大転換期です。
阪神フロントも、それを理解しており、金本新監督に総てを託した形です。
数字面でみても、リーグ最下位クラスまで戦力が低下しました。
特記としては、阪神を有力チームとならしめていた基礎戦力がリーグ最下位に転落した事です
優勝するにも、Aクラス進出するにも、日本の場合、MLBと違って、補強手段が限られていますので、基礎戦力がある程度ないと、厳しい場合が多いです。
この数値が低下しますと、少々補強した程度では補えない状況になります。
グラフは、RCWINとRSWINの合算値です。
総合はチーム総てを、
基礎戦力は、総合から、外国人とFA選手を抜いています。
数字的な意味合いで言いますと、総合値で
+20を超えますと、独走首位で走り抜けた、2012年の巨人になります。
+15程度ですと、2013年の巨人。並のチームでは歯がたちません。
+5超えですと、2014年、2015年の巨人並びに2015年のヤクルト、そして2014、2015年の広島となります。
+5程度で優勝するには、混戦が必須です。
今年は、戦力比でみますと、広島、巨人、ヤクルトが僅差でせめぎあっています。
(昨年は広島と巨人)
尚、阪神さんの場合、2014、2015と、リーグ平均以下の戦力であるにも関わらずAクラス入りしています。
阪神さんの場合、後述しますが、主軸選手が優秀であったため、
チーム全体でみると戦力で劣りますが、その選手が出場出来れば勝てています。
広島や、他のチームが、その確立に苦戦して居ましたが、勝ち方を確立できていたチームでもありました。
さて、
落合中日誕生前後から、基本的に、巨人、中日、阪神がセの覇権をリードして来ましたが、
この三球団に共通するのは、インプレイのアウト率が継続して高かった事(チームDER)です。
そして、それに伴う投手力が常にリーグ上位。
その数字を支えていたのは投手個々の優秀さもあったと思いますが、長期にわたりにセンターラインを支えてくれた選手が居たのが大きかったです。
阿部がレギュラーなりたての巨人の場合、チームDERが低く、投手力が良くなったり悪くなったりしていましたが、野手が固定化する事で、変動が小さくなる傾向が強いです。
巨人で言えば、坂本、阿部でしょうか?
坂本がレギュラー奪取して以降、チームDERが継続して上位になって来ています。
坂本がレギュラー獲得した年から、他の選手の優秀さもあって、巨人は三連覇しています。
不祥事もありましたが、それまでの正レギュラー二岡を日ハムに巨人は放出していますが、それほど守備で抜きんでていたと考えて頂ければ幸いです。
パも大引の放出履歴をみると、各チーム後継遊撃手の存在を覚えざる終えないですが(安達に中島卓也)、巨人も目ざとかったと感じます。
そして、
中日は、アライバ、谷繁。
阪神は、鳥谷、矢野、赤星・・・。
かつ、生え抜きでタイトルを獲得するレベルの選手が居る事で、他の三球団より安定的な成績を残して居ます。
上位三球団で、
最初に陰りが見え始めたのは、阪神。
矢野、赤星が引退する事で、チームDERが低下し始めます。(厳密に言いますと継続して高いと言うより不安定になります。)
以降、補強で必死に、その低下を支え続けていましたが、限界点に来ている感じです。
パでも、チームDERが高いチームが長期にわたり覇権を握る傾向が強いです。
一時の日ハムや、今のSBが、それに該当します。
逆に、チームDERが高いとは言えないチームは、浮き沈みが激しい傾向が強いです。
2000年代初頭の巨人が、そんなチーム構成でした。
一般にチームDERが高いチームは、捕手、二遊間が固定されているチームに多いです。
野手陣だけでなく、バッテリーも含むで上昇していきます。
2015年序盤、梅野が主戦捕手だった頃、歴史的な低水準(チームDER)を記録して居ましたが、
捕手の影響強いかもですね。
→
梅野からベテラン捕手に切り替わって以降、持ち直して、最終的に横浜が最下位(DERで)に落ちています。
そこに付随して、二遊間。
特に鳥谷。
補殺数の上位ランカーでしたが、体の状態が思わしくないのか、急激に、その数値を落しています。
過渡期と感じます。
選手構成的に、チームDERが急上昇する局面でなく、転換期と言って良い状況です。
計算上、阪神さんは、リーグ平均との比較で、ヒット100本程度多めに打たれたとでも考えて下さい。
リーグ平均簡易DERが1-被BABIP(0.297)=0.702(打球の70%をアウト)
阪神さんの被BABIPが0.312。
チーム奪三振率が7.71ですので、計算上延長を考慮しない場合、19.29人、インプレイの打球を処理必要があり、
19.29人をアウトにするには、19.29÷(1-0.312)=28.04人。
毎試合、阪神さんの場合、計算上、28.04-19.29=8.75本ヒットを打たれるわけですが、これと同じ計算をリーグ平均で計算した場合、8.19本。
143試合x(8.75-8.19)=80.08本 計算上、大目に打たれています。
尚、簡易チームDERリーグ一位の巨人(=0.722)との比較ですと200本(≒189.1)ぐらい差でしょうか?
阪神さんの場合、トレンドとして、チーム順位に影響の強い、このチームDERが低下気味である事と、
もう一つ。
主軸選手と、控え層の差が非常に大きいくなってしまいました。
レギュラー野手、主戦投手以外が出場しますと、チームに大きな損害を与えています。
主戦選手が出場するか、してないかで成績が違い過ぎ、結果、あのチーム得失点になっています。
前半戦総括シリーズ ピタゴラス勝率からみた現在位置と雑感
勝ちパターンもありましたが、選手起因と思われる大負けパターンもあり、選手層に深刻な問題を抱え始めています。
阪神フロントが今年、大ナタを振りました。
新規一転に近く、総てを金本新監督に体制に託したような人事。
全権委任監督に近い形で阪神を託しています。
金本監督を招へいに尽力した南球団社長が退任しますが、ご本人も責任を感じての辞任と感じます。
まさに、
新しい阪神を作ってくれという事なんでしょう。
変わろうという事なんだと思います。