前記事の補足記事のようなモノです。
昨季後半、あたりから戸柱の配球の質が変化し始めています。
一部解説者に打者の反応をみない配球と言われていましたが、そろそろ噛み合い始めている感じでしょうか?
前記事で阪神中谷と飯塚・戸柱バッテリーの配球雑感を一部書いています。
意図的にはアリなのですが打者中谷と噛み合いませんでした。
新人時代の戸柱。
三振をとれるような投手と相性が良かったです。
三振を奪うような配球と言っても良いですかね。
上から見下ろすような配球が多かったと感じます。
一方、比較で打たせてとるようなタイプの投手とあいませんでした。
打たせてとる投手の場合、ズラス必要があります。
ずらすというのは芯をずらして詰まらせる事を意味しています。
その為には相手の狙いを外す必要があります。
その前提として相手を知り、相手の意図を予想し迷わせ、ズラス必要が出て来ます。
中日大野が横浜相手にズラス配球で手玉にとっていましたが(ヤクルト石川にも実績上相性が良くないです)ズラスにはバッテリーの知恵が試されます。
中日大野も経験豊富な松井と組むと勝てるのですが経験に課題を覚える捕手と組むと成績が良くなかったです。
基本、投手能力が上位概念です。
投手にあるレベルの力がないと配球ではどうにもなりません。
ですが、あるレベルに到達すると配球次第で何とかなる場合もあります。
その為の手段の一つがズラス配球です。
セイバーでは打たれる=ダメという考えもあります。
BABIPというインプレーの打球処理を運不運と見るのも当たったら、ある確率でヒットになるという考えの基主張されています。
しかし、技術的に課題がある打者ですとBAIBIPが大変低いです。
運不運では語り難いです。
投手の多くがBABIP.200以下ですしレギュラー打者(規定を超えられるような打者)以外は低い場合が多いです。
記事にて戸柱のBABIPについて記述していますが相手捕手に翻弄されていました。
ズラされちゃうわけです。
では、その辺の駆け引きで新人捕手が相手打者を上回り始めるのはいつ頃か?っと言いますと、昔より早くなった感があります。
理由としてデータ分析の深化。
相手を知る為の手段が昔との比較で手軽に手に入るようになってきています。
自分(投手)を知り相手を知ることでズラス配球が出来ます。
そして、これは昔からですが接客経験数。
一般的な打者の一年間の打席経験数は多くて600。
一方、正捕手の、それは一試合を34(少ない方です)打席として143x34=5000弱。
密度が違い過ぎます。
実に様々な打者とも対戦します。
駆け引きと言う意味で捕手は打者とは比較にならないレベルで成長していきます。
対戦数が違い過ぎます。
巨人小林、阪神梅野らをみていますと一軍で試合にでるようになって4年ぐらいかかっています。
その基準で言いますと戸柱、今年3年目。
2016年同様、ベンチからサインを出すかわかりませんが(2017年は捕手の成長を促す為に封印)、そろそろ良い時期になり始めています。
今期中に高城の接客経験数を戸柱が上回りそうです。
経験を重ねた捕手から場を奪うのは難しいです。
正捕手の重みとは、そう言う意味合いがあります。