中日四球病、その病魔についての雑感
横浜の四球病、山口君の場合
中日の四球病、田島投手の場合
っと一連の記事を書いています。
意図的には、
谷繁のリードが原因で四球が増えているという事に関して解説がしたかったからです。
個人的には、一部あるかもしれないと思っています。
が、中日投手陣起因の部分もあるとも思っており、
その為に田島投手を取り上げ、その事情を説明しました。
中日投手陣、全般に言えるのですが、田島投手ほどと言えなくても、全般的に組み立てに苦労しそうな投手が多いです。
岩瀬もそうですが、球の力がないので、投球術(リードも含む)で相手を翻弄しようとしています。
(今年は流石に苦しそうですが)
さて、そんな中日ですが、
谷繁のリード力についての確認です。
強力な谷繁補正とも言うべき、名古屋のPF。
職人芸とも言える域に達しています。
関連記事
2014年04月13日
名古屋の低いPKと谷繁補正に関して 雑感
また、その低い被ホームランは、谷繁&森投手コーチの共同作業的な面もあります。
2014年04月17日
被ホームランと監督(采配)に関しての雑感
一般的に中日投手陣の防御率が良いのは、その投手陣の実力以外に。
名古屋の低いPFが原因と思われていますが、被ホームランと、PFの相関係数はわずか0.25ほど、むしろ、采配の方が影響が大きいかもしれません。
中日の強さに、捕手が谷繁があったのは間違いない事実であったと私個人は考えています。
また、その目ざとさは、
2011年以降に導入された統一球時代にも発揮されており、
投手優位になった事を利用し、他のセのチームと比較しても、大いに、その四球率を下げています。
そんな谷繁擁する中日のチーム防御率が悪いです。
守りが崩壊したのでしょうか?
一体、何処が悪くなったのでしょう?
中日の現状確認
チームDERについて
2014年04月21日
セ 現状分析 総括
でも報告しましたが、野手陣の守りは固い方です。
現在のチームDERで言いますと、
広島 .719
中日 .706
巨人 .703
阪神 .698
Ys .693
横浜 .680
DERの意味は、セ 現況報告で説明していますので、わからない方は読んでください。
反発係数が昨年のボール(低くなった)になった影響で、開幕当初との比較で全体的にDERが良化しています。
球足が遅くなった影響か、上位と下位の差が小さくなりました。
一般的な知己で言いますと、厳しい環境下の方が、その能力差が出やすいです。
また、技術はあるけど、守備範囲に問題があるようなチームの場合、球足が遅くなると恩恵を被ります。
本筋と離れましたが、
野手の守備力と言う意味で、中日の守備力は広島に次いで2番目です。
この面で、中日の守りが崩壊したとは言えなさそうです。
諸数値との比較
チーム被打率 中日 .260 に対して 広島 .256
チーム被長打率 中日 .355 に対して 広島 .386
チーム被出塁率 中日 .342 に対して 広島 .305
チーム疑似防御率中日 .395 に対して 広島 .389
被出塁率以外は、中日のタスク、広島と比較しても悪くありません。
被打率や、長打率が低ければ、一般に点が入りません。
XRの計算式を基に、その価値を言いますと、
単打0.5、二塁打0.72、三塁打1.04、本塁打1.44に対し、中日ファンの皆さんが嘆き悲しむ四球の価値は0.34です。
価値は確かにありますが、被打率や被長打率の方が、本来優先されるべきであって、四球が多いだけでは説明がし難いです。
中日敗因の、苦戦の要因の一つとして四球が象徴的に取り上げられますが、
あくまで四球は出塁の一つ形です。
2009年、広島がチームとして、BB/9 2.4と中日の2.6より10%近く良かったですが、勝敗に直結しやすいチーム防御率は中日のそれに対して15%ほど悪くなっています。
が、今年は、そうなっていなく、
広島のチーム防御率3.39に対し、中日は4.37です。
では、どうして中日のチーム防御率が悪いんでしょ。
それは
LOB率が悪いからです。
LOB率とは、残塁率です。
50%なら、半分が塁に残ります。
LOB率のランキングは
広島 75.1%
巨人 74.4%
横浜 68.9%YS 69.8%
阪神 68.5%
中日 67.6%
幾ら諸数値が良くても、中日の場合、ランナーを出すと、途端に崩れるようです。
つまり、今年の中日の場合、四球が得点につながり易い環境にあるわけです。
四球病というより、四球が例年以上に得点に結びつきやすくなった環境にこそ、中日が苦戦している原因の一端があり、
そこを読み解くことこそが、中日の守りの課題を読み解く事につながると思います。
次回、LOB率が、低くなる理由に関し解説し、中日のLOB率が低くなった理由について、考察を進めたいと思います。