海外移籍も視野にFA宣言をした阪神の名手鳥谷。
今年も、ゴールデングラフ賞を受賞したが、
その守備はMLBで、何処まで通用するのだろう?
もし、鳥谷がMLBに移籍した場合、
気がかりなのが、
鳥谷の守備成績が今年、ガタンっと落ちている点である。
補殺数(内野の場合、基本的にゴロを処理してアウトにした数)が昨年との比較で、476→363と113も落ちており、日本記録を更新した広島菊池の535補殺と、その数字において乖離感を覚えるような状態である。
補殺は隣の選手が優秀だと、そのアウトを互いに取り合うような関係にもなるが、阪神の内野守備能力を考えると、それも考えづらい。
実際、先ごろ公表されたゾーン系守備評価URZ/1000で、 +20.4だった数値(ゴールデングラフ級)が→ -6(悪い)っと、
大きく、その数値を落している。
補殺数の減少=本人の守備能力の低下と考えて良さそうだ。
阪神の場合、新人が正捕手をしていたので、その影響があった可能性もあるかもだが、URZの悪化をみると、それだけではないのだろう。
今シーズン、
鳥谷の不調もあり、阪神の守備機会はチームとして昨年の5556→5359と大きく減少してしまった。
勿論、守備機会が減った要因の一つとして阪神の高い奪三振率(阪神の奪三振率はチーム成績として記録を更新している可能性が大の優れた成績、少なくてもここ10年では確認できない図抜けた、際立った数字)が関係しているとは思うが、
チームDER(フィールドに飛んだボールのアウト率)がヤクルト並びセ最下位と非常に脆弱だった事を考えると、野手の守備能力の低さも関係している可能性が高い。
どうも、その一因を鳥谷も担ってしまったようだ。
チームDERの重みに関しては
2014年04月21日
セ 現状分析 総括
を参照願いたい。
別記事で考察記事を書く予定だが、今年の阪神のチーム記録、それなりに考察しがいのある数字のようである。
投手本来の実力を示すと言われる疑似防御率と実際の防御率の乖離が非常に大きいチームが今年の阪神だった。
さて、
本題の鳥谷である。
守備範囲の評価に関し、
アナログ(見た目)と数値で一致し難いのは、補殺数、レンジ系評価(RF、守備得点)、ゾーン系守備(URZ等)等の諸数値と、ゴールデングラフ賞が一致し難い事でもわかると思う。
→最近、大分一致するに様にはなったが
ボールを捕球してから、投げるまでに関しては見た目(美しい捕球姿勢から行われる正確な送球は、失策が出にくいです)で割合評価できるのだが、ボールを取る前の行動に関しては評価が難しい。
初動と実際に、その守備位置から何処まで移動したかに関しては、見た目では判別し難い部分でもある。
それを判定しようとすると、URZのように一つ、一つ守備行機会を丁寧に評価(精査)するしかない。
本当はレンジ系評価の基準になる補殺数、刺殺数だけで判定できると良いのだが、
それらの諸数値が、他の要因。
例えばボールが、そもそも、その守備位置に飛んだのか?(投手・捕手要因)
どのようにボールが飛んだか等も絡む為(簡単なボール、難しいボール)、参考にはなるが、その実力を正当に表すものでない時がある。
それは最多安打が、その質に関係なく一本は一本と評価されるのと同じ問題でもある。
(当たり前が、乱打戦の一本や、能力の高い投手(難しいヒット)、能力の低い投手では、その重みが違うし、打席数(守備機会)にも左右されるからだ。
最も、野球の記録の大部分は、そう言った類のモノである。
因果にかかわる因数が多数あり、これだけが原因とは言い切れない、むしろ相互に関係しあっている相互因子である場合が多い。
一般に年次相関が強い奪三振、四球、長打力は、その因数が少ないから相関が強いと解釈される。
その真逆が勝敗で、年次相関が低い。)
昨今、菊池が神がかり的な活躍する事で(昨年、菊地はセで最も失策が多かったが、その驚異的な守備範囲でゴールデングラフ賞受賞した)、補殺や守備範囲に関して認知されつつあるが、それでも、その認知度は低い状況である。
その守備範囲に関し成績上、鳥谷は、急激に落ちてしまったかもしれないのだ。
上記数値の低下は、、
メジャーに鳥谷が移籍した際、不安材料ではある。
それもあって移籍交渉はスムーズでないのかもしれないが、
そも、守備範囲に問題がなくても、鳥谷は活躍できるのだろうか?
