去年の広島打線と今年で何が違う? セイバーでみた、その分析と、個人的観戦の楽しみ方

昨日から対広島戦です。

セ最強打線対、セ最強投手陣。

表現ベタですが、プロレスか何かの興業みたいで面白い対決です。

地味に、リーグ2位の攻撃力(5月)を誇り始めた横浜野手陣の攻撃力対 広島投手陣という戦いでもありますが。

案外、決め手は横浜の攻撃力のような気がしています。

今年は打線になっており繋がりが良い横浜。

代打も良いので、点が入り易いです。

昨年は、平均は良くても打者の技量に粗密が激しく打線が切れていました。(代打も.206と奮いませんでした)

後日、記事を書くかもですが、得点力、去年より上(になる)かもしれません。

さて、

今回、紹介するのは広島打線です。

その素性を紹介する事で、3連戦における観戦のお供として欲しいです。

(私は捕手目線強めで観戦しています)

まず、昨年の広島打線。

数字はPitch Valueという、各球種に対する得点貢献度でみています。

wFA

Fastball runs above average

カウント別の得点期待値(アウトカウント/走者状況/ストライクカウント/ボールカウント)を基に、ストレートに対して、打者がどの様な結果を積み重ね、得点を増加(あるいは減少)させたかを見た値です。

打者視点では、ボールカウントが増える/出塁する/得点を取ることでプラスとなります。

http://1point02.jp/op/gnav/glossary/discription/dis_bs_wfa.html より引用

対ストレート(wFA)2.8  セで最もストレートに強いです。

対ツーシム     9.6  同上

対スライダー   -53.6 かなり悪いです。

緒方さんの擁護記事を昨年、書いたので承知していますが、外の変化球に弱かったです。

参考記事

なぜ? 広島は八木を苦手としているのか? 雑感

外一辺倒で、料理され易かったわけですね。

右対右、左対左に弱く、打線がキレ易かったと分析して居ます。

優勝候補の一角として厳しいマークされ、配球をされたわけですね。

その対応に苦慮したのが2015年の広島打線です。

そんなわけで、オフに対策して来たわけです。

2016年 広島の可能性 雑感

にも書いていますが、

明確な課題があるというのは、対策し易いわけです。

一方、相手は、その対応がし難い。

対応という意味で、

今回、主導権を握っているのは菊丸です。(変わる必要がある)

やられた感があった方が有利なんですよね。

日ハム大谷が今年、苦戦していますが、それは、大谷が良い意味でも悪い意味でも変化しなかったからとみています。(課題を覚えなかった)

結果、耐久方面に意識が向いたのですが、彼持ち球少ないですよね(引き出しが少ない)。

一方、他球団からすると、大谷を攻略したい。

その意識の差が序盤における大谷の苦戦につながっていると見ています。

データだけでみると、あー、あーって感じで攻略されています。

普段、投球(昨年を、それほど知らない)を見てないので記事化するのは止めましたが、そんなモンです。

推測が入いり過ぎるので止めましたが、データだけみますと、去年まで有効に機能していた振らせるボール球、ストライクゾーンから外れるスライダーが機能して居なそうです。

結果、カウント球がなくなっています。

ふっとデータを見たら、SBの武田、カーブの状況良くないですね(+0.6→-3.5)。

武田の場合、カーブ以外の球が機能しているようで、今の所、防御率には影響はないようですが(詳しくは分析していません)、NPBの場合、何度も対戦しますので、相手の対応が早い印象です。

大谷対パの球団のように、

広島さんも、対策して来たわけです。

右打ちの意識が強いとは思っていますが、凄いですね。

スライダーが-53.6→13.9と向上させています。

*使用している数字について

数字が得点のようなモノで、本来、一球当たりで考えるべきなのですが、配球割合等も違っており得点で比較しています。

一方、得点と違い、増減もあるため、50試合で+13.9だからシーズン成績は+50ぐらいいくでしょ的なモノでなく、場合によるとシーズン終了後にはマイナスになっているかもしれない数字です。

