2016年、広島さんは何が良かったのか? 1 犠打について、2番菊池と4番

書き直します。

発散気味ですね。

本来なら下書きなのですが、一度公開していますので共通ジャンルから外して、公開設定にしておきます。

すみませんでした。

以下、本論です。

2017年シーズンを読み解く上で、

2016年を制覇した広島さんを分析してみたいと思います。

その導入部として、

広島さんの歩みを振り返りたいです。

チームは、ある日、突然強くもなりませんし、弱くもなりません。

その延長線上に、2017年を見る事で自分の予想の参考にしていきます。

最初に、犠打。

2番菊池に着目した記事です。

4番(中軸と言っても良いです)とも関係しますが、

この4番構築に苦労したのが、過去の広島さんでした。

他球団では、攻略できるのに、中日八木を広島さんは苦手としていましたが、

2015年08月19日

なぜ? 広島は八木を苦手としているのか? 雑感

広島さんと言いますと、

特定パターンの投手に極端に弱いと言う打線特徴があり、その特徴は中軸の外国人にあったと思っています。

(あるレベル以下ですと、大差勝ちし易い面もありました。メリハリのある打線特徴と言っても良かったです。)

タマゴが先か、鶏が先か的な部分もありますが、

2番菊池を活かす為にも、4番(確かな中軸)が必要で、その4番(中軸)を解決できた事で2016年の広島打線は機能します。

2013年に書いた記事ですが、

広島Bクラス時代の迷走と今後 2013年 総括と展望

広島さんが低迷した原因は多々ありますが、案外、大きかったのが走力、守備力を全面に出した野球を一時、放棄し、ビックベースボール的な野球を志向した事も原因だったと考えています。

大味でした。

勿論、ビックベースボール的な野球をするに相応しい環境でもあったのは事実(市民球場は、とても狭い球場でした)ですので、

その選択に合理を覚えますが、チームカラー的に合わなかった感触も覚えてます。

守りについては別記事で書きますが、2015年までは、大味と感じる時が多かったでしょうか?

そんな野球が変わった転換点は、マツダスタジアムと、野村監督就任時の2010年になると思います。

野村監督時代と言いますと、

理想と現実のギャップに苦しみ、失われたモノを取り戻すのに注力し続けた5年間だったと感じています。

セ・リーグ6球団の得点と失点パターンについての考察と雑感 

2013年の各チームの得点パターンについて分析した記事です。

リーグでも傑出した1,2番を保持していた広島さんですが、その割に点を奪えていません。

犠打が機能し難いチーム編成でした。

チームも、簡単には変わりません。

犠打するに相応しくない状況(投手力、守り)で犠打を強行していた横浜程、意図不明の酷い采配ではなく、采配意図自体は、アリとは思いますが、

犠打が有効に機能しなかったのは、野村監督自身が感じていたと思います。

2013年以降は、2番として高性能な菊池を如何に活かすかで苦心していたと、他球団のファンながら感じてました。

2014年05月20日

広島の野生児 二番菊池に対する雑感

この解決に苦心した広島さんは、

そのチーム力の割に勝てず、2015年も、優勝するに相応しい戦力を抱えながら(他にも理由がありますが、得点パターンの形を上手く作れませんでした)、Aクラスを逃しています。

その解決が、

4番、ルナ。

新井や、ルナのように繋ぐ4番ですと、広島さんの場合、13番が優秀ゆえに、より活きて来ます。

ルナ自体は、

期待されたほど活躍出来ませんでしたが、打線として見た時、非常に手強かったです。

そして、2番として優秀過ぎる菊池には犠打を命じなくなっています。

ゲーム展開を考慮した指示が多くなっていますかね。

初回だけに着目した菊池の犠打推移です。

2013年 25犠打

2014年 21犠打

2015年 19犠打

2016年  4犠打

試合展開に応じた犠打が多く、試合終盤の犠打が菊池の場合、多かったですが、

対戦して居て、ともかく、嫌らしいかったです。

右打ちも出来ますし、ケースbyケースで選択できるだけの技量。打順(回りも含む)。

状況。

菊池単独では、こうならないのですが、

チャンスに強い(というより技術がある)4番が居るからこそ、機能し、その前後も優秀。

13番を固定出来た唯一のチームが広島さんでしたが、

強かったです。

個人的、MVPは菊池でしたが、2番として優秀過ぎる菊池を活かしきった采配だったと思います。

2番の差で敗けてしまったと感じた試合と言いますと、

2016年05月30日

ファンの力で勝たせたい山口編 メンタル論でみた対広島戦5/29回顧 

この注文通りに右打ちができ、バントも出来るというのが、なかなか出来ません。

そして、

メンタルに課題があった山口は揺さぶられ、その実力を発揮できず敗戦しています。

田中と、菊池で、負けたと感じた試合でしたが、あの形を作るのにも、経験が必要だったわけですね。

(昔は出来ていませんよ)

