チームDERからみたセ各チームの守備力と今後の失点傾向雑感

開幕9試合を終えて、守備力をみようと言うのもあれだが、想定通りの結果になっているのか、被BABIPと、簡易チームDER(≒1-被BABIP)等で、確認しつつ、

どの程度、結果が出ているかを、疑似防御率FIPと実際の防御率の差でみてみたいと思う。

基本的にチームDERが良いチームほど、FIPより現実の防御率が良く、悪いチームほど、横浜や巨人のように現実の防御率が悪くなり易い。

黒文字太文字はリーグ最優秀、赤文字は、その逆。

諸数値の意味だが、

被BABIPはインプレイの打球のヒット率。

簡易DERは1-被BABIPしたもので、中日や、ヤクルトを例にしたら、インプレイの75%程度の打球をアウトにしていると考えて欲しい。

被BAIPでみると2011年の中日で.262が近年で言うならmim。

昨年で言うなら、中日が.285が最優秀。

悪い数値という意味で言うなら、2014年の阪神とヤクルトが.305を記録。

DERの重みとしては

2014年04月21日 セ 現状分析 総括

首位中日と、横浜では、今の数字を基に計算した場合、

毎試合ヒット2、3本多く打たれる感じだろうか?

年間に直すと400本程多く打たれるわけだから、その差は大変、重い。

FIP(疑似防御率)は、守備に影響しない諸数値(奪三振、四球、被本塁打)から防御率を予測した数値であり、

WHIPは一投球回数に何人出塁させたかの指標である。

9倍すると一試合に出塁させた数がわかる。(失策は除く)

一般に先発投手であれば1.00未満なら球界を代表するエースとされ、1.20未満ならエース級、逆に1.40を上回ると問題であると言われる。

1.32は平均的。

各球団別寸評

中日

総ての項目でリーグ上位。

守備力も昨年同様変わらない傾向。

大島、平田、藤井で構成する外野守備陣は強力。

疑似防御率と、防御率の乖離も、許容範囲内な為、大きく数値が変動するような傾向は見えない。

昨年、巨人(特に)、横浜、ヤクルトに突かれたランナーが出てからの問題も、今の所、顕在化していない。

2014年シーズン当初はセットが下手な投手が多く(極端に球威低下)、また、主戦捕手も肩が弱い松井、谷繁(衰えた)であった為、LOB率が65%程度と、非常に苦しい戦いを序盤はしていたが、それら諸数値が良くなったのはファンなら知っているだろう。

プログ記事を見ている限り、知らんかもだが(あまり重視されない数字なので)、ここに良く来て頂ける四国の中日ファンの方は、その努力を知っているハズ。

谷繁ファン(ヘボキャッチャー時代から眺めているので愛着あります)の私としては、その努力を褒めてあげて欲しいと思う。

2014年05月14日

中日チーム被OPSとチーム防御率の関係 雑感

っと記事を書いたが、実際良くなった。

下の記事で、LOB率、収斂するなどと書いているが、細かくみると、そのLOBの数値にも理由がある場合が多く、もう少し試合数が多くなれば、必要に応じ解析するかもしれない。

ヤクルト

チームDERが昨年との比較で大幅に良化。

昨年は阪神と並びリーグ最低のDERであったが、開幕9試合といえど、現時点ではリーグ最上位の数値。

大引効果もあるかもだが、守備力の悪かった上田、バレンティンが外れ、田中、荒木に変わった事も影響しているかもしれない。

本来のレギュラーが復帰すると現在の諸数値は低下する可能性大。

また、FIPと実際の防御率に乖離が大きく、数値が悪化する可能性もある。

最も、乖離が大きいのも、防御率1.58という数値が良すぎるという面もあり、横浜ファンとして対戦した実感で言うと、小川、杉浦は、このままいけると思う。

(石川が若干危うい感じを受けるが)

阪神

昨年、他を引き離していた奪三振率(8.24→5.58)が大きく低下。

2014年10月19日

実は強かった阪神(数字的にはプロ野球記録を更新していたかも)

試合数が少ないのも影響しているのかもしれないが、現時点では阪神らしからぬ数値。

昨年、リーグ最低水準だったチームDERは広島並と改善傾向。

鳥谷の膝の状態が良いのかもしれない。

最も、鳥谷を休ませるような采配をしないと、昨年と同様、徐々に下がっていくかもしれず、これは昨年、攻撃重視で起用した外野にも言え、その起用法により、LOB率も含め、かなり変動するだろう。

