セイバーでみたセ・リーグ短観と雑感

対戦一回りを終え、それぞれに問題点が露わになりつつあり、意外に思われるかもしれませんが、混戦模様なセの状況です。

未だ試合数で15試合ほどですし、選手も入れ替わるため、数字も変わっていきますが、割合、各チームの個性が、もう既に出始めている状況と感じます。

上位予想された阪神さんは、

予想通り、守備面で問題を抱えているようで、被BABIP(インプレイのヒット率)が悪く、ランナーもより多く出しています。

被BABIP(≒チームDER)が悪いチームで優勝したチーム、セでは過去20年間でありませんので、あまり良くない傾向とも言えます。

現在の数字を基に被BABIP順に並べますと、

1位 ヤクルト .276=(1-.276)x100=72.4%

2位 横浜 .286

3位 広島 .286

4位 中日 .291

5位 巨人 .311

6位 阪神 .317

っとなります。

阪神さんと、ヤクルトさんの差でみますと、

ザックリ計算上、

奪三振を8と計算した場合、

残り19アウトを取るために、インプレイの打球処理をする必要があります。

延長は想定せず、四球がないものとして計算しますと、

19÷0.724(ヤクルト基準)=26.2打席

19÷0.683(阪神基準)=27.8打席

要は1.6本、余分に阪神さんはヤクルトさんとの比較で余計にヒットを打たれているわけです。

年間に直しますと、228.8本。

年間のチーム総ヒット数は1200弱ですので、比率で見ますと20%ほども余計に打たれるわけです。

阪神さんの守備面における低調さは長期低落傾向(ここ数年の傾向)ですので、今のメンバーを使い続ける限り変わらない可能性が高いです。

三塁ヘイグを下げて、大和を積極的に使えば、守備的なチームにも変われるのですが、遊撃鳥谷の守備範囲の悪さは観戦していてわかるレベルになって来ており、焦点は鳥谷になるかもしれません。

歴代最高水準の遊撃手であったのは疑いようもありませんし、時代を感じますね。

膝を痛めてから一気に、守備面における諸数値が悪化しています。

2014年に、年間補殺数が前年の500弱から400を切るまで低下しています。

その影響を阪神さんは受けていますね。

歴代シーズン補殺数記録

阪神さんが長期にわたり覇権を争えた理由に、鳥谷が居た事が理由なのは間違ないです。

井端がゴールデングラフ賞の常連だった頃から、鳥谷凄いが、セイバーの常識(WARという指標でみますと巨人阿部と並び大きな数字を叩きだしています)で、今、坂本凄いなのですが、この世間一般のズレも、また感慨深いです。

さて、そんな鳥谷ですが、内野の守備面におけるリーダーとも言え、単純に外す=守備力向上に結び付くかわからない部分もあります。

難しい判断になりそうです。

今年は、このままかもです。

あえて重責を担わせているようにも感じます。

阪神さんの場合、この守備の数字が悪い一方で奪三振率がリーグで唯一8(8.4)を超えており、他のチームの奪三振率が6台との比較で、一際優れた数字を残して居ます。

守備力と、奪三振率で相殺されている部分もありますが、WHIPが1.37(下はヤクルトの1.40)と非常に多くのランナーを出してもおり、予断を許しません。

ポジとネガが交差している感じです。

横浜的なトピックで言いますと、

昨年との比較で被BABIPが劇的に良化しています。

2015年04月24日

堅守?ザル?、失策はリーグで最も少ないけど。。。DERが悪い横浜についての雑感

にも懸念を表明してましたが、昨シーズンは、そのままシーズンを終えています。

(何度か昨年は類似記事を書いています。)

