2番に求めています。

ラミレス流スモールベースボールの理想の2番像は何でも出来るです。

それ故に2番をキーで語る事が多かったラミレスなわけですが。

この2番が全く固定できていないという実情が、そのまま横浜の野手WAR低迷の歴史と重なります。(育成の失敗

 

温故知新、過去を確認することで今が見え未来を予測できます。

ある日、突然今はもたらされないです。

その過程、過去を丁寧に読み解くことで出来る事がみえてきます。

 

昨年の課題をみますと打線バランス、守備、チームの形(フル出場した選手0)となりますが、

2塁ソト起用を軸に打線バランス重視でチームを再構築しているラミレスです。

昨年度までの野手WARの推移をみますとドンっと覚醒するような感じには思えません。

外野の選択肢は多いですが野手WARで大きなマイナスを記録しているのは二遊間、捕手です。

(去年は二塁ソト起用もあり途中から外野もマイナスでした)

 

現状確認は以上です。

続けてラミレス構想上の2番に求める事と。

どうして昨年までの柴田だと2番がダメだったか?

そして先日感じた2番柴田の可能性によって広がる起用について語っていく予定です。

風が吹けば桶屋が儲かるてきな理論ですがソト2塁が原因で玉突き的になっています。