谷繁采配の意図を考察

プロで3000試合を超える経験をしたのはNPBでは谷繁と野村さんだけです。

それなりの経歴を持つ人は、それなりの理由があります。

勿論、?もあるかもですが、?ばかりでやっていけるほど、プロの世界は甘くないです。

昨夜の巨人戦における谷繁采配に関し、かなり厳しい意見が散見されましたが、自分なりに考察してみました。

6番堂上のバント

普通はしません。

理由は、その後が下位打線ですからです。

つまり、昨日は普通でなかったわけです。

当たり前ですが、普通でない事をしたのには理由があるわけです。

当事者ではありませんが、その理由を考えますと、

菅野

対右は圧倒的です。あまりに力の差がありますので、外一辺倒の単純な配球で右打者の、ほとんどは料理されます。

各チーム、その対応で左を並べていますが、苦戦しています。

併殺が怖かった

分の悪い右の堂上(菅野から昨日打ってはいますが右全般に菅野強すぎます)に、塁上ナニータです。

併殺が怖いです。

最も、どのチームも、6番バントを普段、選択しないわけですので(中日も普段はしてないハズ)、そこは苦しい采配だったとは思います。

菅野だからなんでしょう。

10回の裏、荒木にバント指示

高校野球レベルなら、ツーアウトでも2塁に進めるのはありですが、プロでは一般にランナー二塁に進めてもツーアウトの場合、点が入り難いです(得点確率を下げる愚策な場合が多いです)。

プロでも、あまり見なくなりましたね。

荒木が全く期待できない打者なら、投手に犠打させるような感じでバントをさせたと思いますが、

ツーアウトにしてまで、進める必要性はあまりないです。

ワンアウト2塁ですと、得点確率上がる面あるのですが、ツーアウト(確率が下がります)です。

大島の盗塁指示

もし、責めるとしたら、大島の盗塁でしょうか?

グリーンライトなのか、どうかわかりませんが・・・

荒木、右打ち上手いですし、ランナー一塁のシチュエーションの方が打てたかもしれません。

相手もそれをわかっているのでイン中心になり易いですが、制球のアバウトなマシソンです。

いい勝負になったかもです。

気になるのはマシソンの直球と、荒木との相性ぐらいでしょうか?

大島単独の可能性もありますが、采配の場合、

ワンアウト2塁と、ワンアウト1塁では、得点確率で1.51.7倍になりますし、好意的に解釈するのならリスクを負って仕掛けたとも言えます。

併殺も嫌だったでしょうしね。

ワンアウト2塁になりますと、荒木を歩かせて平田勝負になる可能性が高くなるのですが(歩かせる事も視野の配球)、マシソン、そんなコントロールありませんので、厳しい所を突きますと、高い確率で四球出塁になったと思います。

その後、平田で勝負。

可能ならビシエドでセカンドチャンスにしたかったのでしょう。

気持ちはわかりますが、大島の盗塁、あまり上手い印象がなく、直球系主体のマシソンに、球界トップクラスの肩を持つと言われる小林に盗塁を仕掛けるのは、厳しかったとは思います。

以上、そんな感じで考察してみました。

現在、大野離脱、周平離脱と、戦力的に劣勢な中日です。

本当は、ガタガタっと落ちてもおかしくないのですが必死に抗っています。

そう言う采配をしています。

その代償が中継ぎ酷使。

代償と言って良いのかわかりませんが、先発が試合を作ってくれませんので、救援が処理した投球回数、ヤクルトの143回と、中日の142回はリーグトップクラスです。

かなり負荷がかかっています。

代償と言うより、先発が、もう少し長い回を投げてくれませんと回せません。

若松を、何とか投げさせたいと、引っ張り過ぎたりしますが、気の毒な状態です。

先発中4登板してもいますし、スクランブル状態です。

もう既に、山井が先発→中継ぎ→先発と配置が二転三転し、最後に二軍降格しましたが、この時期に、こういう配置転換はしないです。

無理しているのは中日首脳陣も承知していると思いますが(佐藤優の先発起用も非常に無理した采配です。フォーム調整、一回試投、即一軍起用です)、

今、食らいつかないと落ちていくと思っているでしょうね。

吉見の中6日先発起用も含め、やれることはしよう的に抗っています。

緊張の糸を切らないよう踏ん張っています。

分水嶺です。

ここでズルズル行きますと、先発陣の脆弱性から考えて、かなりキツイです。

明日なき戦いをしつつ、先発で誰かを見出そう的な状況かもですが・・・

大野復帰まで、なんとか維持しよう的な思惑もありそうです。