2016年06月12日

制約のある打撃について 存外難しい最低限での打撃 倉本について説明

最低限の打撃に関し、

ファンは、どうして出来ないの?っと言いますが、

これが難しいです。

それを菊池は実行できるわけです。

制約の強い2番で、あの成績です。

野村監督が継続して監督をしていても、

犠打の少ない、この形になった可能性が高いですが(模索して居ました)、その意味で、継続は力なりですし、その課題に対し、チームとして向き合い続けた結果の優勝と思っています。

シナジー効果とも言いますが、4番がしっかりしたから、2番菊池が効いた面もあります。

横浜も、打順構成には悩みましたが(筒香の後ろ問題)、打線は、一人ですと孤立しますし、活躍出来ません。

関連記事 2016年10月22日

想定外ドラフトと、その意図について、その考察の前振り 筒香の後ろを打つ強打者を補強したい横浜について

如何に寸断させるかで、相手も考えて来ますので、

選手が優秀過ぎますと、分断され易いです。

その意味で、広島さんの13番は打線と見た時、強力でしたし、

それを支える意味での4,5,6番も上手く機能していたと思います。

そして、

近年、より注目されるようになった2番。

菊池のような最優秀の2番、

他球団には居ません。

中日の荒木の体調が万全なら、それに近い成績を出せますが(去年も羨ましいと思いました)、差を覚えます。

統計学的に、

どの打順が効いてくるかでみますと、

1番、4番、2番の順に重要だそうですが(最近の常識は3番より2番になっています。)、その2番を固定出来き、その成績も傑出していた菊池は守備も含め広島さん、一番のストロングポイントとは思います。

これは、これで異論来そうですが(3番より2番について)、

当たり前ですが理由があるから、MLBでも重視しているわけですね。

打順回り上、3番はツーアウトで回って来やすく(かつ、ランナーなし)、上手く機能し難いそうです。

一方、2番は、そうではない。

2番が弱いと、3番が活きないの場合が多いです。

そして、

ご承知の通り、ノーアウト、一塁(40%)と、ツーアウト一塁(10%)では、得点確率が違い過ぎます。

ツーアウト、ランナー一塁と、ノーアウトランナーなし(つまりは先頭打者 20%)でも、断然後者の方が期待値が高いです。

ツーアウトというシチュエーションは、満塁にならないと、ノーアウトランナーなしを上回る事ができません。

後、一人で終えれるというシチュエーションは、守り易いです。

無理に勝負する必要がなく相手を選べます。

ですので、打線が重要になるのですが(選べなくするためにも)、その打線が強力だったのが広島さんです。

そのシチュエーションで見た時、2番はアウトカウントがノーアウト、ワンアウトで回り易い打順と思って下さい。

(勿論、他の打者の兼ね合いで、変わって来ますが、全データ上)

2番菊池は、素晴らしいです。

守備も含めWBCも2番菊池とか、効いてくるのですが、

ヤクルト山田の攻撃力も捨てがたいでしょうか?

セの野手として、

横浜筒香、ヤクルト山田、巨人坂本に並ぶ、オンリーワンな選手と感じています。

代替選手居ません。

そう言うチームは、強いです。

核がある、形があるわけです。

ちょっと、発散するかもですが、

世代交代期もあり、形がなかったチームが多かったセですが、

近年、どのチームにも勝利に向けた形が出来つつあります。

関連記事 2015年07月16日

前半戦総括シリーズ ピタゴラス勝率からみた現在位置と雑感

にて、

戦力的に劣る阪神さんが戦えている理由を書いていますが(9/9まで首位でした)、

形があるから阪神さんは強かったです。

その形を全面に押し出して優勝したのが2014年のCSでした。

そして、

その戦力の割に阪神さんが2016年に苦しんだのは、金本監督が形を意図的に壊したからでもあります。

形があると、それなりに戦えますが、

形がないと、記事にも書いていますが、2015年の広島さんのように、その戦力の割に戦えません。

2016年、中日さんの4番ビシエドが孤立し、その高い地力を活かし切れませんでしたが、形を作るのは重要です。

その解決に、強力な外国人野手を中日さんも補強しています。(ボール攻めに弱そうなので、他の打者との兼ね合いが大きそうな打者ですが、その実力は高いです。)

中日さんが、同時期に億を超える外国人を複数名抱えるのは優勝した2011年以来の事です。

各チーム、それなりに形がある、作れそうと感じるが故に、2017年、読みづらく感じていますが、球春間近ですね。