成瀬、復活のカギについて雑感

2016年、成瀬は活躍できるのでしょうか?

その可能性を探りたいと思います。

そもそも、

ロッテから直接移籍した投手、捕手はイメージが良くないです。(横浜ファンですので)

彼らが苦労する理由ですが、

思うに、

ロッテが本拠としているマリーンスタジアムが、0.88とホームランの出にくい球場(風)というのが影響しているのではないかと見ています。

高めのボールをボンボン投げる傾向にあり、基本的に皆さん、フライボールピッチャーです。

厳密に言いますと、フライボールピッチャーと言うより、配球に自由度の高い球場であったと言った方が正確ですかね。

何処で打球を処理したかでみますと、外野処理が大変多く、内野は、あまり関与しません。

そんな球場から、セの中でもホームランが出易く(PFで≒1.5)、低めにボールを集める必要のあるヤクルトへの移籍です。

そんな影響もあって苦労したのではないかとみています。

ロッテ時代、打球処理アウト(三振除く)が多い時で、その65%超がフライアウトだった投手が、

ゴロアウトを求められる神宮に来たわけです。

一方で、成瀬と言いますと、与四球が少なくコントロールの良い投手と言われています。

同じ左腕、ヤクルト石川に近い数字を残しており、

通算で、BB/9は1.75です。

これ凄いです。

誰と比較するとイメージし易いのかわかりませんが、

コントロールに定評のある元巨人の上原のBB/9が1程度。

松坂が46という事で、その凄さをイメージして欲しいです。

因みに2015年の館山は5.2でした。

2015年の館山と違って、成瀬、四球を出していません。

(館山、怪我上がりの影響もあってコントロール良くありませんでした)

それもあって、神宮でもアジャストできるのではないかと言う事で、ヤクルトも獲得した思いますが、

結果は、ご承知の通りです。

そんな成瀬ですが、

2016年、活躍する目はあるのでしょうか?

まず、フライ、ゴロのアウト比率ですが、

ゴロアウト 52%

フライアウト48%でした。

フライアウト65%超を記録していた千葉ロッテ時代と違い、モデルチェンジしているようには思えます。

与四球も、通算との比較で悪化していますが2.38です。(2014年、成瀬が記録したBB/9は2.59)

概ね、中村の要求通りに投げれているようには感じます。

(後述しますが、初回防御率2.57と、大変良いです)

問題は、

中村の要求通りに投げれている可能性が高いのに、打たれている可能性が高いという事でしょうか?

じゃー何が悪いのかと言いますと、

HR/9。

最初に戻っちゃった感ありますが、成瀬が2015年に記録したHR/9(ホームランの打たれ易さ)は1.82です。

これセのリーグ平均の2.6倍です。

成瀬が143試合、9回計算で、投げますと、260本塁打打たれる計算になります。

元々、被ホームランの多い投手だったのですが(あのマリンスタジアムをホームとしながら)、

さらに多くなってしまい、破綻してしまっています。

ゴロアウトが増えていますので、長打警戒の投球をしていますが、

スタンドに持っていかれています。

被安打率を考えますと、それほど打たれていないのですが(被打率.268)、被長打率が高く、打たれる場合は長打が多い。

特に右が・・・被OPS.895と左の被OPS.487との比較で、良いように打たれています。

組み立てがし難い状況です。

で、何がダメかと言うと、ストレート。

被打率.354を超えてしまいました。

成瀬の持ち球は、チェンジアップ、スライダーです。

対右を考えますと、

石川のように、右打者に対し、外に逃げれる変化球があれば、中村が、それなりにリードしてくれるハズです。

成瀬復活のカギは、

右打者の外へ逃げる球と言う事になりますが、

一方で、成瀬は被打率の高くなったストレートに活路を求めているようですね。

確かに、あの当時のキレが戻れば、大分良くなるとは思います。

「直球は僕の原点」 ヤクルト成瀬、復活へ向けて掴んだ手応えとは?

どちらにしろ、

左との比較で対戦数の多い右打席(両打ち等ありますので基本的に多くなります。実績上、左との比較で2倍ほど)を如何にして抑えるか?

そして、いかにしてホームランを打たれないようにするか?

そこに成瀬復活のカギがありそうです。

その術をストレートのキレに求めるか、

新たな変化球に求めるか?

右の外に逃げる変化球については、元々、本人もわかっていると思いますので、

まずは、直球を見直す。

そのような変化球がなくても、抑えていた実績ありますし、

それも一つの手段とは思います。

後は、それが上手く行かなかったとき、2016年は、2015年同様、苦労する可能性が高いかもです。

その結果、石川のように変化球主体の投手にモデルチェンジするのかもしれませんが、今は、その過程なのかもしれません。

苦しんだ先に、何を見いだせるか?

それがプロです。

野村克也 清原逮捕に「天才だが考えられないバカ。野球人としての復帰は難しい」

にて、野村さんが、

野球は技術力には限界がある。その先は頭で考えるしかない。そこから先がプロの世界なんだよ。

っと語っていますが、

その先の知恵を、如何にして対応するか、その頑張りを応援したいです。

これぞプロです。

ヤクルトさんの場合、高津投手コーチも居ますし(カツノリも居ますから)、

先発が無理でも、中継ぎで復活何てプランもあると思いますので、その知恵の在り様に期待したいです。

因みに成瀬、4回に総失点の40%を喫していると言う(推計防御率11.6)、異常とも言える失点をしていますので、短い回なら、いける可能性を覚えます。

初回失点、わずか4失点。

防御率2.57です。

本来、初回はチャンス回です。

そのあたりに成瀬の素性の良さも覚えます。

一般的に初回はチャンス回なので苦労します。

(被打率とかみていませんので、結果的に良かったのか、中身も良くて防御率的に良かったかは不明です。その辺は、注意宜しくです)

一般的な得失点分布に関しては、こちらを、

2013年のモノです。

セ・リーグ6球団の得点と失点パターンについての考察と雑感 

セ・リーグ6球団の得点と失点パターンについての考察と雑感 

以前から数字、分析して居て思いますが、

ヤクルトさんはインテリジェンスの高い球団と思っています。

球団として対応力が高いですし、その知恵に、プロの知恵に、期待したい所です。