落合監督と原監督の評価についての考察と雑感

中日の2013年総括記事を書いた際、前任者の落合監督の影響を陰に陽に指摘するコメントが相次いだが、その対局軸でもある原巨人の評価とはどうなんだろう?

原監督の実績。

795勝585敗 勝率.576

っと大変すばらしい成績でもある。

今後順調に監督を続けていく事が出来れば、日本歴代監督の中での有数の実績をしめる監督になるのは間違いないだろう。

私個人としては巨人と言うチームで長期に監督を続けられるだけで、その力の素晴らしさは証明されたも、同然なのだが・・・

ところで実際の所、原監督の能力とはいったいどうれぐらいなのだろうか?

一般的に原監督の評価が実態以上に低く評価(評価していない方の意見)されてしまう事に、年棒総額一番(=良い選手が多い)だから強いんだろっという事もあるかもしれない。

これは落合中日の記事にも指摘されていたが、

外国人も含む年棒総額で、ほぼ総ての年代で一番なのは巨人、もしくは阪神であり、確かに率いている選手の能力が高いといのはあるかもしれない。

が、一方で、年棒が高い=実際の勝利に結びつかない面があるのも確かであり、それは近年の阪神が証明している所でもある。

資金力の多寡に相関がないわけではないが(弱い相関、Rで0.5程度)、FAや海外移籍で主力が流出し続けているにも関わらず相変わらず戦力上位の西武や、外部の補強に、資金をそれほど投入せずに、優勝し続けた日本ハムのような例もあり、年棒=強さとは単純に言い切れない面がある。

年棒=強さの指標の一つになるかもしれないが、それだけでは足りないのは言うまでもない。

また、年棒が、チームの強さに相関しない一面があるのは、年齢が高い=年棒が高騰の図式があり、複数年を結んでいるか、どうかという事も関係していると思われる。

実際、日本の年棒は、大きく減額できず、年棒と成績のギャップ、アンマッチが高齢化が進むチームほど生じやすい。

(%color(blue)ところで、監督の力量と年棒総額に因果はあるのだろうか?

監督が選手年棒を決めていないのは、火をみるより明らかである。

どちらかというと、年棒を決めている編成能力をみる指標のような気がするのだが・・・})

監督の能力を図るのは、年棒でなく、むしろ、その与えられた戦力。

選手実際の成績、結果をみて、その戦力で、どの程度の勝利を挙げられたかでみた方が、より監督として有能だったかを検証する意味で確かな気がする。

監督能力とチーム戦力の視点から考えるプロ野球

http://www.murc.jp/thinktank/rc/column/kataoka_column/kataoka131108.pdf

によると、与えられた戦力で最も良い成績を上げられるのは、実績上、落合監督となるようだ。

あるチーム(チームの定義は論文を読んでみて下さい、一番、能力の劣る監督を基準に算出しています。)を落合監督が率いた場合、その予想勝率は.674にもなる。

一方、原監督のそれは、.628。

2014年もチームを率いる現役監督では星野監督(.645)、伊東監督に序の成績であり、その采配が悪いというわけではないのだが、与えられた戦力の有効活用という意味において、若干、落合監督より遅れをとっているようである。

というより、落合監督が高すぎるだけなんだが・・・

この辺、以前書いた分析記事。

落合監督就任以降と以前について

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/aaakkk/article/48

で書いている通り、名古屋の地の利を活かした戦術をしていたからと思う。

が、本質的に弱いので、だからこそヴィジターで弱かったりしている。

ある特殊な条件下に適合した野球をし過ぎると、他の環境では弱くなるのは必然ともいえ、川から上がったカッパは干上がっちゃうようなモノである。

っと落合監督を持ち上げつつ、原監督を下げたように思われるかもしれないが、

果たして、その分析は、総てを言い表しているものなのであろうか?

そも、原監督自身が戦力の有効活用で、数字上、落合監督に劣るのは間違いないが、

それ以上に下手な監督は多々いる現実。

まして、人気球団故にまわりが煩い球団だ。

能力に劣る監督が、そんなチームの監督を通算で10年以上も続けることが出来るだろうか?

結論は出来ないである。

原監督の監督としての能力は、疑いようのない物である。

その辺を深く掘り下げつつ、

原巨人の内実の凄さの連載記事を書きたいと思う。

→2013年の総括と展望につながります。

で、最終的には、落合監督、嫌われるよねぇ。(ご本人の発言で)

原さん、好かれるよねぇになるかもしれない。(嫌われ難い)

になっちゃうのかなぁ、多分。

その辺、ご両人のスローガンというか野球観の違いに根差しているような気がします。

まぁ、いろいろあるのはエエ事です。

多様な世界は、いろいろなモノが育まれる土壌ですので、何が悪いでなく、正しいでなく、

同じラーメン(野球)好き同士、味噌ラーメン(落合監督)、しょうゆラーメン(原監督)も美味しよねぇ程度で連載を読んでくれればと考えています。

尚、原巨人が戦力の割に勝ち切れない面があるのは、原監督が率いているのが、マークの厳しい巨人、常に優勝候補である面がある事に注意して頂きたいです。

そりゃ、成績下がりますわねぇ。

計算上、マークの厳しくない弱いチームを率いた場合の方が上がる面がありますから。

数字は事実であり、10勝10敗がもたらされたシチュエーションも千差万別です。

何事にも事情があるわけで、調べれば、調べるほど(その事情を知れば知る程)、仕方がないと思えるのは、内田樹氏の「呪いの時代」に書かれている通りです。

事情を知れば、知るほど寛容になれるそうです。

そこを注意深く掘り下げないと、その評価は片手落ちになり、産経新聞の記事のように安易な記号化に繋がり、バランスを欠くことになります。

物事を一面でみるのでなく、もしかしたら、こういった面があるのでは?で見ないと、俯瞰的に見えないのは、

10勝10敗の投手であったり、

高城の評価であったり(極度の打撃不振になった理由にリード面でイッパイ、イッパイになった面があります)、

失策と守備範囲、レンジファクター、URZのような関係でもあり、

盗塁と、その成功率でもあったり、案外、効果のない犠打であったりします。

広島なんて、犠打しない時の方が点、たくさん入っています。

だから、数字上、野村監督、低くなっています。

同様に中畑監督も。

勝てる監督という意味で、野村監督、中畑監督は、原監督より実績上劣ってしまいますが、でも、それだけでないですよね。

実際、私、中畑監督好きです。

それは違った面で評価できるからです。

内田樹氏は代表的な言葉で、総てを一括りにするような言葉。

例としては「団塊世代」、「ロスじぇね」等の使い方を戒めていましたが、同様に「オチシンガー」も、出来れば止めて欲しいかったりします。

その数字、ホント?ですかは、コメントとしてアリなのですが、オチシンガーだから、こんな記事になるで終わると、切なく感じます。

まぁ、ツイッターでの話なんですけどね。

それと、

選手会発表の数字に外国人、入っていませんので実際の年棒とズレが生じている場合があります。

中日の方が年棒、高いと主張したい方は、その年の明記と、外国人年棒を調べた上で書き込んでねぇ。

まぁ、落合中日の最盛期、ウッズ、福留、川上いましたから、低くはないです。

日本人のみで中日が巨人を上回っていた時期があったのは間違いありません。

最も、私個人は、先述してますように、年棒に監督が関わっていませんので、殊更、結び付けたいと思っていません。

宜しく♪

尚、上記指標は落合GMとしてなら、O.Kと思います。