オリックスと中日が交換トレードを行った。
オリックス側の事情としては、二塁手、平野のバックアッパーとしての事だったようだが、二塁つながりで田中浩康選手を思い出してしまった。
二塁手としてTOPレベルの守備力を保持しており、年齢も32歳とプロ野球選手として円熟期を迎えているにも関わらず、より素晴らしい選手の登場により、活躍の場を奪われてしまった選手だ。
2013年12月24日
選手育成について 中日、2013年総括と展望番外編
にて、ライバルの山田選手を褒めているが、歴代補殺数(年間ゴロ処理数)でトップレベルの実績を誇っていた選手が怪我が切っ掛けとはいえ、こうも容易くレギュラーを奪われるのかと、ビックリしたものである。
守備重視で起用されるポジションとして、
捕手
遊撃
二塁
があるが、捕手は経験による面が大きく(阪神の梅野選手は近年みた事がないケース、阿部や城嶋のように打撃を買われての起用でない所に注意。個人的には他の捕手のリードも学ばせる意味で、ベテラン捕手を使った方がよいと思うし、休ませる意味でも良いと思うのだが)、
遊撃の場合、経験以上に、若さ(俊敏性)が求められる場合が多く、加齢による守備力低下が、経験による守備力向上を上回る場合が多い。若手が起用され易いポジションでもある。
一方、二塁である。
捕手と遊撃の間にあるポジションとも言え、中日の立浪選手が、遊撃→二塁とシフトして行ったように、俊敏性(も必要だが)より守備位置変更等(二塁の守備位置を基準に守備位置が変わります)、内外野の司令塔的ポジションである。
(ショートストップのような菊池は例外)
そんな二塁で、田中は、
2014年03月20日
歴代シーズン補殺数記録
歴代12位の補殺を記録しており、単純なアウト寄与率で言うと、楽天の藤田の約1.3倍強。
レンジ評価で言うなら、藤田との比較で、一試合当たりのアウトで1違うような素晴らしい守備力を示した事がある選手でもある。
現役、日本人野手で、シーズン480以上の補殺数(守備の最多安打のようなモノ)を記録した事がある野手は、
鳥谷、坂本、菊池、アライバ、そして田中浩康だけである。
最も、480を超える=歴代20位以内にランクインするわけであり、その時点で、凄いのだが。。。
(年間、補殺数で400を超える選手は稀有です)
そんな選手が控えなわけである。
困った事に、田中の怪我を期に、一気呵成にレギュラーを奪った山田が、田中以上の素養をみせてしまったのが原因だが、何とも言えない気分だ。
菊地の陰に隠れていて昨年は目立たなかったかが、実は守備面でも、並以上の二塁手なのが山田である。
(レンジで評価で藤田と同等)
そして、今年は、文字通り、打撃面でも開眼し、二塁手としては異例の打撃成績を残している。
山田の守備力は評価していたが、打撃の急激な伸びに関しては全く想像出来なかった。
(打力でも山田>田中であり、だからこそ、小川監督も山田を起用したと思うが、ここまで際立った成績を残すとは想像がつきませんでした)
ヤクルトの布陣を考えると、三塁と二塁には不動のレギュラーがおり、空いているのは遊撃のみ。
田中は、今年、一塁で起用された事もあったが、それが田中の立ち位置でもある。
正直、バックアッパーとしては、あまりに勿体なく感じる。
未だ、若いんだし、今後に期待したいところだ。
ガンバレ、田中選手。