日本はコートジボアール、ギリシャと2戦を終え、1引き分け1敗の勝ち点1である。
試合結果はともかく、ザックジャパンの限界を強く感じた試合内容でもあった。
誰もが感じたと思う低調な試合内容。
こんなハズではなかった。
つまりは、日本がやりたかった試合を、コートジボアール、ギリシャ戦で出来なかったのである。
代表を見続けた人なら、気づくと思うが、コートジボアール、ギリシャ戦で露呈した事は、何も今回が初めての経験でなく、代表の課題として突きつけられ続けたものでもあった。
コートジボアール戦は、左サイドの守備である。
日本の良さに対して表裏一体でもあるが、
香川が中央に流れる事で起きる、ポジション移動。
その脆弱性(スペース)をコートジボアールに突かれてしまった格好である。
遠藤を左サイドに配置したのは、ザックの攻めろ(左サイドから)という意思だったと思うが、残念ながら上手く機能しなかったようである。
左サイドから崩され、連続して2点を失った事で、日本のストロングポイントは完全に封じられてしまった。
何も守備的に戦えと言うわけでないのだが、日本の中央は競り合いに弱く、ギリシャと違いサイドをフリーにさせる事ができない。
フリーにした結果、失点したわけである。
もっとも、これを気にしていたら、日本(香川)は攻められないわけだが、そのリスク管理が出来ない事によって香川は前半以上に、沈黙する事となり、そのまま試合終了。
日本自体は、日本のサッカーをしようとしていたのだが、相手がさせてくれなかったわけである。
ギリシャ戦も同じで、日本のクロスは怖くないと喝破された事で試合が終了してしまった。
一人退場する事で、内田が嫌な予感をしたそうだが、まさに、その通りの試合内容だったと思われる。
途中、内田が、大久保がシュートを放ったが、相手DFにコースを塞がれており枠外に飛ぶしかなかった。
FK以外、得点できる空気を感じなかったのは私だけあったろうか?
日本の課題を一言で言えば、競り合いに弱い、その一言に尽きる。
高さがないとも言えるかもしれないが、クロスが有効に機能しないのも、その逆にクロスに弱いのも、同じである。
この問題を、ザックが認識していたかと言うと認識していたわけで、それに対し結局、有効な手を打てなかったわけである。
DFの選び方、FWの選び方。
総てに共通するが、日本の強みの強化に特化していたと思う。
ギリシャ、コートジボアール戦は、その欠点をつかれた事で、日本らしさを消されたわけである。
オランダ、ベルギーと遠征した事で、日本は自信を深めたが、なぜ?、機能したかと言えば、彼らが日本の良さを消さないサッカーをしただけであって、日本戦向けて研究された強豪相手には、日本のサッカーが機能しないとう、実にわかり易い2戦でもあった。
この辺、選手の選択から生じる問題であって、単純に闘莉王を代表に呼べば良かったという話にはならないかもしれない。
対人、ハイボール、ロングフィードに優れる闘莉王だが、スペースを埋めるようなDFには向かない。
チーム作りが間違っていたとは思わないが、しようとして出来なかったわけである。
結果論で言うなら、ザックは批判されて当然だが、それに対し回答出来るような選手がいなかったわけでもある。
結局の所、今の日本のDF陣では、諸外国との比較で弱く、また、攻撃陣も競り合いに強い選手がいない事で密集して防御を固められると、攻め手を失ってしまうという、ただ、それだけなんだろう。
その課題に対し、南アフリカでも回答がなく、直前に守備重視の布陣をする事で、日本はグループリーグの突破を果たした。
そして、ブラジルでは、さらに上を目指し、攻撃に軸足をおいたサッカーをしたわけだ。
勿論、アジアレベルでは、対処できるのだが、さて。。。
次戦は、グループリーグで、唯一、勝ちぬきを決めているコロンビアとの一戦である。
次の試合が中3日である事を考えると、そのまま相手がレギュラーをぶつけてくるかわからないが、左サイドの攻防において日本が優位になれれば、従来の日本サッカーが見れるだろう。
一方、コートジボアール同様、そのバランスが崩れれば、表面上、日本は、何も出来ず敗退したW杯として記憶される事になる。
日本として、それだけはなんとか避けたい所だ。
しようとして出来なかった状況をもって、あの指揮は、選手はと、言うのは、正直、違和感を覚えるが、結果的に出来ない以上、その批判も、甘んじて受けないといけないのかもしれない。
左のスペースを、どうリスク管理するか?
ギリシャのように守りを固めるようなシーンをコロンビア戦に関して、想像し難い為、少なくても勝ち負けは出来そうである。
そのコロンビア戦に勝利し、ギリギリでグループリーグを突破する事で、決勝トーナメント進出をファンとしては願いたい。
ガンバレぇニッポン。