被ホームランと監督(采配)に関しての雑感

セ 2014年 ペナント予想(混戦バージョン)の前振り 坂本編

にて、坂本の守備面での貢献を自分なりに解析し、

かつ、その立ち位置、数字の意味を

歴代シーズン補殺数記録でみるNPB

また、歴代シーズン補殺記録

さらに、阿部さんに関しては、

セ 2014年 ペナント予想(混戦バージョン)の前振り 阿部編

にて記載している通り、まずは打撃面の影響度合いに関し考察しています。

日本シリーズ楽天戦ではないのですが、主砲阿部の影響をシーズンを通して感じる結果でした。

そして前記事で、捕手阿部の影響力。

これは正直、可能性なのですが、守備の要であるレギュラー捕手が、全く無関係ないわけがなく、

事実として、阿部捕手がデビューして以降、トレンドとして巨人の被ホームランは年々減っているような状態です。

東京ドームというホームランの出易い球場をホームとしているにも関わらず、

2008年以降、リーグ平均以下に被ホームランを抑え、さらに下げ続けています。

セ 2014年 ペナント予想(混戦バージョン)の前振り 阿部編 

ところで、記事中、被ホームランを減らす過程で阿部の影響力の存在を書きましたが、

ホームランを打たれるという行為にリード以外のモノは、どのように影響を与えるのでしょうか?

はい、というわけで、前回の続きです。

本塁打とパーク・ファクター

http://archive.baseball-lab.jp/column_detail/&blog_id=17&id=143

という記事がありますが、

パークファクターが与える影響、相関係数は 0.251のようです。

相関はありそうですが、かなりノイズを含んでおり、他に優位な要因があるという結果です。

前記事の結論を一部、否定するような感じですね。

東京ドームというホームランが出やすい球場(=PF)という考え方の前提自体が心許なく感じる相関係数です。

正の相関で0.25自体、統計学上あると言えるのですが弱い相関となります。

以前、監督の采配力を分析した手法に対しクレームをつけた方が居ましたが、そちらの相関係数は0.9。

それとの比較で言いますと、実感しにくいかもしれませんが、なんとなくある?的な感じです。

澤村の援護率の低さとについての分析結果と雑感

にて、澤村の評価をする為にWHIPと援護率の相関をみた事がありますが

(本質的にはランナーを多く出す=打撃に影響を与えるかをみるために一連の連載をしていました。)

その時の相関が-0.2。

球場の影響、一般的に言われているより小さいようです。

でわ、他に優位なファクターはあるのか?

という事で記事は

ノイズの除去を目的にデータの層別を行っています。

著者が着目したのは投球回数。

結果は,相関係数が 0.536。

当たり前と言えば当たり前ですよね。

投手が打者を圧倒出来ていれば、被ホームランは減ります。

そのコンディションに、投球回数は間違いなく影響を与えますので、非常にわかり易い結果です。

投手コンディションを整える=被本塁打が減る。

類似例で連投とかも影響ありそうですね。

集約すると選手マネージメントになりそうです。

投球回数と被ホームランに相関があるという事は、つまり、采配(投手の見極め、コンディション維持)が被ホームランに影響するという事です。

投手コンディションの影響力が、各球場のPFより優位なら。

監督の采配力=マネージメント能力が被ホームランに影響を与えていると推論して間違いないと思います。

つまり、前記事の続きにもなりますが、

原監督は、投手起用が、先発投手の見極め(選手マネージメント)が得意である可能性が高いというわけです。

全般的に言えますが、人の起用が上手いと感じます。

結果、藤村、亀井、中井、松本・・・

そして、今年の橋本と。

上手く人を回していますよね。

巨人と言う、非常にタフな監督を、これだけ長く出来る理由の一つかもしれません。

素直に褒め称えたいと思います。

尚、被ホームランに投手以外が与える影響は35%程度と計算上推計されており、

その内半分程度が采配(投球回数)としますと、

パークファクターという数値、それ自体が毎年、ある程度の変動があるモノだと直感できると思います。

つまり、私が、こらっしている横浜における中畑采配(スモールベースボール)も、投手力を整備出来れば実現可能は可能なんですよね。

投手力(守り)を整備出来ればですが・・・

今回、被本塁打に影響を与えるかもしれない35%に焦点を当てましたが、実際は投手力です。

力関係としては騎手と競走馬のような関係かもしれませんが、横浜でスモールベースボールが有効に機能する可能性があるように、

投手、それ自体の力が一番です。

が、それ以外の要因。

無視できない部分が、被本塁打に関わっている。

球場も含む外的要因の35%を大きいとみるか、見ないかは個々人の感覚かもしれませんが、力を最大限に引き出させるという領域に采配(マネージメント)が位置している以上、被本塁打という数字で結果を出している巨人は、その関係者は、凄いんだと思います。

素直に、この数字に関わっている人たち(原監督、橋上さん、阿部、坂本、村田コーチ、投手陣・・・etc、歴代関係者の皆さん全員)を褒め称えたいと思います。

そして、その被本塁打低下に関する継続性をみて、巨人の組織としての強さを覚えます。

余談

今回、被本塁打に関し記事を書きはしましたが、現実は複合因子で、かつ相互に影響しあっていますので、

采配と捕手という2つが揃わないと、本当の効果を発揮しない場合もあります。(交互作用とも言われますが)

もっと言うなら、

球場、采配、捕手、守備、投手・・・が揃わないと効果が出ないかもしれません。

一昔前の中日を例に言いますと、名古屋、谷繁、アライバ、森コーチ、投手陣。。。が揃わないと、言われているほど力を発揮できないかもしれません。

野村ヤクルトの場合、古田が怪我をするとBクラス。

万全なら優勝と、長嶋巨人と交互にセのペナントを獲得していた時期がありますが、野村監督&古田という2つの因子が交互に作用する事で力を増していた可能性があります。

それでも、人間、何が一番影響を与えたか興味がでるわけで、その辺に実験計画法や品質工学とかの概念が生まれた背景、理由があるのではないかと記事を書きながら思いました。

田口メソッドとも言われる関係者が野球に関わったら、新たな知己が生まれそうですが、さて(笑)

学会のテーマに野球をやってみて欲しいです。