エルドレッドについての雑感

前記事でセペダをボール見極めの観点で褒めたが、他の選手はどうなんだろう?

タイプ的に近いエルを参考に、その凄さをみたいと思う。

まず、エルと、セペダのボール見極め状態である。

比較で、バレンティも参考に添付。

セペダの凄いのは初見に近いにも関わらずボール球を良く見極めている事である。

エル    65.4%

バレンティ 76.0%

セペダ   80.0%

また、件のBABIPであるが、

エルが.361

バレンティン.310

セペダが.192

である。

エルの調子が良かった時に、その高すぎるBABIPを考えると、危ういと書いた事があるが、その当時の数字が.477。

打率を評価しようとすると、900打席必要なようだが、結局、ブレが大きいのが、この打率であり、その大本がBABIPである。

(打率の年次相関は0.35程度であり、選球眼や長打力との比較で非常にブレの大きい数字)

以前との比較で好調、不調と感じる場合、この数字が大きく変動している時が多い。

むろん、投手のように、その技術が未熟な事で、その数値自体が低い場合もあるが、一般に規定打席(試行錯誤数がある数を超える、もしくわ、超える事が出来る優秀な打者の場合→打撃に問題があると規定打席に達しにくいです)を超えるような選手の場合、.300に収束する場合がほとんどである。

阪神打線が、4月絶好調だったが、

2014年04月22日

セ 現状分析 総括

に書いている通り、チームとして、このBABIPが高かったわけである。

あるレベルに達した打者の打率評価の場合、サイコロを振っているのと近い解釈をされる部分もあるが(打席の少ない打者の打率を一般に評価しない理由)、それは数をこなすことで、実力通りの数字に収束すると思われるからである。

最も、今年の場合、反発係数が変わった事もあるので、阪神の場合、余計に数字が落ち込んでしまったのだが。

さて、横道に反れたが、エルである。

BABIPが幾ら、.300に収束しやすい性格の数字とはいえ、数字である以上、当然バラつきがあるわけであり、規定打席に達するような選手の場合、その範囲は概ね。

.270.360の範囲に収まってくる。

むろん、タイプにより毎年、高いBABIPを記録するような選手もいるが、分布の中心は.300である(反発係数にもよる)。

セペダが、レギュラー打者に相応しい実力をもっているのなら、今の状態は絶不調と考えられるわけで、これから上がってくるのかもしれないと解釈される。

一方、エルである。

ボール見極めが、セペダより劣るにも関わらず、成績が良いのは、ストレートを打ち込んでいるからである。

というより、いたと言うべきか。。。

現在のストレート打率は.247。

確か、4月の時分は、.300を超えていたと記憶していたのだが、いやはや。。

ボール球を振りに行き、ストレートを打てないと言うと、確実性に劣るわけで、さらに打率が下がりそうな感触でもある。

配球の軸となるストレートを打ちめないと成績が悪くなるが、その面でも調子の悪さを覚える状況である。

打ち気に逸りボール球を振っている以上、さて・・・

同タイプの

バレンティン、ゴメスのストレート打率をみると、

バレンティン .346

ゴメス    .395

である。

以下、雑感

昨年もストレートの打率が.209と苦手にしていましたが、このストレートに対応できないと今後も苦しいかもしれません。

相手投手も、タイミングを崩そうと、あらゆる手を使って、バッティングのタイミングをズラスような配球を行いますが、その面でエルは弱いのかもしれません。

セ以上にストレート主体で攻める投手が多いと思われているパと相性が悪いのも、うなづけるデータでもあります。

このストレートが弱いのは、以前からの傾向ですので、その実力通りに収束していると感じる部分もアリますが・・・、ガンバって欲しいです。

元々、広島自体、打ち勝つ野球を志向しているわけでもないですし、その面でエルの打棒に頼らない野球で、広島らしく

調子を戻して欲しい所です。

その一方で、エルが打つと打たないでは、広島のチーム勝率が違いまして、チームが沈んでいる時はエルの打棒もシメリがちです。

広島の成績を分析していて、いつも思うのですが、案外、スモールベースボールが結果的に機能していない場合が多いです。

その原因に、中軸が他のチームとの比較で、しっかりしていない部分があり、その面で鍵を握るのがエルなんだと思います。

シーズン打率が.200ソコゾコと低迷していたエルが、シーズン後半の9月に打率.329、本塁打7本(シーズン本塁打の半分以上)を打つ事で、広島のCS進出の原動力の一つになりました。

この課題に対し、どう乗り越えていくか、野球ファン的には楽しみな所です。