RCとは、Runs Createdの略で、個人の総合得点能力を表す指標の一つである。
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式は
RC=(A+2.4×C)×(B+3×C)/(9×C)-0.9×C
B=塁打+0.26×四死球+0.53×(犠打+犠飛)+0.64×盗塁ー0.03×三振
で計算される。
このようなモノが作りだされた背景とは、打点という、何処の打順で打つかと言う不確定要素に作用されるものでなく、純粋な各打者の打撃成績のみで、
その得点能力、創出力を予想したかいからである。
昨年の個人ランキングで言うと、以下の通りだ。
1位 山田 127
2位 丸 113
3位 雄平 99
4位 鳥谷 95
5位 ゴメス 94
RCは算式をみてわかると通り、マイナスを与える三振のような要素もあるが、基本的に総得点を予想する数値である以上、打率というより、得点や打点、HRに近い数字であもあり、試合出場数に強い影響を受ける。
マイナス要素も含めており、総合的な打撃上のチーム貢献度をみる上で非常に分かり易い数字でもある。
本塁打が多くても、盗塁死や三振、併殺が多いと、その分、マイナス評価になるからだ。
怪我がちな選手も評価され難い(公傷除く)。
球団査定に近い感覚の数字だろうか?
さて、横浜だ。
今シーズン、横浜のチームRCは327と広島に次いで2位の潜在攻撃力があるのだが、
対して実際の得点は289っと広島、ヤクルトに次いでの位置になっている。
おおよそ、予測値に対して横浜は攻撃力を12%落している状態である。
予測値と、実際との得点との乖離で言うと、
横浜は中日の15%減に次いでの悪さであり、その攻撃力を活かしきれているとは言えない。
横浜が潜在攻撃力を活かしきれてない理由について考察
1、残塁が多い
残塁が多いから、上記RC(打撃成績の割に点が入らない)との乖離が生じ易い。
2、1,2番の出率が低い
1,2番の出塁率が、リーグ最下位とかなり低い。
特に2番の出塁率.257は、横浜を除いたリーグ平均の.308との比較で大きく落ちる。
1番も、.310と横浜以外のリーグ平均.350との比較で苦戦、2番と同様リーグ最下位の出塁力。
3、下位打線の攻撃力も低い
7,8番の攻撃力がともにリーグ最下位。
1,2番と同じような状態。
4、打線が点になり易い
1,2番の出塁力が弱く、ツツカジでチャンスメイク、ロペス、バルで得点の形が多い。
7、8、9で途切れる為、大量点が取れにくい。
残塁が多くなり易い。
総論
3,4,5,6の成績がリーグ上位なため、平均で見た時、横浜のチームRCは高くなる。
が、それ以外の打順の攻撃力が弱いので残塁が多くなるチーム編成になっている。
その為、3,4,5,6の攻撃力を活かせ切れず、RCに対し、実際の得点が少なくなり易い。
正直、誰を起用するかの問題でもあるのだが、この辺、横浜も試行錯誤しており(各打者も努力している)、その努力が結実するのを期待したい。
その他、RCと関係ない雑感
RC上、プラス判定されてはいるが、犠打は一点を奪いに行く代りに、総得点期待値を下げる効果がある。
https://www.facebook.com/gleaguebaseball/posts/500174230081828
スモールベースボールを敢行している以上、その副作用で得点能力が落ちる。
後は、大事に奪った1点を守り切れる投手力、守備力があるかなのだが、その攻守のバランス次第で犠打が有効であったり、敗因になったりする。
それらの関係上、
一般的に、
打撃優位な時代に犠打が減り、投手優位な時代では犠打が増える。
ホームランが飛び交った2000年台の前半の平均犠打数(2004年は77犠打がリーグ平均、トップ落合中日が101犠打と大きく伸ばしていたが、他は少ない)に対し、今は1.5倍ほど(2014年リーグ平均125、トップ横浜149犠打)、増えている。
弱いチーム(都立高)が犠打をせず、強攻するのは、守り切れるだけの投手力・守備力がないためだが、
現在の横浜は、昔との比較で、投手力、守備力が整備され始めており(スモールベースボール向きでない横浜でホーム勝率が上がった理由の一つ)、犠打=ダメとは言い辛いが、
対戦投手、自軍投手次第(大量失点の可能性がある、中継ぎを使いたくない)では強行も視野に入れて欲しい。
最も、
強攻するに相応しい2番打者が不在であり、渋い状態ではある。
得点能力を高める意味で、
梶谷一番もありかもだが、まずは全体の底上げとして、1,2,7,8番の、さらなる覚醒に期待したい所である。
優勝するチームは規定打席をクリアするようなレギュラーを数多く擁する場合が多いが、横浜のチーム力底上げの為にも、彼らに期待したい。