BABIP、
本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合を示し、(本塁打以外の安打)÷(本塁打、ファール、犠打以外の打球)で算出される。
投手のBABIPを見る場合、分母に犠打を加える場合もある。
長期間でのBABIPの数値は投手のタイプに関わらずほぼ差がないことが証明されており、平均値(年代によって差はあるが、約.300前後を推移)を大きく外れた場合は運や味方野手の守備力が作用していると考えられる。
っと言われていたBABIPだが、
最近、様そうが変わってきていると思う。
アメリカでは極端な守備体系を敷くことで、そのBABIPを下げる手法が流行しているが、
その意味する事は、
運でなく、ある範囲内でコントロールできると思われているからである。
wikiには、
投手タイプ関係なくと記載されているが、
日ハムの武田久のように極端に被BABIPが低くかった(奪三振率が低いから、そうなるとも言える)投手もおり、その持ち球や、投球技術、バックの守備陣の能力で、低い被BAIBPを実現している場合もある。
BABIPを見る場合、
どのように、そのBABIPが形作られているか、それを見るが重要だ。
さて、そのBABIPだが、
武田久のように打ち取られたと解釈する事もでき、
一つの目安として見る事が出来る。
そんなBABIPの巨人の球場別、数値だが、苦手な球団が割合見えているように感じる。
2011年ごろまで、巨人が苦手としていたのは、
中日名古屋ドーム。
そのBABIPは.252
谷繁、荒木、井端という黄金のトライアングルと、吉見、チェンの居た中日だ。
これは巨人だけに限った話でなく、他の球団も名古屋を苦手にしていたので、殊更、強調したくないのだが、
2011年の巨人の他球場のBABIPが
横浜 .318
神宮 .321
甲子園.329
マツダ.318
であり、名古屋で巨人は苦労してたわけである。
谷繁の前に谷繁なし、その後にもなしという、俺様捕手の影響力は強く。
谷繁が居なくなれば、打てそうな感じでもある。
実際、アライバが解体され、投手力が落ち、谷繁の先発出場が減った2014年。
巨人の名古屋でおけるBAIPは.300を超えている。
過渡期だろう。
そんな巨人のBABIPだが、
2013年頃に変調を迎える。
2014年01月27日
セ・リーグ6球団の得点と失点パターンについての考察と雑感
にも書いて居るが、阪神、特にヤクルト戦で違和感を感じる数値を巨人打線は見せ始める。
特にヤクルトである。
リーグで最も点を取られたヤクルト投手陣に対し、巨人が、あの神宮で点を取れなかったのだ。
同様に阪神も巨人を抑えており、
そこに、2014年の苦戦の予感(原監督も感じていた故に、阿部の打順を早々に下げたと思う)を覚えていたが
→
因みに、それでも2014年優勝予想。他に80勝を超えられそうなチームが見当たらなかった。
だからこそ、厳しいマークにあったのだろう。
2013
横浜 .322
神宮 .267
名古屋.283
甲子園.271
マツダ.269
優勝候補筆頭としてマークされていたのか、横浜以外、打球を詰まらされていたわけである。
名古屋は、巨人からみて数値が良くなる過程だが、
研究されているのか、打球が詰まらされ始めているとも、とれる数値の変化である。
2012年までは、
リーグでも有数のBABIP(リーグ平均.276に対し.290)だったのが、この年を境に低下し始めたようにも見え、
2012年→2013年は球の反発力を調整した年であり、打者有利なハズ(打球が速い)なのだが、巨人の場合、.290→.287(前年との比較で反発係数の変更もありリーグ平均は.285)と下げたわけである。
阪神だけは印象的で良く覚えているのだが、
この年、中西投手コーチが復帰し、攻め方が変化している。→防御率が良化した
(阪神に関してはチームと言うより個人に負う所が比較的大きく、コーチが変わると戦術も変わる場合がある。中西投手コーチの一軍復帰で、打球の処理位置を見る限り、岡田監督時代の投球スタイルに戻ったと感じる。→城嶋の影響もあったか?)
個人にフォーカスすると、
巨人の上位打線、坂本、長野のRCWINが
坂本は2012年の4.33→1.03
長野は4.83→1.68と、その存在感を大きく下げた年でもあり、反発係数や、年齢の事を考えると、成績を上げても何ら不思議はないのだが、非常に厳しいマークにあったのではないかと想像している。
(横浜が絡めばわかるが、2013年も、横浜は、見ての通り打たれてます。)
そして、
2014年。
横浜 .279
神宮 .276
名古屋.306
甲子園.245
広島 .301
巨人も前年の反省に基づき対応したと思うが、全般的に下がり気味で前年の.287→.280とリーグ最下位の数値にまで落としている。
運不運もあったとは思うが、他球団の努力もあったように感じる。
私は横浜ファンなので横浜の努力を強調しておきたいが(球団の対応を知っているので)、ただ、その努力も、相手との相対関係(横浜の努力を巨人が上回る結果、横浜が打たれる)で変わる為、今年、消えるかもしれない儚い数字である所も注意しておきたい。
総論で言うと、
名古屋は谷繁の神通力が徐々に落ちて行く過程とみれ、また、広島も石原の今後次第の部分も感じるが、
横浜に関しては、持ち球をみていると、巨人は対応しにくいような気はする。
(チームとして決め球を決め、早打ち傾向の強い巨人にはツーシムが有効な気がする。尚、巨人と同様な傾向をみせるヤクルトにも横浜は好相性。願望込)
原監督が打撃テコ入れのために160kmの打撃マシーンを導入して対策しようとしているが、
あれは阪神対策と感じるので、横浜のツーシムとは何ら関係ないとしておきたい。
黒田のツーシムに、巨人、苦労しそうな予感もあるが、
それを、どう対応して行くのかも(しないわけがない)、見ものでもある。
この辺の対応、ノウハウの部分が強く、なかなか表に出てこない部分とも思うが、是非、知りたいモノだ。
課題に対し、どう対応するか、
PDCAサークルでもやって、発表して欲しい。(してくれないだろうが面白いだろうなぁ)