昨夜の記事の追記、訂正版です。
もう少し、深く切り込まないと不味いと思い書きます。
昨日は勢いのままで書いてしまいましたが、もう少し書かせて下さい。
まず、加賀の特徴ですが、
右に強いと思われていますが、必ずしも、そう言うわけでもないです。
加賀の今シーズンの成績は、
右に対し、被打率.227ですが、被出塁率が.370となっており右専門の投手として機能しているとは言い難い状況です。
ある特定のタイプの右には有効に機能しそうなのですが、場面を限定して起用がある投手なわけです。
成績だけ見ますと、右だからだけで、全幅の信頼をもって送り出せる状態の投手となっていません。
加賀が右に対し、苦戦しているのは、
外スラを相手が空振りしてくれないからなのですが(空振り率11%)、変化球で空振り率11%というのは低い部類です。
バレンティンキラーとして名を馳せた2013年のスライダー空振り率は18%ほどあったのですが、今年は、その効果が半分程度にまで低下しています。
かなり苦戦しています。
二軍ですと、その独特な間合いで機能するようですが(イニング少ないですが与四球0)、一軍ですと通じる場面が少なくなっているように感じています。
加賀が機能するかのポイント
深く沈み込むような独特のサイドスローにタイミングがあうかどうがポイントです。
あの投球フォーム(右の死角の外から)で投じられるボールを見極められているかなのですが、
死角が生じにくい極端なオープンスタンスに構えているクルーズに通用したかがポイントになります。
あそこまでオープンに構えられますと、加賀の持ち味であり、右の死角が生じにくいです。
相性的に微妙な所がある対戦だった可能性があります。
また、実際に、外スラで空振りをとれませんでした。
右に対し加賀が機能し難くなった理由について
加賀が活躍(2013年)していた頃との比較で、右のサイドスローがセで増えています。
あの死角に右打者が慣れ始めている部分を覚えます。
逆方向に意識の高い右打者には、通用し難くなっている感じですかね。
以上を踏まえた上で、加賀対クルーズの場面を振り返りたいです。
初球 外スラ 見逃されます ← これを振ってくれると組み立て楽なのですが、振ってくれませんでした
2球目 外直球 空振り(外低目)
3球目 インスラ 外を狙ってのボール
4球目 外スラ これも見逃されます
ここでボール3 苦しいです。
一点差ゲームで、これ以上得点を与えたくない場合、ボール気味の外スラの選択も出来ますが、点差は4点差。
ランナーを出す事が×です。
四球で出すわけにはいきませんので大分、打者有利な状況になっていきます。
点差によっては一塁空いてましたし、パスもありなのですが、状況的に勝負する必要性が高い場面です。
5球目 外スラ 見逃しストライク
ここまで一球も外スラを振ってくれません。
クルーズと加賀は、今回が初対戦ですが、勝負球への反応をみる上で打ちに行くのを見る事で、捕手はボールを組み立てます。
ですが、本当にスライダーが機能してくれるのか迷うようなシチュエーションになってしまいました。
これが普段から空振りとれているような球なら外スラに自信を持てるのですが、データでわかります通りです。(空振り率11%)
バッティングカウントですので、クルーズもストレートか、スライダーのどちらかに張っていた可能性もありますが判断の難しい場面です。
6球目 フルカウント ここで外目を狙ってストレートを投げ、ボールが中に入り二塁打を打たれています。
苦しい状況
加賀のストレートが通用し難いのは、このストレートがシュート回転しやすいからです。
これを持ち味と考えるかどうかなのですが、
ヤスアキが右に分が悪いように、変化球待ちしている相手に(この場合は外スラ)、ストレートが意図したところから外れ中に入って来ますと、
ギャーになり易いです。
(今年、加賀、左に対して例年との比較で通用していますが、このシュート回転するストレートと、スライダーを上手く使っています。)
関連記事
ヤスアキの状態(右との相性の悪い原因)について 雑感
一方、あの場面でスライダーを選択できるかと言いますと、今年、外スラで空振りをとれていませんし、ストライクゾーンで勝負仕切れないから、右に対し被出塁率で.370なわけです。
4球、スライダーをクルーズに投げましたが、総て見逃されています。
選択し難いです。
追い込まれていたわけです。
これが、ストライク先行ですと、また、違った配球(見せ球、反応をみれる球を)を選択できるのですが、初球と、4球目に投げた外スラを見逃された時点で、打者に天秤がかなり傾いていたとは思います。
あのボールを振ってくれないと加賀では、抑えられないです。
江川さんの解説
スライダーを選択すべきと言ってましたが、
その球が相手に分が良いかどうかなんです。
問題は、今年、その外スラが機能しているとは言い難い事です。
だから、右に被出塁率が.370となっており、空振り率11%となっています。
ストライクゾーンで勝負するような球ではないです。
2球目で空振りをとったようなコースにストレートが決まれば、良かったわけで、凄く悪い選択とは思えませんでした。
ただし、リスキーな球であるのは、シュート回転しやすいところで、その通りであり、一打同点ないし逆転の場面で、ストレートを選択した場合は、リスク管理上、どうなのと、言われる類の球と思います。
ただし、あの場面は4点差なので、リスクをおって打ち取りに行ったと解釈しています。
四球お.kなら、外スラでしょうかね。
江川さんの解説の特徴
終盤になりますと、その投手の一番良い球を投げるような事を求めます。
当たり前と言えば、当たり前なのですが、得意な球で勝負すべき的な部分があります。
ヤスアキにも、ここはツーシム、ここはツーシムと、解説で連呼していましたが、
高城にはストレートを選択されていました。
相手が、そのコース、球種を待っていても、確率論的に定石を大事にする配球解説が多いです。
特に終盤はです。
外低目一辺倒を求める解説も時折りしますが、確かに有効なんですよね。
問題は、その力があるかどうです。
定石は大事なのですが、定石の実行には、あるレベルの力が必要です。
その力が加賀にあったかなんですよね。
そして、それでもストレートは投げないといけない
これ記事の表題にしようとも思ったのですが、ストレートは配球の基本です。
基本と言うのは、ストレートを投げる必要があるからです。
どうしてかと言いますと、変化球と対になっているからです。
真っ直ぐを投げる事で、変化球が有効に機能します。
高城が昨日、ヤスアキの場面でストレートを多めに使ったのは、ツーシムを機能させる為です。
ペトリックにも被打率.361のストレート多めに要求して居ましたが、他の球を機能させる為にストレートを要求する必要があります。
大活躍した2016年のヤスアキのストレート被打率は.300を超えますが、ツーシムを活かす為に、ストレートを投げる必要があり、その精度が悪い事で、ツシームがより打たれ易くなったのは、先日書いた通りです。
同じ球種だけで攻め切れる投手は、本当に限られた投手になります。
江川さんの解説は、割と、その限られた投手による(コースを限定して、外の出し入れを求めすので、球種限定ではないですが)配球論が強い傾向があり、
かつ、最後は一番自信のある球で勝負論が強いです。
試合の帰趨を決する場面では、その傾向が強いですかね。
この理論自体は正しいです。
自信のある球がない投手は終盤登板するできではないですし、してはなりません。
問題は、
今の状態の加賀の外スラが、通用したか、どうか?
シチュエーション的に厳しく感じてもおかしくないデータが揃っていた上に、対戦状況だったと事情を説明させてください。
となりますと、そんな加賀を起用した・・・
選手起用面で、次、記事を書かせて下さい。