MAX値は、昨年のCS。

他を寄せ付けない圧倒的な守りを実現できる素地はある。

横浜

疑似防御率は近年になく良い数値。

反面、実際の防御率は悪く、ヤクルトに次いで、その乖離が大きい。

最も、ヤクルトと違って悪い方向で乖離が大きく、そこは伸び代と、ファン的には解釈したい。

チームDER上、リーグで最も悪い。

LOB率66%(残塁率)と効率的に得点されてもいる。(ヤクルトは=89%)

粘れてない。

尚、ヤクルトの≒90%は、10人一人しか、本塁に生還できないという驚異的な数値であり、それ故のチーム防御率1.58と解釈している。

おまけ

リーグ2位の広島のLOB率が73%とヤクルトに続いているが、70%-72%前後に収束しやすい数値の性格を考えると、ヤクルトの89%は良すぎる。

このままの数値を維持できた場合、歴史的な一年になる。

その点で言うと、横浜のLOB率は改善される可能性は高いと期待したい。(例年、70-72%に収斂してはいるので)

とはいうモノの、巨人のような試合巧者のチームは、このLOB率が高い場合(昨年もリーグ一位の75%を記録)があり、常に平均値に収斂するとは限らない。

奪三振と、チームDERが高いと、このLOB率を高く維持できる傾向が強い(&ベテラン捕手)。

巨人の現時点のLOB率は65%とリーグ最低水準だが、主戦捕手が小林から阿部に代わった事で、例年通り良くなりそうなイメージ(かもしれない)。

奪三振率が高く、ベテラン捕手、チームDERが高かった2013年の阪神も、このLOBが77%と年間を通して良かった。

巨人

守備に定評のあるチームだが、現時点では、横浜と同程度。

起用が変化した為、今後、諸数値が良くなると思う。

原監督の場合、いつもの事と言うか、気付くとチームが戦える状況になっている。

個人的に気になるのは、井端を一塁で起用している事。

公平な起用をするチームであり、その抜擢も小山を二軍に落として、ドラ3を先発ローテに組み込むように、間違いが少ないにも関わらず一塁が井端。

期待の若手と呼ばれる選手たちが、打撃力で井端以下なのかもしれないという現実は、後々、響いてくるかもだが、気付くといつもの位置にいるような気がするのは、年初に書いた記事の通り。

いろいろ含め監督の試行錯誤は続く。

広島

堅守のイメージがあるが、昨年のチームDERは横浜なみと、イメージと実際に乖離があるチーム。

菊丸が台頭した時期に、遊撃の梵(石原も)の世代交代が重なったのは守備的には不運か?

菊地、丸と梵、石原、堂林がレギュラーだった2013年との比較で、低落傾向を覚える。

とは言うものの、投手力を含む総合的な守りに関しては悪くない感じ。

全体総評。

E-Fという数値で見ると、ヤクルトと横浜の乖離が大きく、その原因を見ると、LOB率(残塁率)が関与している可能性が高い。

が、チームDERで見た場合、ヤクルトのそれと横浜ではヒット毎試合、2、3本違うような結果も出ており、その違いも大きい。

現時点でLOB率を基に計算すると、

ヤクルトの場合、WHIPが1.2なので1.2x9回x9試合=97.2出塁 に平均的な生還率(=1-LOB:残塁率)0.28をかけると、27.2失点。

これは防御率に直すと、3.02。

一方、横浜の場合、WHIPが1.3なので同様な計算で105.3出塁、同様に期待値としての平均的な生還率0.28を掛けると、29.5失点。

防御率に直すと3.27。

WHIPが変化しなければ、横浜とヤクルトに関しては、この程度の数値(横浜目線で期待)を期待できる。

ヤクルトに関しては、疑似防御率に対し大きく実際の防御率を良くしているが、これはLOB率とチームDERが関与している。

ざっくりとした計算だが、LOB率で1程度、守備で1程度、それぞれ一試合当たりの失点を減らしていると想定できる。

チームDERの解釈に関し難しい面はあるが、想定値でなく結果なので、そこは重視したい。

以上を勘案すると、

ヤクルトに関しては、防御率が3点台に、低下する可能性があり、外野の構成次第では3点台後半(代わりに攻撃力は高くなる)ぐらいになる可能性を覚える。

中日に関しては、今の諸数値を維持できれば今の数字を維持できる可能性が高く、

投手力の整備が済んでないので、リーグ上位とは言えないが、ベテラン捕手が復帰する巨人は、諸数値の改善が期待され、

阪神は、捕手梅本を中心に試行錯誤を、

広島は、中日と同様、守りに関しては現状維持。

横浜に関しては、

守備力強化したハズにも関わらず、昨年.697だったチームDERが現時点で.672と結果が出てない。

DERが改善し、LOB率も例年並に良くなれば、先発陣の厚みは、他とそん色ないので、ファン的には大いに期待したいと思う。