過去、日本人野手、特に内野手が苦労しているのは、
ご承知の通りと思うが、
その原因をみると、
ボール
人工芝と、天然芝
肩の強さ
・
・
・
に関してはボールが滑るらしく、これは投手の証言とも一致する。
個人的には鳥谷の事だから準備しているとしておきたい。
は土のグランドをホームとしているチームの遊撃なので、大丈夫ではないかと思っている。
問題は、
肩
ともかく、差を感じざる終えない。
【人間やめました】MLB超絶鉄壁守備集
からの引用だが、
日本人内野手がMLBで苦労する理由
肩の弱さが最大のネック。
イチローが示しているように、日本人の肩が全く通用しない訳ではないですが、投手や外野手のように全身をフルに使って投げる時間的な余裕がない内野手では地肩の強さがもろに出るので、フィジカル的なポテンシャルで劣る日本人は厳しいと思います。
出典
ショート、サードでは無理。投げ方、捕球の考え方が子供ころから全然違う。日本の子供の指導では、なにがなんでも正面で捕球、ジャンピングスローなんかもってのほか。いきなりプロになってからメジャーの真似したって無理。やれてもファースト、セカンドまでかな。
出典
日本では肩が強いとされている(た)元西武の松井稼頭央に関してだが、
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1256042537
>松井稼頭央のスカウティングレポートの「肩の強さ」の項には2007年のレポートで28段階の4(平均より下)、2003年と2001年のレポートで同じく5(平均的)と記されていますね。
同時に「しっかりとした姿勢で深い位置から上手で投げる際にはかなりの強肩を発揮する」とも書かれています。
イチローや新庄、福留がメジャーでもかなりの強肩の部類に入っているように、しっかりした姿勢を作って投げる『遠投』の能力に関していえば日本人選手は諸外国の選手に見劣りするものではないと私は思います。
しかし日本人と諸外国の選手との能力差には純粋な肩の強さだけでなく、リストの強さにも差があるのではないでしょうか?
三遊間の打球に対する処理では、日本(最近は欧州でも同じような形が見かけますね)なら打球に対して半時計回りに回り込んで打球の正面に入り、ステップを踏んでスローイングするのが基本です。
しかしアメリカや中南米の選手は直線で入って逆シングルで捕球し、そのままノーステップでスローイングすることができます。
メッツ時代にFOXテレビが松井の遊撃守備を検証したことがありましたが、この点を指摘し、捕球からスローイングの時間を1秒は短縮できるという指摘がされていました。
である。
松井の場合、のボール、の土のグランドで苦労し二塁にコンバートされたが、
鳥谷の場合、、に関して適応している可能性があり、
それとの比較で全盛期なら、個人的にいい勝負が出来たと思う。
特に鳥谷の場合、所属しているチームのグランドが土にも関わらず、NPB史上でも際立つ補殺数を記録しており、
2014年03月19日
歴代シーズン補殺数記録
かつ、阪神がフライ系の守備戦術(長打を恐れる必要がないので高めを上手く使えます。一方、巨人や広島のようなチームは低めを基本に攻めます。その意味で単純な補殺数の比較で、坂本や菊池は鳥谷より有利な環境には居ます。参考 2014年03月18日
セ 2014年 ペナント予想(混戦バージョン)の前振り 坂本編)を敷いていた時期でも補殺数が多かった事で、それら状況を考えると、かなり期待できたのではないかとおもう。
また、MLBで結果的にショート落第だった松井のスカウティングレポートは、
肩が平均的でも(日本人基準では強肩)、
送球の正確さやフィールディング、守備範囲(肩は弱くても他で十分、補える)は高く評価されおり、2001年には「守備ではトップから4、5番目の優れた遊撃手になれる」、2003年には「ゴールドグラブを受賞できる」との評価が下されているので、
松井が初体験だった、
グランドと、ボールの問題に対処出来れば、そのスカウティングレポートの通りになった可能性もある。
が、今シーズンの結果だけをみると、それも難しく感じてしまう。
阪神ファンには申し訳ないが、もう少し早くにアメリカへ渡らせてみたかったと感じた遊撃手ではあった。
今年の守備成績の結果、鳥谷の評価はかなり低くなっているかもしれない。
結果、契約まとまらず、阪神残留なんて話になるのかもしれないが。
さて、どうなるのだろう。
余談
→
因みに鳥谷は久慈コーチのに指導を受けエラーの少ない遊撃手として進化しています。
http://number.bunshun.jp/articles/-/14336?page=2
そのかいあって、今年の失策は5でした。
が、アメリカでは評価されないです。MLBの担当者はビデオチェックしているハズですので、欠点にみえるかもです。
この辺、
加齢によるアジリィティ低下の問題なのかもしれませんが、
以前の鳥谷なら、大事に取りにいっても間に合っていたのが、
今年は間に合わなくなった可能性があります。
阪神の被BABIPが上昇(チームDERの低下)しましたが、この辺が影響しているかもしれません。
当然、頭の良い鳥谷は上記状況を理解しているハズ?(阪神コーチ陣がどう考えているか?不明ですが)なので、来年、守備の方法論を改めるかもです。
その辺を考慮すると、来年の守備成績、良くなるではないかと、私個人は期待しています。
加齢による影響は、守備にまず出やすいです。
次に、走塁。→走力なくても盗塁出来ます(技術、経験、データが補完してくれます)。
最後に打撃。
鳥谷も、そういう年齢のようです。