相手が嫌がる野球とは?

何度か、記事中、過度な犠打は、その得点力を落していると記事にしてきた。

そのカウント別の得点期待を下記に記すと以下のようになる。

参考文献

得点期待値、得点確率でプロ野球を考えるとどうなるか?

それによると、ノーアウト1塁より、ワンアウト2塁の方が得点確率(点が入ったか?1%低下)、得点期待(何点入ったか?比率で10%程下がる)伴に下がっており、統計学的には効果があまり期待できないという結果である。

だから、各チーム主戦捕手が犠打をしてくれた方が良いと証言するわけであり、状況を考えず犠打をするチームは、実は相手を楽にさせる野球をしている可能性がある。

犠打のシチュエーションをまとめると、

「0アウト一塁」→「1アウト二塁」 = 得点期待値、得点確率ともに下がる

  ※ただし、得点確率はわずかな下落(約1%)

「1アウト一塁」→「2アウト二塁」 = 得点期待値、得点確率ともに下がる

「0アウト一二塁」→「1アウト二三塁」 = 得点期待値は下がるが、得点確率は上がる

「1アウト一二塁」→「2アウト二三塁」 = 得点期待値、得点確率ともに下がる

である。

犠打をポジティブに解釈するのなら、得点期待(その回入る得点の総量)を下げる代わりに、得点確率(一点を入れる可能性)を上げるかもしれないである。

そこを留意して采配をふるう事で相手が嫌がる野球を出来るのだと思う。

相手打者心理を考えるように、相手チーム心理も合わせて考えて欲しい。

全般的に得点期待を下げて得点確率を上げる犠打が有効に作用するのは、その一点の重みが大きいときである。

その一点が軽い場合、その意味は、ほとんどなさない。

もしくわ、大量得点を必要とする場合、それに相応しい打順、選手起用がある。

そこも、あわせて肝に銘じて欲しい。

犠打は大量点が期待できる時、必要な時に、その価値が下がり、相対的関係で一点で試合が決まるようなケースに、その価値が上がります。

そのメリハリがあると、相手が嫌がる野球が出来ますが・・・