データでみた筒香の状態について雑感

横浜ファン待望の筒香のホームランが漸く出ましたが、今の筒香の状態とは、どんな感じなんでしょう?

記事でも、様々ありますが・・・

0発続くDeNA筒香嘉智、復活のカギは? 昨季から変化する“あるデータ”

一部、データだけでみますと、

広尾さんのような見解になります。

数字は事実ですので、そう言う見解も成り立ちますが、

この記事を読んで、強烈な違和感を私は覚えています。

一番違和感を覚えるのは、この一文。

プルヒッターが広角に打てるようになれば、数字は上がる。しかし、引っ張ることができなくなれば、本来の持ち味が消えて、怖い打者ではなくなってしまう

筒香は流し打ちをしようとして、今の状態になっているわけではないです。

引っ張っても打球が上がらないだけなのですが、まるで、広角に打つことで怖さがなくなっているような表現でした。

そもそも論で言うなら、後述する理由で筒香は以前からプルヒッターではないです。

一部数字だけみると、そう解釈するのかもですが、

数字って、難しいですよね。

ある数字(左方向への安打の割合が多い)だけに拘り過ぎますと、そういう解釈にもなります。

2017年は、右翼へ飛んだ安打はわずか27.8%、左翼に44.4%。

極端に左方向に安打が集中している事を根拠に、広尾さんは怖さがなくなったと指摘しています。

安打だけで分類しますと、確かに、そうなります。

ですが、凡打を含む総ての打球方向で分類しますと(ファール除く)、

2016年は左35.9% 中23.2% 右40.9%

2017年は左34.4% 中26.6% 右39.1%

昨年と今年で打球方向の分布に大きな変化はありません。

プルヒッターと広尾さんが解釈した2014年も打球方向に変化はないです。

2014年は左が35.7% 中20.3% 左43.9%。

参考に、2016年、鈴木誠也の数字ですが、

左46.8% 中28.6% 右24.6%

ヤクルト山田に至っては、

左55.9% 中22.9% 右21.3%です。

プルヒッターの場合、左・中間(右・中間)への打球が全体の70%を超えてきます。

その分類でいいますと、2014年の筒香も広角打者ですし、今も広角打者です。

参考記事 2016年01月19日

祝、筒香1億円。その成長を振り返って見て雑感

中畑さん達は.250で40本のような打撃を筒香に期待していたようですが(広尾さんが期待するようなプルヒッター)、筒香は、その信念を貫き通します。

そう言う背景を知っていますので(過去の経緯を知り、今を知る。そして将来を予測する。つまりは温故知新です。)、余計に広尾さんの記事に違和感を覚えたのかもしれません。

インコースは引っ張り、アウトコースは逆らわずに流すです。

打てそうならアウトコースも引っ張りますが、この基本スタイル自体は2014年以前からですし、昨年も変わりません。

中畑さん達の期待に反し、迷い、大村打撃コーチにより、その気持ちを整理される事で2014年に筒香は飛躍しましたが、広角は彼の持ち味です。

そのスタイルは変わっていません。

そして、極端に崩されても居ないのに、打球が上がらないです。

右方向の安打が少ない原因は、

これも数字で見れば一目瞭然で、

インコースの直球を打ててません。

元々、ポイントを近くに置いて打つタイプ(バットも下から出ますので低目が得意で高めが苦手です)ですので直球、特にインハイを苦手としています。

ですが、今年は、いつも以上に、そのインコースを捌けていません。

インコースは基本的に引っ張りますので(右方向へ打球が飛びます)、その打球の質がが良くないです。

参考記事 2016年01月24日

祝、筒香1億円。その成長を振り返って見て雑感 2

高さ分類、変化球分類しないで(本当は層別した方が良いかもですが)、ざらっと過去の筒香のインコースの打率をみますと、.300超えていますが、

今年は.100以下です。(記事書きはじめた、週中調べ)

筒香の打撃スタイルが変化しない前提ですが、

このインコース、直球の数字が上がってきますと、打撃スタイル的に広尾さんが指摘するような左への偏りが解消されるかもです。

では、

どうして、

インコースを筒香はさばけないのでしょう?