一方で、

2015年、オフに

2015年、倉本寸評 守備に関する期待

という記事も書いていますが、当時、感じていた感覚に近い形で倉本も成長しているようです。

また、序盤、石川が二塁を守って居ませんでしたので、そこも良化した理由とも考えています。

石川については、上手いのか、下手なのか打撃同様ムラがあり過ぎまして、私も判断できないですが・・・

尚、柴田の二塁の守備に関しては、監督の信頼を失いつつあるように感じています。

当たり前ですが二塁の守備経験ないですからね。

去年で言う倉本が守備面で苦戦した理由+該当守備の経験がないのですから、今の失策2も致し方なしかもです。

肩の強さを考えますと、将来的には二塁の可能性が高いのですが、今後に期待したいです。

他の選手との兼ね合いもありますが、守備重視なら倉本(三塁)柴田(遊撃)が一番、固いかもですね。

梶谷の怪我の状態次第ですが(リーグでも図抜けた守備力を誇る外野です)、梶谷が戻ってくれば、さらに攻守両面でスケールアップしますので、そこはプラス材料として捉えたいです。

もろもろ含め、伸び代が一番あるチーム状況です。

次に打撃面ですが、チームBABIP(インプレーのヒット率)の順位です。

広島 .344

ヤクルト .311

阪神 .291

中日 .282

巨人 .275

横浜 .266

広島の.344は流石に、このまま続かないと思いますので、もう少し落ちて来るかもですが、昨年の反省に基づき頑張っているようですので、傾向的に、このままいくと分析しています。

ルナが居る影響でプレッシャーから解放されている感じですね。(右打ちの意識が強い?特に菊池)

もしくは、昨年は優勝候補として気負いがあり過ぎたかもです。

今なら天敵とも言える中日八木や、ヤクルト山中を打てそうです。

巨人は相変わらず、BABIPが悪いです。

これ横浜にも言えるのですが、動くボールにやられちゃっていると見ています。

横浜の場合、BABIPを大きく下げていたロマックが下に落ちましたし、先発メンバーが変わることで数字を戻し始めています。

また、ロペスが一時期の不調から戻しつつあり(BABIPが1割台でした)、上昇基調にはなっています。

巨人の場合、阿部待ちでしょうか?

個別寸評

阪神

戦前予想(シーズン前唯一、分析したチームが阪神です)にも書きましたが、戦力差がない中、一人新戦力で規定打席を超えられるような選手がいると様相が変わります。

その象徴は高山でしょう。

戦力分析した際、高山を、ベタ褒めしちゃいましたが、久しぶりに感じた新人大物です。

彼、軸がぶれないですよね。

これが白崎とかですと、グラってしまして、その技術レベルの違いを覚えます。

(白崎の場合、新フォームがしっくり来ていません)

この人が入ることで、層が厚くなっています。

一方で予想通り、守備面で脆弱性を見せ始めており、今の状況ですと昨年と同様、野手陣が優秀な投手陣の足を引っ張りそうな状況です。

監督の性格もあるのですが、ポジとネガが交差しており、非常に不安定なチーム状況に感じてます。

それでも全体的に戦力上位な感じですね。

後は、以前から指摘しているヘイグが、どう変わるかでしょうか?

技術レベルは高いので、弱点を克服できる可能性を覚える打者ではあります。

(右打てないですね。当たり前ですが。代わりに左は強いです。)

ゴメスは日本に来る前の打撃(ホームランを狙う)になっている為、外角が弱点になっています。

外スラに対応出来ていません。

最も、外スラ自体、昨年までは昔との比較で対応出来ていましたので意識の違いとも言え、上手く振らせたい所ですが、怖いです。

正直、投げづらい。

打撃フォーム的に課題を抱える横田も含め全体的に尖った選手が多く、監督のマネージメント次第な部分を感じます。

広島

2016年 広島の可能性 雑感

に書いている通り、チーム力という意味では抜けているチームです。

当時書いた雑感記事にも書いてます通り、前田の抜けた利得は、菊丸の復調で今の所、埋めています。

チーム力は抜けてます。

抜けてはいるのですが、バランスが悪い。

中継ぎだけなのですが(一昨年も、去年も、書いていますが)、動きが本当に鈍いです。

一般に、中継ぎは開幕当初の陣容のまま、走り抜ける事が出来ず、二軍降格、一軍昇格を繰り返す事で、その質を保ちますが、その質量、特に量が広島さんの場合、足りているように感じません。

