横浜が育成に苦戦した理由、参考にした日ハムのBOSのリスクについて

aaakkkaaa.hatenablog.com

の続きです。

記事で書いている通り横浜は

チーム打撃を重視した巨人の野球と日ハムのBOSをそれぞれ参考にしています。

理由は明白で、それら考え方が成果(優勝)をあげていたからです。

 

資金に限りがある横浜は、

高田GM自身が関わった日ハムのBOCシステムに傾倒しています。

 

そのBOSの特徴は選手の成長予測

この選手を、これだけ試合経験を与えると(試合出場が目的化してしまった原因)こんな感じで成長する。

成長予測を正確に出す事で長期編成を可能としFAなどに頼らないチーム作りを可能にする。

補強なしでも優勝を目指す

 

そんな事を日ハムは行い成功していました。

問題は、それが近年上手く行ってない事でしょうか?

 

昔は機能していた日ハムの知の結晶。

アドバンテージでもあった成長予測が機能しなくなっているように感じています。

1point02.jp

 このころ(2017年)は若手育成で長けた球団として横浜も日ハムも評価されていますが

その若手たちが戦力となり継続して成長したか?というと・・・

 

2019年横浜野手出場選手年齢の割合は中日並みに高齢化が進んでおり上手く成長できませんでした。

今や横浜は年齢の高い野手に対して依存度の高い球団となっています。(2020年は調べてないです)

 

日ハムは横浜と違いドラ1級(高卒)はまずまず?育成できてるようですがドラフト下位の原石系の育成に苦戦しており投打に層を細らせています。

近年、補強手段として日ハムはトレードを連発していますが従来育成できていたクラスを育成できてなくチーム力が低下し続けています。

 

www.tokyo-sports.co.jp

記事では日ハムが進めていたスカウティングと育成が上手く行ってないのを指摘していますが

過去、あれほど上手く行っていたモノが機能していません。

そこにwhy?があります。

 2019年に日ハム編成が戦力不足を陳謝していますが戦力を一軍に供給できていませんでした。

 

従来機能していた成長予測が外れやすくなり穴が空いています。

その反動で、これまでは顕在化しなかったリスクある選手育成が響いています。

重点的にファームで試合経験を積ませた選手の多くが戦力となってなく穴が空いています。

 

ドラフトと並んでファームでの選手育成は重要な戦力供給源です。

横浜の場合、即戦力ドラフトは機能していましたがファームでの選手育成機能が課題となっており継続的な戦力補強ができませんでした。

 

両輪で走行すべき優勝への道を片輪走行(即戦力のみ)していたような感じです。

 

結果、即戦力中継ぎを獲得できなかった横浜は2014年ドラフト(ヤスアキ、石田)を最後に長らく中継ぎ投手を供給できてなく2019年ドラフト即戦力の伊勢が久しぶりの供給でしたが

 

その伊勢もドラフト即戦力。

 

二軍で育成されて一軍で通用するような投手を横浜は未だに育成できていません。

これ相当悪いです。

野手も当該期間中、ファームで熟成されて上に供給できた野手がいません。

本来なら桑原が、そうなるはずでしたが現在苦闘中です。

 

その原因は?っと考えると野球の変化と考えています。

チーム打撃よりの指導だった巨人の野球が徐々に通じなくなり苦戦したように

昔なら、伸びていたと思われる選手が今は伸びてないように(BOCが機能しなくなった)。

伸びないとどうなるかというと今の日ハムのような状況。

層が薄くなります。

 

現在、ファーム育成結果が順調なチームの特徴はソフトバンクや巨人など3軍制を敷いているチームです。

 

ファームで試合出場を目的とした育成はBOSのリスクでした。

選手を絞り重点的に試合経験を与える。

上手く行くと以前の日ハムのような育成結果になります。

なりますがリスクとして成長予測通りに事が運ばなかった場合は選手層が薄くなります。

 

そのリスクを軽減させるような形で3軍が従来ファームで期待された機能を補い始めています。

 

勿論、トッププロスペクトは巨人岡本や、吉川(横浜の白崎も二軍スタートだったらと思う事ありますが)をみるまでもなく3軍でなく2軍で最初から起用されていますが

しっかり2軍で成績出しています

岡本を参考にするなら成績出しているから打席もより多く与えられるという関係性です。

ファーム機能がより一軍に近くなっており従来期待されていた機能(試合経験を与える)が三軍に移行している感じです。

 

その一方で大河など一年目に353打席も立たせています。

成績は岡本より悪いにも関わらずです。

 

岡本の一年目は打率.258 OPS.661で69試合、257打席。

大河の一年目の打率.185 OPS.528で102試合、353打席。

 

横浜の場合、大河以外にも多くの経験を与えるべく成績に寄らず打席経験を与えています。

これが良い時の日ハムのように上手く機能すれば良いのですが

行かないと穴が空きやすくなります。

 

横浜も日ハム同様試合に出すのが目的化(BOCのリスク)してしまった時期があったように感じています。

結果、選手が上手く成長しなかった事で断層のようなものが生じてしまいました。

 

試合経験積ませれば伸びるだろうで一軍で起用しても伸びない場合があるように同じ事がファームでも言え穴が空いてしまった可能性があります。

 

そして昔なら伸びていたタイプが早い段階で成長限界を迎え3年目で放出される。

 

そんな過渡期にあり横浜は巨人、日ハムと同様苦戦しています。

 

巨人は、その豊富な資金力で課題をいち早く克服(完全に克服していませんが状況は良い)しつつあり、

日ハムはその転換に苦しみ批判され、横浜は別の道を模索中。

 

その別の道で成果を出しつつあるのが佐野やソト、柴田らラミレス時代に入った選手達かもです。

以前感じなかった一軍での選手育成能力のようなモノを一軍で感じるようになったのも皮肉な話ですが(中継ぎも含め成長を覚える選手が多い)

 

ぼちぼち中継ぎ投手もファームで育成されて出て来て欲しいです。

その萌芽は野手同様感じます。

 

横浜も神奈川フューチャードリームスと提携する事で3軍制のようなモノを思考し始めていますが

いろいろ試行錯誤中です。