前項の続きです。
ランナーが居なくてもセットで投げる投手が増えています。
中継ぎ投手の場合、ランナーがいる前提で登板する為、その必然性も高いのですが、
先発投手でも増えています。
代表格は杉内でしょうか?
むろん、それには理由があるわけで、
その理由を知ってから、その現状を見ないと、現状を見誤る恐れがあります。
個人的な意見で言いますと、
個々の投手にあったフォームを選択すれば済む話なので、○○だからダメと言うのは難しいとは思っています。
問題は、その前提が、しっかりと行われているのか?でしょうか?
近視眼的な勝利至上主義が「作られた左打者」
http://number.bunshun.jp/articles/-/13586
サッカーでは教え過ぎの弊害が叫ばれ(1970年代から)、特に高校レベルで覇権を握るチームの性格が、上意下達から試合を通じた事故問題解決型に移行しており、割と様々なタイプの選手が生まれ始めています。
野球も試合を通じた問題解決型(教え過ぎない)に移行しつつあるとはいえ、サッカーと違い、間のあるスポーツ故かサイン伝達も出来る為、なかなか浸透して来ていません。
横浜の選手をみていますと、問題解決能力に劣る選手が多いのか、伸び悩みを感じます。
(数年、単年なら活躍できるのですが壁に当たったり、スランプに陥ると、自分で解決できない。身体能力重視(だけで野球をやってしまっていた?)で選手を獲得したTBS時代のツケか、中堅層が壊滅しています。)
それを指摘しますと話が進みませんので、
以下に簡単ですが、セットの利点と欠点を確認したいと思います。
まぁ、優秀な投手はダルビッシュのように
セットでも素晴らしい球を投げちゃう方もいますので、殊更、セットはダメとか、ワインドアップは素晴らしいと言うつもりはありません。
ただ、何にでも例外ありまして、ワインドアップやノーワインドアップよりセットの方が良い投球が出来ちゃう人もいるかもしれないので、注意願います。
世の中、例外だらけですので、
一般化して、安易に○○だぁっと考えてしまいますと、どうしても、その例外が零れます。
っと言いつつ、一般的な知己を。
セットとワインドアップの違いは
投球動作が大きいか、小さいか、それに伴う利点、欠点です。
セットの利点
・ 投球動作が小さい→フォームを固めやすい
一般にコントロールが良くなるのは、修正ポイントがワインドアップとの比較で少ないからです。
大きいか、小さいかというのは、体全体で投げるか、投げないのかの違いでもありまして、
総ては、この違いによります。
当たり前ですが、体全体で使うと確認項目が増えますので、ぶれます。
楽天田中投手が、たまにランナーが居なくてもセットで投げる時がありますが、ブレを矯正する為です。
振りかぶるワインドが減り、振りかぶらないノーワインドが主流になっているのも、ワン動作が減るというのが大きいからと思います。
論理的に動作が多い=安定し難いです。
(練習をすれば解決できる部分もあるかもしれませんが)
・ ランナーの居るなしで投球フォームを変える必要がない
→フォームを固めやすい
・ 投球動作が小さいので癖がなくなる。
これはNPBだけかもしれませんが、
細かな投球フォームをチェックして仕掛けてくるチームがホント、多いです。
代表格は巨人です。
セットの欠点
・ 体全体を使えないので、球威が落ちる場合が多い
(球威があまり落ちない方も居ます)
・ タイミングをとり易い
打つというファクターに関して、出所が見えにくいとか、配球の妙、他に補える事があるので、デメリットとしては、やや薄いかもしれません。
また、それ以前にセットに矯正される投手の場合、体の使い方が下手な投手が多く、1,2の3の間を変える事でタイミングを外すような芸当が、そもそもできない場合があります。
・ 体全体で投げれないので、負荷が分散しない
個人的に大きいのはコレでしょうか?
ノーワインドとワインドとの比較ですと、ノーワインドの方が疲れないと言われていますが、セットまで行きますと、体全体を使って投げるのが難しい為、一般にスタミナが削られます。
中継ぎで、セットが、ある程度、許容されるのも、
長い回を投げる事を求められていない
ケースとしてランナーが居る場合がある
からです。
先発の場合、イニングイーターを期待される為、このは、かなりのデメリットです。
問題は、私のような立場の者でもわかる論理にも関わらず、
投手コーチが先発投手に、セットで投げることを勧める、もしくわ、指導する事です。
中継ぎ出身の投手コーチだとか、関係なくわかる事にも関わらずです。
フォーム改造を行う場合、一般的な会社組織の感覚で言いますと、コーチ単体では行えないハズです。
編成に関わってきますので。
長い回を投げにくい投手ダラケになったら、当然、中継ぎを手厚くする必要がありますし、チーム編成に影響を与える事になると思います。
球団として、間違いなく、その確認を行うと思います。
もし、してなく、一コーチの一存で行えるとしたら、それはそれで楽しそうな球団体質ですが、
流石にそこまではないかと。
チーム方針、編成レベルの、より上位の方針と思います。
セットの投手が多い場合、
それはコーチというよ、球団の考え方なんだと思います。
が、その前に、セットにした理由です。
先発として長い回を投げる事を期待して獲得したにも関わらず、セットにする理由。
セットであろうが、ノーワインドアップだろうが、ワインドアップだろうが、関係なく投げちゃう投手もいますが、
安定度という観点で見た時、ワインドが一番難しいのは明白です。
そんな難しいワインドを投げ切れる投手が少なくなりましたが、
私個人的には、癖。
癖なく、投球動作の大きいフォームで投げるのが、現代野球では難しくなりつつあり特にNPBでは何度も同じチームと対戦する為、丸裸にされます。
また、投手分業が進むことで、長い回を投げる必要もない。
最も、杉内のような成功例もあり、
(一例をもって良いとは思いませんが、投手、それぞれの諸事情があります)
一概に何が悪いとは言いづらいですが、
ワインドアップでピッチャー振りかぶって第一球投げましたが見れなくなりそうです。
例外もあるのでしょうが、難しいですね。
フォーム改造の雑感に関して
ワインドアップが少なくなっていますが、やはり投球フォームが大きいので、安定が良くないようです。
勿論、体の使い方を熟知しているのなら、それら問題は解消されます。
問題は、その求められるレベルが一流というか、誰もが出来そうもないという事。
+昨今のデータ解析による確度の高いフォーム分析により、主力投手になると、その癖を見いだされ易くなっています。
一般に体の使い方を熟知できない人は、2種類も器用にフォームを使いこなせない場合が多く、そのどちらかを選ばざる終えないのかもしれません。
一流は、フォーム関係ないです。
その意味で能見は凄いですね。
ピッチャー振りかぶって第一球。
ノーワインドの投手が多いですが、振りかぶる投手がホント、減りました。
最後は感傷的になりましたが、文字通り雑感です。