今いるメンバーが欠けると、極端に数字が落ちそうな状況です。

本来、巨人や横浜の編成のように中継ぎを補強すべきなのですが、編成の動き、静かです。

前田離脱の影響は、先発でなく中継ぎに来るのですが(平均投球回数が7を超えるイニングイーターでした。前田登板時、8回まで安心だったわけです)、その面でケアしなかった事が後々響きそうです。

編成マターの面が強いように思いますので、現場では、どうにもならない可能性が高いです。

巨人

マイコラス、阿部の離脱の影響が大きいように感じます。

以前の巨人なら、その選手層で補っていたのですが、陰りを覚えます。

そうは言っても、早々と手を打つ当たり素晴らしいですね。

怪我人待ちという状況でしょか?

菅野を早々に中5で回すなど、焦りも覚えもしますが(本来、選手の底上げに使って良いのですが候補居ないですかね)、ここも新監督の手腕次第な部分を覚えます。

中日

外国人に支払っている給与が断トツに低い球団です。

落合GMの工程表によると、今シーズンもチーム再建に費やすハズですので、戦力的に歪な状況は状況です。

上昇機運は覚えますが、二軍成績が、もう少し改善しないと厳しいかもですね。

破滅的なファーム成績からは脱却しつつあるようですし、伸び代を感じるチームの一つです。

しかし、一度、組織が壊れると戻るの大変ですね。

一軍がでなく、二軍がぁです。

一軍への選手供給が一時期滞っていましたが、何処まで回復したか、その状況を注視したいです。

ヤクルト

基本的に昨年のチーム状況のままです。

先発の力が昨年以上に落ちてます。

先発の力が落ちたと言うより、前年度優秀チームとしてマークされた結果とも感じますので、今の状況で推移するように感じます。

おそらく対横浜戦で昨年ような成績を残せないと思いますので、横浜以外の他のチームで、お得意様を作れるかが、上位進出の分水嶺と予想しています。

横浜

先発、中継ぎ伴に陣容が厚く、チョイス(候補は本当に多いです)に困りません。

総量でみますと、リーグ一の陣容とも言えますが、質と言うより量で、その陣容を厚くしていますので34失点ほどしそうです。

後は如何に4点とるかでしょうか?

その象徴が2番梶谷なんでしょうね。

打線(守備重視で選手チョイスしています)が全体的に弱い中、なんとか4点取りたいう2番梶谷ですが、その二番が有効に機能するか、守備面も含め梶谷の復帰がまたれます。

2番梶谷に関し、勘違いが強いと思っていますが、4点とる為の方法論と考えて下さい。

バントすると、3点ぐらいに得点力が落ちると予想しています。

後は、2番梶谷が有効に機能する為の1、3、5番が出現するかでしょうか?

梶谷復帰が目前となりましたら、後日、記事を書きたい所です。

また、セで一番外国人が活躍してないのが横浜です。

今の順位は外国人が活躍しているか、してないかの面も強く出ている為、その面でも横浜は伸び代が大きいです。

早速、セで唯一、4人使ってない事を利用して、ザガンスキーを補強しています。

エレラが戻って来れば、間違いなく質量ともに中継ぎ面で中日と並び最強布陣になりますので、その面では大いに期待しています。

一方、ロマックの代わりの選手を野手で補強するのかですが、

当たり外れの大きいロマックに保険を掛けなかった時点で察してはいます。

陣容的にふるいにかけていますので、野手に関しては、このままの気もします。

(凄い選手は来ない気がします。BCリーグ当たりから来るかもですが)

優勝を目指しては居ますが、中日と並び、先をみている配置をしてはいます。

投手に関しては、陣容固(軸がある)まっているが故に緊急補強が出来るのですが、

野手の場合、し辛いです。

軸が足りないません。

元々の方針として、その軸探しに当てている面は強いですね。

打撃に目をつぶり選手を起用すると明言して居ましたから、それは、そのまま凡事徹底につながります(経験不足)。

凡事徹底させるには、軸を決める必要があります(経験させる)。

その軸を育成するような面もありますので、投手のような緊急補強しないかもです。