昨日のロッテ戦で山口が先発し、6回を投げ見事、無失点投球。
結果は素晴らしいですが、おそらく理想としていた形とのズレもあったと感じました。
コメント返しもかねて、もう少し山口の意図(山口と言うより首脳陣の意図?)と、そのズレについて解説していきたいと思います。
ポイントは
井納と同じピッチングが出来たか ?
カーブの使い方
も、本質的にと同じなのですが、
先に結論を言いますと、井納と同じようなピッチングを一部できましたが、総ては出来ませんでした。
井納も調子次第でフォークの比率が下がりますが、理由は簡単で、追い込んでいなかいからです。
昨年、井納のフォーク被打率は優に.300を超えていましたが、振らせることを意図したフォークとカウントを取りにいくフォークでは質が違います。
今年、井納がフォークで三振をとれているのも、振らせることを意識したフォークをつかえている事と、それ以上に早めに追い込んでいるからです。
だから、様々な駆け引きが出来き、結果、他の球種(特にストレート)も活きて来ます。
面白いもので、一たび優位に立つと、シナジー効果で色々な球種が活きて来ます。
では、井納が昨年と違ってなにで追い込んでいるかと言うと、ストレートと、カーブ、スライダー。
特に注目すべきはカーブでして。
ドヤ顔で井納を語るでも特記していましたが、被打率の高いカーブ(.300を超え)を躊躇なく今年は使っています。
山口の持ち球も、井納と同じでしてストレート主体に、スライダー、フォーク、アクセントにカーブです。
ですので、
6/1の午前中に書いた山口の登板に思う で井納を参考にすると思い記載しています。
その予想通り、山口も被打率の高いカーブを多投(全体の20%超、かなり多いです)していまして、上手く目先を変える事に成功しています。
そこまでは良かったのですが、問題はカーブを投げる事で活きるハズのストレートが井納のほど、コントロールが良くなく苦労していた点です。
この辺の力関係が変わってフォークで勝負できれば、さらに優位に試合をコントロールできると思います。
その意味で主導権を握るまでは至ってなかったと感じています。
一方、ロッテ打線の立場で言いますと、相手がストレートを投げ込むのがわかっていたわけですので、そのストレートを狙い打てば良く、実際、狙い打っています。
が、結果は見ての通り、狙い球のストレートで空振り(三振が4つ)はするはで、結果的に、その狙い球のストレートを打ち込む事が出来ませんでした。
強調しておきたいのですが、
山口のストレートは攻略し難いレベルのストレートだという事です。
勿論、被打率.300近くありますので、無敵のストレートとは言いませんが、狙われても(単調でも)なかなか打てないです。(ロッテ打線との相性もあったかもしれませんが)
フォームの関係で比較的、出所がわかり易い投手ですが、それにも関わらず打てないのですから、あるレベルの域を超えている。
要は配球次第でどにかなるかもしれない典型的な投手と言いますか。。。
2014年05月03日に書いた記事
横浜の四球病 山口君の場合
>正直、この辺、組み立て次第でなんとかなる部分も感じ、他球団に行けば活躍出来るかもしれない部分を覚え、非常に複雑です
っと降格前の山口に関して心情を吐露していましたが、このまま活躍してくてるのを切に祈ります。
山口の良い面(ストレート)、悪い面(コントロール)、双方、顔を出しましたが、さて、今後、どうなるんですかねぇ。
セのチームと対戦した時に、その真価が問われそうです。
尚、カーブの使い方と言う所に関しては、別記事で書きたいと思います。
キーワードは、
「狙っていなくても捕えられてしまうのがカーブ」
これが僅差の終盤で使い辛い理由です
リリーフでカーブの使い手、ほとんど居ませんが、そう言う理由です。
これが原因でカーブが廃れ、そして別の目的でカーブが使われるようになって来ています。
西武の岸のカーブは例外的な部類のキレですが、彼の場合も、緩急をつける目的だけで使っていません。
単純に緩急をつけるのなら、同じリリースポイントで投げれるチェンジアップもありますし、岸もチェンジアップの使い手です。
スポーツ紙の山口を評し、緩急をつけた見事なピッチングと褒めていましたが、緩急だけの位置づけにカーブはありません。
次戦で山口投手の登板をより楽しむ為にも、もう少しカーブについての位置づけに関して分析して行きたいと思います。