対左被打率.103の加賀と、変化する常識について雑感

加賀と言いますとバレンティン専用兵器(右の強打者、外国人に滅法強かったです)と呼ばれていましたが、今や昔、懐かしいです。

バレンティン専用兵器という加賀の二つ名の理由は、右には強いけど、左に極端に弱かったからなのですが、

それが、今や、対左被打率.103という成績です。

一方、

以前、強みだった対右は分が悪くなっています。

今年から対左が良いとも言われていますが変化点は去年からです。

はい、江川さんが批判していた、あの配球です。

あの配球になるには理由があります。

2016年08月12日

8/11巨人戦 高城、加賀バッテリーの配球について

加賀の強みは、

今年からでなく、

去年の時点で、もう既に確認できています。

昨年の時点で、左右の成績が逆転しています。

記事中、

(今年、加賀、左に対して例年との比較で通用していますが、このシュート回転するストレートと、スライダーを上手く使っています。)

っと書いていますが、

去年から対左に分が良いです。

その理由はストレートにあります。

そのストレートを、去年の段階で、使い始めていて、対左で結果を出していたわけです。

独特な変化なので右にも使っていますが、それを解説に定評のある江川さんも知らず、ファンも知らず、堪らず当時、擁護記事を書いています。

加賀が、対左に対し優位に立てるのは、左打者の外角に、その横手投げ特有の独特なストレートを投げ切れている事が理由です。

(大分、相手に認知されてきているので、使わなくても意識してくれるようになり始めています)

最近、知ったのですが、

加賀のような投手が、左打者の外角にストレートを投げるのは、絶対に投げてはいけない球種・コースだそうです。

が、

それで結果を出している投手が多くなっているのも事実ですし、そう言う配球を、高城、戸柱がしているのも事実です。

ファンと現場で常識の乖離が生じています。

情報の非対称が生じる事で、批判され易くなりますが、そこには理由があります。

加賀の外スラが機能しなくなったのには、様々原因がありますが、どうして、そんな配球をしたのか?

常識は、変化し続けます。

バレンティン専門兵器と言われた加賀が変わったようにです。

加賀について

被打率でみますと、対左の被打率圧倒していますが、

被打率だけみますと、加賀の本質を見誤ります。

2016タナケンの対右被打率だけで対右を語りますと、タナケンは右を得意としている錯覚を覚えますが、別の数字でみますと、苦手としていると言って良く、

様々な視点。

広い目で、全体をみる必要があります。

同様に、得点圏打率というのも、非常に罪な数字なのですが、大雑把すぎ、その打者の本質を見誤る場合があります。

現在、加賀は、

対左被打率 .103 

対右被打率 .318

対左被OPS  .322

対右被OPS  .811

この数字だけでみますと、加賀左に強いよねになります。

が、

別の側面

対左被四球率.15

対右被四球率.02

対右に対し、対左は7倍四球を出し易いです。

馴染みの数字でもあるBB/9に直しますと、対左のBB/9は4.7です。

BB/9で4.7と言いますと、コントロールに課題のある藤浪が昨年記録していた3.73(=BB/9)より悪いです。

昨年の対右に強いと称賛されたタナケンの対右より素性は良いかもですが、

実際は、外を粘り強く使いつつ、打たせているというのが、その数字から見えてきます。

また、三振率で見ますと、

対左奪三振率 17.2%

対右奪三振率 22.7%

右の方が、可能性のある数字になっています。

戸柱と相性の良い投手の特徴として、

気持ちの強さ、戸柱の要求通りに投げ切れる投手等ありますが、最近、加賀は、戸柱と組んで右のインを、ストレート(限りなくシンカーに近い、横手投げ特有の独特な軌道)で上手く攻めています。

インを意識出来れば、外が活きて来ます。

昨年の加賀を見ていて、メンタル、お化けと評した事がありますが、メンタルの強さで言えば加賀、須田は図抜けていそうな感触を覚えています。

戸柱と相性が良さそうなんですよね。

勿論、蛮勇(根拠が多ければ、蛮勇になりませんが、根拠が少ないと蛮勇になります。その場合は現実と机上でギャップが生じやすく痛い目をみます。)になってはダメなのですが、気持ちで押し切れるような投手と戸柱の相性が良いと感じています。

そこに加賀の場合、戸柱に今は足りない経験がありますので、戸柱と相性が良さそうな感触を強く受けます。

加賀、対右、戸柱。

インの使い方に注目です。

そろそろ、相手も加賀の右打者に対するインの使い方に注目し始めていますので、対応が変わってくるかもです。

駆け引き的には、対左より、対右の方が面白いかもです。

対右次第ですが、数字が好転しそうな可能性を覚えます。

(左は、若干、悪くなるかもですが、2015年以前のように極端に悪化はしないかなぁ)

今なら、セットアッパー、もしくは臨時の抑えとかも良いかもですね。

戸柱、加賀バッテリーの配球に注目しています。

尚、ラミレス、昨年も打たれ続ける加賀を起用し続けましたが、

ラミレスも、投手コーチも、加賀のような選手を好きなようなんですよね。

その場で全力を尽くし、明日は別の日と考えられる思考ロジック。

悪い意味でのポジティブシンキングでなく、己が力を出し切る事に全力を尽くす姿に感動を覚えます。

先日、

加賀、高城バッテリーを褒めたのは、

悪いなりに、様々、努力、間を変えたり、あーだ、こーだ足掻き続ける所に、私の場合、面白味を感じたからです。

それが後々に活きてくるわけですね。(引き出しが多くなる)

今年の数字は、結果は出ませんでしたが、去年の試行錯誤の結果とも言えます。

結果に一喜一憂するのでなく、黙々と、その結果を出す為に全力を尽くす。尽せる。

去年、打たれ続ける加賀に、その姿勢に、私は強い印象を持ちましたが、大原の配球並に(今や絶滅危惧種の配球です)、結構、好きです。

加賀も大好きな投手となっています。

打たれるかもですが、その試行錯誤に注目してあげてください。

戦っています。