中畑監督「俺の判断ミス」 に対する雑感

「うちのエースという存在である井納が力尽きてしまった。(七回無死一、二塁で打席の井納に代打を送らず)バントも駄目、継投も駄目。俺の判断ミス」

負けに不思議な負けなしとは言うが、個人的には、その意図が重要と思う。

その意図さえ、しっかりしていてれば、反省も出来るし、次に活かす事が出来るからだ。

その采配意図が明確であるならば、負けに不思議な負けなしといえど、良しとしたい。

さて、今回、中畑監督が悔いている采配はどうだったんだろうか?

テキストでみる限り、井納は7回までホボ抑えていたようである。(球数が若干多いが)

おそらくだが、

黒羽根に犠打を命じた時点で、井納に代打を送るつもりだったのだろう。

(だから、後悔しているのだが)

が、エラーでチャンスが広がり、無死、1,2塁。

スモールベースボールが有効に機能するのは、その一点が試合の結果を決められる時である。

回もおしせまっており、後ろの投手の事を考えると、一点とれればかなり優位に進められる状況でもある。

監督の性格を考えると間違いなく犠打だろう。

問題は、井納の犠打成功率だ。

というより犠打自体が難しいと考えた方が良いのかもしれないが、その時点での井納の犠打成功率は7回企図して4回の成功率。

(昨日失敗して50%)

要は成功率があまり高いとはいえない作戦を選択したわけである。

半分程度の成功率なら、当然、失敗も含む事を覚悟して采配をふるったはずなのだが、その結果を今回、悔いているわけだ。

確度の低い作戦をリスクを負って採用した以上、失敗を<<結果論>>で、采配ミスと断じて欲しくないのだが、どうも失敗のリスクを織り込められなかったようである。

もし、悔いるとしたら、結果論で悔いるのでなく、その采配意図で悔いて欲しい。

井納に送りバントを命じた以上、指揮官は結果で悔いてはならない気がする。

悔いるのなら、その決断の背景理由に問題がある場合だ。

7回、先頭打者が出塁してなく、2アウト、ランナーなしで、井納に回ってきた時、中畑監督は井納に代打を送ったろうか?

答えは送らないだ。

井納を信頼し続投を視野に入れている以上、続投を視野に入れた井納の犠打失敗という結果論のみで悔いて欲しくないと思う。

そんな日もあるさだ。

その覚悟をもって、井納にバントを命じて欲しいのだが、本人は犠打を成功させたかったようである。

その意味でいうなら犠打成功率の低い井納に犠打を命じたのは采配ミスとなる。

続投も視野に入れていた以上、迷うのは間違いないシチュエーションではあったが、上手く行くともあれば、失敗するときもある以上、その辺はカエサル的に言うと、「ルビコン川を渡る」ないし、「賽は投げられた」となるようして頂きたい。

ところで犠打が成功したとして、その回に得点が入っていたのであろうか?

結果論ではなく、次打者、梶谷の事である。

バレンティンやエル、ゴメスなみに三振の非常に多い打者であることを考えると、一点をとるというよりは、その打棒に期待した方が良いような状況でもあり、犠飛も少なく、1だけだ。

また、梶谷の対メッセンジャー対戦成績は今年、8打数の0。

研究(阪神さん、中心打者をマークするのが上手い場合があります。巨人の橋上コーチや阿部が、その分析力を褒めても居ます。)されたのか、阪神戦自体、今年の打率が.179であり、セでの対戦別カードで見た時で最悪。

三振率(PA/K)も対戦別カードで見て同じく最悪の2.8。

元々、三振の多い打者だが、さらに三振が多い状態である。

結果論で打ったかもしれないが、監督が後悔している犠打が成功しても、元々が確度の低い作戦だったわけである。

むしろ、研究された感がある梶谷(去年は阪神戦打っていました。所謂、実質二年目の壁に梶谷はぶつかっています)の対阪神戦の力関係を考慮した時、黒羽根の犠打が成功して代打強攻の方がすんなり上手く行ったかもしれない。

元々、交代させるつもりだったのなら、井納に犠打目的の代打を出さなかった事を悔いるのでなく、強攻目的で代打を出しても良かった状況であったのかもしれないが、

以上、雑感である。