前半戦総括シリーズ ピタゴラス勝率からみた現在位置と雑感

祝横浜1位、という事で、

暫く前半戦の総括です。

各球団の特徴、もしくわ伸び代を見る意味で、

今回、

ピタゴラス勝率にフォーカスしてみたいです。

ピタゴラス勝率とは、

得点と失点からチームの勝率を予測するセイバーメトリクスの計算式です。

数字の性格上、数字が大きくなるほどズレが小さくなります。

試合数が多く総得点600と、試合数が少なく100で計算するのでは、数字の重みが全く違います。

1/600と、1/100で直観できますように得点1点の重みが違ってきます。

本来は、実証結果に一致するように指数を変更したり等して、頻繁に改良されるモノなのですが、今回は、そのままんまです。

以下、

ピタゴラス勝率と、実際の順位です。

1位 広島 311得点 274失点 得失点差 37 予想勝率 .563 実際の勝率.475

2位 巨人 283得点 275失点 得失点差 8       .514      .494

3位 ヤクルト 307得点 299失点 得失点差 8       .513      .482

4位 中日 280得点 297失点 得失点差 -17      .471      .452

5位 横浜 315得点 337失点 得失点差 -22      .466      .500

6位 阪神 269得点 355失点 得失点差 -86      .365      .494

得失点差=チーム力とみてよく、

本来、広島が首位で、阪神が最下位でもおかしくないですが、現実は違います。

さて、どうして、

こんな事になっているのでしょう?

まぁ、皆さん、承知していると思いますが、事は単純で、

阪神は接戦で強く、広島は弱いってだけです。

一点差勝敗でみますと、

阪神はリーグ一位の勝率を誇り16勝11敗。(横浜は2位の16勝14敗)

かたや、広島はリーグ最下位の14勝20敗と負け越しています。

おそらく、2点差以内になるとさらに、広島と、阪神でさらに勝率が開くと思いますが、

接戦に広島さん弱かったです。

SPでみますと、

より状況が分かり易く、

阪神(おまけで横浜)がSP38でリーグ一位に対し(横浜は37でリーグ2位)、広島は18。

非常に分かり易い戦績です。

でわ、なぜ?このような成績になったのでしょう?

お分かりですよね。

はい、セットアッパーの、抑えの、居るや、なしやです。

阪神さんの場合、

先発4本が安定しており、他5,6番手が登板すると勝率が下がり易く、かつ、中継ぎも呉、福原以外、不安定で、勝ちパターンが限られています。

打線も得点力、リーグ最下位ですし、崩れた先発をカバーしきれるような爆発力がありません(今の所、得点力が限られるので接戦でしか勝てない)。

救援防御率4.62と他のチームとの比較(リーグ5位の救援防御率が3.3)で1.3も悪く、先発が降板すると、もう試合を作れません。

5,6番手が登板する試合では非常に分が悪く(5,6番手に限らず先発が早い回で降板する試合は)、大負けする理由です。

負け試合で登板する投手が失点を、さらに重ねているのは、その救援防御率をみて容易に想像できます。

ですが、

呉、福原が居るので、先発が7回程度まで投げれば、勝ち切れると。

一方、呉、福原を除いた救援陣の防御率は5.72です。

試合状況が目に浮かぶようです。

6月中、雨天中止等を上手く利用して先発4人で回していた阪神

連勝していましたが、そんな訳です。

→試合間隔が短くなる連戦で失速する恐れがある。

阪神に伸び代があるとしたら、軸となる先発5,6番手で出現するときでしょうか?

一方、広島、

一時期の混乱、チーム力はあれども、打線に核なく、中継ぎに順番無の状態からは脱却しつつあり、

徐々に良くなって来ています。

攻撃力はリーグ随一ですし、センターラインを固定出来るリーグでも稀有なチームです。

どうみても、強いです。

爆発力は、広島が一番アリますので、形を作れば、あまりに少なすぎるSPも改善する事になるかと。

近年、セで優勝するチームはSP、60を超えて来ます。

SP18が向上し、救援勝利 3勝に対し14敗している状況を改善できれば、上位進出出来るものと考えます。

大分、良い感じになって来ていますが、もう少しでしょうか?

以上、

考えると、

ピタゴラス勝率との差=監督の良し悪しと言うより、チーム事情が大きく作用しているのがわかると思います。

阪神には、勝ちパターンがあった一方で、

広島にはなかった(時期があった)。

かつ、負けパターンとも言える、大量失点パターンが阪神(呉、福原を除いた救援防御率5.7ですので負け試合は、大いに失点します)にはありますが、

救援防御率3.3の広島にはあまりない。

勝ち方を確立出来てないと言う意味で緒方新監督の責任もあるかもですが、

これシーズン前から予測された事態でしたので、

過度に責任を問わないでね。

徐々に形は出来始めています。

後は、皆さん、それぞれの監督を、チームを信じて、応援してあげて下さい。

総てのチームに優勝のチャンスがあるという大混戦。

その混戦を楽しみたいです。

尚、伸び代という意味で大きいのは、

広島、横浜、ヤクルトでしょうか?

横浜は、山口(阪神に似ていますが先発5,6番手が確立すれば)が普通に活躍してくれれば良いですし、

広島は、誰かが抑えてくれるでしょう。

そして、ヤクルト。

相変わらず怪我人ダラケですが、後ろ三本強力ですし、ジリジリ伸びて来そうです。

実は救援防御率2.12でリーグダントツで、勝ち試合を落しません。

怪我人が復帰して、期待されている活躍をすると、強そうですね。