そして、

どうして、

私は筒香の打撃フォームが崩れてないと断じるのでしょう?(極端に崩れてない)

微妙なズレが原因と感じます。

ですので、

皆さま、そろそろ、そろそろっと口を揃えて記事化していたと思います。

横浜の宮崎も、フォーロースローを大きくしただけで、打撃の状態が怪しくなり、あの天才的な打撃フォームが崩れてしまいまいましたが、筒香は、そこまで崩れてないと言う見解です。

宮崎については、意識を変えるだけで対応して欲しく、昨年のスタイルに戻して欲しいのですが、どうなるのでしょう?

戻れば良いのですが・・・

打撃は微妙なズレから崩れます。

濱口と対戦した広島さんの右打者の状態が怪しくなりましたが(高城と濱口が頑張ってくれました)、ちょっとした切っ掛けで崩れる場合があります。

一軍が育成に向かない理由ですが、一軍の一流投手は打撃フォームを崩しに行きます。

参考記事

2017年04月18日

今日の内容次第で、敵地スイープ(マツダで)を期待したい

あれほど良いと感じた白崎の状態が降格直前、かかと体重気味になっていましたが、崩れて行きます。

実績のない選手ほど、短期間に崩れ、戻すのに時間がかかるような印象があります。

一方、筒香は、そこまで打撃を崩されていませんし、崩れかけても踏み止めっている印象です。

それが実績なんですかね。

尚、

崩れないようにするには、型を作り、違和感を常に修正して行くことです。

打撃フォームを固められない倉本の打撃が、とても未熟に映る理由ですが型がないと、崩れやすいです。

次、記事を書くとしたら、

インコースの打球の状態、三振率とかなのですが、

アナログ表現で言いますと、筒香の打球が昨年との比較で詰まっています。 

凄く詰まっているというより、ソフト、ミドル、ハードの三部類しますと、ソフト、ハードの打球が減って、ミドルの打球が相対的に増えています。

データで言いますと、

2016年が、

soft 34.5% mid 31.1% hard 34.5%が、

2017年4/26で、

soft 26.2% mid 44.3% hard 29.5%です。

softが大きく増えていますと、ダメ判定したくなりますが、微妙なズレで詰まっている感じです。

そして、ストライクゾーンにおける空振りが昨年の10%から5%と減っています。

打撃が極端に崩れますと、空振りが増えます。

そう言う状態にはなってないです。

空振り率、それ自体は打撃スタイルと関係しますので絶対値で比較できませんが、昨年よりは減っています。

タメが少ない、押し込みが足りないと言う情報。

そして空振りが少ない。

空振りが少ないというのも、タメが少ない事が原因かもですが、昨年との比較で強いスイングが出来てない気がします。

WBCの影響で、高速に変化するたまに適応しようとし過ぎた結果?なんですかね)

ポイントを前におけば(広尾氏が期待する怖い打撃。強引に引っ張るような打撃です)、もしかすると、強いスイングが出来るかもですし(空振りが増える)、打球も飛ぶかもですが、

以前から、

取り組み続けている型を筒香は崩す気がないようです。

ですので、極端に崩れませんし、今の数字から上がって行く様な予感も覚えます。

変化球に対する打率は.400を超えており、心配していません。

筒香のような打撃スタイルですと(ポイントが近い)、滅法変化球に強いのですが、相手投手が、ほとんど投げなくなりましたね。

直球主体で攻めて、アクセントで変化球が主流と思いますが、

この直球(変化の少ない直球が多いから空振りが少なくなったとも解する事ができます)を打ち返せるか?

数字で、見るなら、それが一番のポイントとは思います。

4/26までの数字で言いますと直球の打率.200ぐらいでした。(4/27に、打ったので数字が.258に跳ね上がりましたが)

この数字が昨年並み(.320ぐらい)に近づく事で状態が上がってくると感じます。

因みに、直球を打てないので、シュート、カッターというムーヴィングファストボール系(.152ぐらい)も、筒香苦戦気味です。

シュート、カッターも含む直球系の数字に注目しています。