ボール変更による影響について雑感と 守備面における広島・巨人の変調?

御存じのとおり、4月と5月以降ではボールの反発係数が違っている。

その結果、各チームの打撃・投手・守備成績に変化が見られたが、今回、守備面に着目し、その結果について簡単にだが記しておきたいと思う。

チームDER(インプレーの打球をアウトにした割合)の変化について

4/21時点におけるセの平均チームDERは69.3%。

それに対し、6/8現在のそれは、70.2%。

反発係数が低くなる=打球の勢いが減速するの論理に従いインプレイの打球でアウトになった割合が全体に増えている。

これは2011年の統一球導入時にも確認された事であるので、別段、驚くに値しない事でもある。

また、打球の速度が遅くなった結果、チーム間の差が小さくなる傾向があり、打球が早く、ボールに追いつけなかったようなチームのDERが大きく向上している。

前記事でも書こうと思ったのだが、広島が減速し始めてるいる理由の一つが、このチームDERでのアドバンテージを失ってしまった事が大きいかもしれない。

というのは、広島は反発係数が落ちた5月以降の方がチームDERが悪いのだ。

4月のDERが71.6%に対し6月、現在は71.1%。

むしろ、その成績を下げている。

未だ、守備の総合成績で、リーグトップクラスを守ってはいるが、

2014年04月22日

セ 現状分析 総括

2014年04月20日

広島 首位の戦力分析と展望 現況分析シリーズ広島編

で記述したような差を守備面で作れなくなっている。

広島が走るという前提で期待していた堅守に変調を来しているのだ。

5月以降だけで切り取れば、リーグで下から2番目の守備タスクである。

二塁菊池は健在であるので、ありていに言えば三遊間が大きく、その守備タスクを落している感じである。

梵を三塁で起用しているが、梵をショートで使えない事、その後継ショートの木村も守備が、それほど上手くない(守備範囲が狭い)のかもしれない。

個人的に広島の守備で変調を来したのは、守備範囲の広い堂林離脱以降の事と思っているので、彼がかえってくれば多少、戻るかもしれないが、怪我から復帰=直ぐ戻るとも思えず、文字通り我慢の時ようだ。

一方、5月以降でみた場合、守備タスクで最下位は巨人。

チームDERで、短期とはいえ最下位の巨人をみるのも久しぶりだが、急激に守備タスクが悪くなってしまった。

ざらっと通年のチームDERを確認したが第二次原政権では初めてではないだろうか?

坂本は相変わらずの補殺数であり、補殺能力で鳥谷(今の所、例年との比較で落ち込んでいます)と決定的な差を見せている事を考えると、こちらも坂本以外のポジションなのだが、橋本の離脱が痛かったか?

打撃陣の調子が上がらず、打撃重視の布陣にならざる終えないのもツライ。

優勝するチームでチームDERがAクラス以下なのは、私の記憶の範囲では去年の楽天ぐらいであり、この面でも混セである。

因みに去年のパの場合、上と下の差が守備面で大きくなく、それは今年のセについても当てはまる部分もある為、それも含めて不安定なのかもしれない。

好不調が小さいと言われる守備は通年を通して、チームに安定性をもたらすが、その安定性において上位チームに異変がある。

そんな感じである。

総合チームDER

中日 71.4%

広島 71.1%

阪神 70.0%

巨人 69.9%

ヤクルト69.6%

横浜 69.1%

5月以降のデータ

ヤクルト 71.9%

横浜   71.7%

阪神   71.5%

中日   71.4%

広島   70.6%

巨人   69.3%

個人的雑感

ヤクルトと、横浜が大きく、その守備タスクを戻しているが、このままシーズンを走ってくれたら、文字通り混セになりそうです。

そんな事、あるのだろうか?

試行錯誤数が少ないというのもあるかもしれませんが、今後の展開に期待です。