能力を示す指標としては限界があります。

結果という意味で打率に近いようなモノですかね。未来予測の意味で言うなら他の数字、状況証拠も必要です。

現在の数字が良いからといって、将来もそれが良いとは限らない点には、ご注意を。

但し、現時点での結果で言うなら、課題に対し結果が出てるという判断になります。

説明終わり

こうなると大谷と同様、相手も困るわけで、他の球種も打てるようになるわけです。

相乗効果、シナジー効果です。

対ストレート(wFA)2.8 → 20.8

対ツーシム     9.6 → 17.0

他の球種も総て、昨年より数字(打撃)が良くなっています。

組み合わせ上、何かが上手く機能しなくなると、そのカードを切れなくなる事で、的を絞り易くなるわけなのですが、そんな状況に追い込まれているわけですね。

お見事です。

広島さん、いや石井打撃コーチ(これを言いたかった)。

あの長いネーミングセンスは如何なものと思いますが、逆方向への意識が高い事で、打線になっている。

だから、あのネーミングなのかもしれませんね。

後は、良く指摘されるコリジョンルール効果。

昨年、Base Running -14.9でしたが、今年は+10.1です。

広島さん、かなり大きく数字を上げています。

一部、球団は昨年より質を落していますが、選手構成上、もっとも恩恵を受けていますね。

一方、横浜。

投手も含む守りが強いです。

横浜の場合、分かり易く、

いつものようにストレート主体と思いますので、その直球次第とは思っています。

読売菅野を別格とするなら、チームとしては、リーグ2位の威力を誇るストレートによる執拗なイン攻め。

チームとして、配球の50%ほどをフォームシームが占めますが(昨年は45%、広島さんは34%)、この質が配球の妙もあり、良いです。

上手くインのストレートを使う事で、他の球種の質(威力)も上がっています。

インコースを有効に使いますので、外の意識が強い相手と噛み合わせが良いですよね。

(外のストレートを打ち返すのと、内のストレートを、逆方向に打ち返すのでは技術難度が違います。最近、荒木がインのストレートを器用に逆方向に打ち返していましたが、そんなバッティング出来る選手は、数えるほどしかいません)

また、面白い事に、外の意識を外したバッティングをするとフォームが崩れやすいと言いますか、横浜と対戦するチームの打撃の状態、皆さん崩れている印象を私は持っています。

谷繁が、カード初戦、執拗にインを攻めさせていましたが(大野談、谷繁と組むと楽させてくれないとの事でした)、

内を攻める事で、他のバリエーションが増えて来ます。

これが外一辺倒ですと、情報的に少なくなり易いです。

割合、分かり易い対決で、それぞれの持ち味である。

横浜のストレート対、広島の対ストレート打撃の戦いが帰趨を決めそうです。

インのせめぎ合いが帰趨を決めそうです。

インを攻略されますと、外も活きて来ますので、そうなると広島さんは苦しそうです。

インを攻略できず、外に逃げた場合、広島さんの勝ちパターンになりますので、バッテリーは逃げずに立ち向かってほしいです。

そう見せて(内を意識している)今日は外とかもありですが、未だシーズン序盤ですし、手の内を晒すのも面白くないです。

がっぶり四つの試合をファンとして期待します。

長所を消しあう試合もありますが、

広島さんとは、正面からぶつかり合う、力対力の勝負になりそうです。特に今日、登板する予定の今永は、そう言うタイプなので、非常に分かり易い構図になるかと。

昨夜の井納対広島打線も含め、両球団のファンが、ワクワクしている理由かもしれません。

お互い、相手の攻め方はわかっていますし、広島さんも、待ち構えていると思いますが、そこで勝つことでメンタルで優位になる。

その、せめぎ合いに、なりそうです。

因みに過去実績では、

広島さん、横浜のイン攻めに苦戦していそうです。(そろそろ何らか、戦法を変えて来るかもですが)

広島さんは254得点していますが、横浜からは25得点しか奪えていません。

対戦数が他のチームとの比較で2試合少ないですが、それを考慮してもとれてないです。

その範囲で横浜が抑えてくれるのではないかと期待しています。

捕手目線からすると、非常に楽しみな試合になりそうです。

相手も好調ですし、がっぷり四つの予感十分です。

後は、裏カードの横浜打線対広島投手陣。

トータルでみますと、4月の不調もあり、成績でみますと両チーム、かなりの差がありますが、横浜も、結構、良くなって来ています。

皆さま、不安がらず、期待してみましょう。

先日、中日戦で、解説の井上が、これが横浜なのか?

っとビックリしていましたが、横浜の各打者が良く粘ります。

好球必打の行きつく先は梶谷と苦しい時期に、記事化して居ましたが、こんな短期間でチームって変わるんですね。

梶、石川(←元々技術があった子)、倉本らが粘れます。

昨夜は山下が思った以上に粘ってました。

いろいろあって絞り易い状況でしたが(黒田がインを攻めにくい状態だったので外で待てた)、大したもんです。

これも早打ち効果と言えるかもですが、相手の意図を良く読み取っているように感じます。(その努力は感じます)

早打ちと、待球。

裏表のような技術です。

その進捗を、浸透具合を覚え、管理人大満足であります。

四球の多い、鳥谷も、かなり早打ちな打者なのですが、倉本の四球率が上がったら、いよいよ本物です。

状態が上がりつつある、梶谷、石川様の大活躍に今日も期待したいです。

この三連戦、負け越しても、チームの素性の良さは失われません。

期待して見守りましょう。

参考記事

借金11の時に感じた確信、その理由-ラミレス監督の目指しているモノとは? の 

不安があるとしたら、

横浜の場合、経験だけです。

この部分では、差があります。

というわけで、応援です。