中日Bクラス転落の理由と考察守備 2013年総括と展望

ヤクルト、横浜と来て、中日の2013年、総括と展望です。

今回は2013年、Bクラス転落の、より踏み込んだ解説です。

(主に守備)

落合監督以前の2002、2003年の中日と、

落合監督以降の2004年からで、大きく違うのは、

 レフト・英智の起用を象徴とする守備重視の選手起用

他の監督より間違いなく守備を重視します。

 アライバの1、2番コンビ結成を軸とした足技・小技を絡めた攻撃

 捕手・谷繁の委任

 抑え岩瀬起用

でした。

結果、元々、投手力が良かった中日は、さらに強化され、2004年、2位に7.5ゲーム差をつけ優勝しています。

以降、中日は苦手だったホーム成績が改善され、勝率.650という球史に残るホーム成績を軸に黄金期を形成していきます。

形成してはいますが、内実、結構、苦労しており、2007年以降、徐々にそのチーム力を落し続けていきます。

優勝という結果を残しはしていますが、総合力に問題があるが故に、横綱相撲でなく、やりくりをしつつ、優勝を果たしています。

その辺は2007年以降に優勝した2010年度の勝敗。

ホーム53勝18敗に対してビジター26勝44敗であったり(総合力に問題があるのでヴィジターで勝てません。)、

連覇を果たした2011年も、8月まで借金を抱えており、ナゴヤドームでガッツポーズアシスト(以降、名古屋で17勝1敗)がなければ、おそらく・・・優勝出来なかったかもしれません。

*故障者続出でまともな選手なく、丁度、戦力が整い始めた時にアシストがありました。特に谷繁不在の間、チームは15勝21敗1分けと大きく負け越してもいます。

正直、よく優勝できたと思います。

連覇したとはいえ、2010年、2011年ともに守の要ともいえる井端を欠き(満足に働いたとは言えない年)、2011年は谷繁もいない・・・

また、アライバの足の故障の影響か、盗塁や小技を使用した戦法も2010年には全く機能しなくなってきてもいます。(リーグ平均以下です)

そんな状況下、2012年に高木監督が就任しています。

打撃陣は相変わらずな状態だったのですが、数年ぶりにアライバ+谷繁が一年を通し、問題なく活動出来たこともあり

→三人とも出ずっぱりでした。

140試合近く出すなとも思いましたが、なまじ成績が良いだけに、難しかったようですね。

そのかいもあり連続Aクラスを達成しています。

同時に優秀なホーム成績も継続しており、監督が代りはしましたが、強みを維持し続けることが出来ました。

そして、

件の2013年。

主力投手陣の相次ぐ故障、井端・荒木の故障等も重なり、終に連続Aクラスが途切れます。

同時に、その原動力でもあった勝率.650のホームアドバンテージを失いホームで29勝44敗と負け越してもしまいました。

また、監督の好みもあり、守備の不調が投手陣に影響も与え始めてもいます。

落合監督が指揮をとっていた時代もアライバを欠く時期があったのですが、選手起用が高木監督とは決定的に違っていまして、

落合監督は守備重視。

高木監督は攻撃重視で選手起用しています。

結果、アライバ、谷繁が居なくても綻びの見えなかったチームDER(ホームランを除くフェアゾーンに飛んだ打球がアウトになった割合)、連覇を果たした2010年70%(リーグ1位)、2011年71.6%(リーグ1位)だったものが、

2013年68.8%(リーグ4位)と急激な衰えが確認されています。

なお、この68.8%というのはリーグ平均69.2%さえも下回っています。

中日投手陣と言いますと、投手本人の実力がクローズアップされますが、長らく中日は落合監督の守備重視の選手起用もあって、その実力以上の力を発揮し続けていました。

守備による影響をみる上で疑似防御率FIP)と実際の防御率を比較する事で、どれくらい守備の影響があったか見る手法がありますが、

それによると2010年、2011年と年平均72失点程度、守備によって救っていたようですが、

2013年は守備により17点失点ほど、増えています。

その差引、約90点。

90もの得失点差を実現するには、いったいどんな選手が必要かと言いますと、

90≧ 代りの補強選手の攻撃力-元々の選手の攻撃力

ですので、スーパースター一人では補えそうもありません。

投手を助ける守備陣が投手の足を引っ張り兼ねない状況になっています。

>落合時代の最後の2年も恐ろしいほどの守り方野球で落合監督自身も打線は既に諦めていた状態でした。

っとコメント頂きましたが、まさにご指摘通りです。

勝つために落合監督は守備偏重の選手起用を行っています。

アライバは解体されましたし、荒木の年齢と足の状態を考えますと、良くなるイメージもなく。。。

(井端の守備はともかくとして、荒木の二塁守備は依然、リーグ平均より上です。全盛期、凄かったです。)

来季、0スタートになりそうです。

怪我人が相次いだ投手陣ですが、さすがと言うべきか、守備の影響を考慮しない疑似防御率FIP)でみますと、

*統一球、反発係数の見直しの影響がありますので、絶対値でなく相対値で比較します。

チーム成績/リーグ平均で見ます。100が平均、100以上だと悪い、以下だと良いと考えてください。

93→100.。。まぁ、要はリーグ平均程度の投手力だったわけですね。

怪我人が相次いだにも関わらず、平均並みは素晴らしいと思います。

最も守備の影響を受けて防御率は、落合監督時代(2010、2011)の80→103と悪化しちゃいましたが・・・(^_^;)

上記より、

Bクラス転落の理由を求めるのなら、

 主力投手陣の故障

(今回、詳細書いていませんが、7%程度戦力を落しています。)

 落合時代との比較で主力打者一人ではカバーしきれないようなレベルの守備陣劣化

になると思います。

問題はです。

選手構成的(年齢も含め)に、衰退期です。

そして、最終的には捕手・谷繁に至ります。

この時に、今回、問題になった、が形をかえてさらに悪化すると思います。

まさに一時代の終わりと、その終わりに伴う新生的な状況です

高木監督の選手起用についての雑感についてですが、

攻撃的な布陣もあり、ヴィジターでは、35勝35敗と五分の成績を残しています。

勝つためには点をとらなくてはいけません。

高木監督は勝ちに行く野球をしています。

一方、落合監督時代終盤の野球は負けない野球。

ホームが名古屋と言う特徴もあり、相性的には落合監督の負けない野球の方が分が良さそうですが、

そこにも限界があるわけで、その限界が2010年の歪な勝敗。

ホームでの53勝18敗、ビジター26勝44敗であったり、

2011年の状況。

球団社長のアシストがなければ、おそらく優勝が出来なかった状況・・・だったと考えます。

まさに過渡期。

バランスと言う意味では2004年2006年が抜群だっただけに、そこを目指して落合GMも舵をきるとは思っています。

実は落合監督、何がなんでも守備偏重でなく、落合監督時代にも一度、DERでリーグ最下位まで落ち込んでいる時があります。

勝つとい意味では現実主義ですので、そこに向けてどう、チーム編成をするのか、他球団のファンですが、その方法論に興味があります。