ピタゴラス勝率でみたチーム雑感 2022.0613 

1point02.jp

引用

よく見られるピタゴラス勝率の使い方は、実際のチームの勝率とピタゴラス勝率を比べて、実際の勝率が不自然に高いとそれは偶然の要素が働いている可能性が高いから今後は勝率が下がる(逆に実際の勝率の方が低い場合は上がる)と予測する、というものである。

 

試合ごとの得点と失点のかみ合わせはチームの能力というよりは偶然的な巡り合わせによる部分が大きいためこのような分析は一定程度有効であるが、ピタゴラス勝率は単に得点・失点の結果から統計的に妥当な勝率を計算するものでありそのチームの「真の能力」を示すものではないため、チームの将来を予測する手法としては限界があることに留意が必要である。

引用

ピタゴラス勝率をチームの戦力と考え、実際の勝率との差は監督の能力を表すとする分析も見られるが、このような使用法は適切でないとされている。ピタゴラス勝率自体の高低にも監督の影響は及んでいるはずであるし、監督が同じでもピタゴラス勝率と実際の勝率との乖離には継続性が見られないからである。

 

ピタゴラス勝率ついて

ranzankeikoku.blog.fc2.com

引用

1950年-2014年の間に2年連続して同チームで全試合監督を務めたのべ541人について、
横軸に該当年のPythagenpat勝率+、縦軸に前年のPythagenpat勝率+をプロットしたグラフとなります。

点の散り方を見ると年度間相関がかなり緩く、この指標の再現性はかなり低いと言えます。
これが監督の采配能力を表しているかと言われれば正直なところ疑問符を付けざるを得ません。
言い換えれば「監督の采配のみで接戦を多く制することは難しい」と言えるのではないでしょうか。

 

この接戦を多く制するに関係するのが中継ぎです。

ここが狂うとピタゴラス勝利率と実際の勝率で乖離が生じ易いです。

広島寸評で

aaakkkaaa.hatenablog.com

引用

広島さんは・・・

打撃編で書いている通りです。

現実路線にシフトしているのが成功しているのか昔のように無理に投手を引っ張らなくなりました。

後は8回の投手を準備出来れば戦力の割に勝てるチームとなりそうです。

ピタゴラス勝率でみると違った数字みえてくるかもです

と書いてましたので

その補足記事です。

 

近年、WARにおける中継ぎのポジション補正が見直されていますが

ミドルセットアッパー、セットアッパー、抑え、所謂勝利の方程式が機能してないと戦力の割に勝てないケースが多くピタゴラス勝率も悪くなり易いです。

 

中継ぎ整備能力が問われる分野でもあります。

先の記事で2013年横浜は歴代最高の数字を中畑さん挙げていますが

接戦に弱くピタゴラスで大きなマイナスを記録しています

 

接戦に弱いを監督采配起因にするのか?はいろいろ解釈ありますが

中継ぎ崩壊すると再整備するのが大変かつ、崩壊時の数字がシーズン最後まで影響する事(挽回が難しい)でピタゴラス勝率と監督個人の相関が弱い原因になっていると自分自身は解釈しています。

 

試合数少ないく揺らぎ多い点に注意しつつ、あくまで62試合程度でみた結果ですが以下の通りになります。

 

1位 ヤクルト 得点244 失点195 実際の勝率.656 ピタゴラス勝率.610

2位 巨人 得点250 失点272 実際の勝率.537 ピタゴラス勝率.457

3位 広島 得点235 失点227 実際の勝率.484 ピタゴラス勝率.517

4位 阪神 得点206 失点185 実際の勝率.453 ピタゴラス勝率.554

5位 横浜 得点198 失点243 実際の勝率.448 ピタゴラス勝率.399

6位 中日 得点188 失点236 実際の勝率.435 ピタゴラス勝率.388

 

っとなります。

チームOPS、被OPSで観たチーム分析と違う結果になりますが

チーム采配などで期待得失点を悪くしていたとしてもピタゴラス関係ないんですよね。

 

昨年のように打てない2番を起用して得点少なくても

進塁打至上主義に陥りランナー一塁になると窮屈な打撃して打てなくても

効率良いとも言えない部分がある1番佐野でも

効果的でない犠打や盗塁死多くても

 

その非効率な結果もたらされる得点(もしくは失点)を基に計算される為、上記のような結果になります。

 

この数字をみて評価するとしたら中継ぎ整備度です

横浜も中日も継投がまずまず機能してまして試合勝ち切っています。

 

逆にチームOPS、チーム被OPSの割に得失点の良い広島さんが8回の投手運用が確定できなかった事でマイナス評価になっていますが

そんな感じです。

チームOPS-チーム被OPSで広島さんはリーグ最低の数字を記録しており、その差分は-0.033

横浜が同数字で-0.008

どちらがチームとして強いかは横浜です。

出力(インプット)でみると横浜は強いですが

アウトプットでみると広島が結果(チーム成績の割に得失点が良い)を出しており

 

結果、皮肉な事にピタゴラスでみるとマイナス評価。

じゃー、ピタゴラスの割に数字悪いから伸びしろあるのって言われると

チーム成績から見える得失点でみたとき伸びしろが乏しくチーム総出力(インプット)が宜しくないですから

良くなるように見えない。

むしろ少ない機会で得点奪えていた高い得点圏打率が維持できなくなる可能性が高く得点効率が下がる事で最終的にピタゴラス(得失点効率が悪くなる)と数字が一致しそうな感じです。

 

状態が上がるようには思えません。

 

思えませんが広島さんと極めて相性の良い横浜の存在がある事で

また別の解釈がありリーグ戦再開すると対横浜で広島さんが息を吹き返す可能性があるのは先の記事で書いている通りです。

 

 

阪神さんも同数字で非常に宜しくないですが

これはシーズン序盤における中継ぎの混乱が原因です

接戦で勝ちきれませんでした。

阪神さん3,4月に救援で7敗(5月は4敗)していますがこの負け多いです。

ヤクルトさんが3.4月3敗、5月が2敗、6月が0敗。計5敗。

阪神さんひと月の攻防で喫した救援負けをヤクルトさんは3か月経ても尚超えていません。

 

これ横浜ですと

3,4月が4敗、5月が2敗、6月が1敗と横浜が3か月かけて喫した救援敗と同数を阪神さんほぼ一月で記録しています。

この中継ぎの混乱をスアレス流出に伴う様々な混乱を矢野監督納めてます。

その中継だけでなく先発も打線も状態挙げており

この一事をもって私、矢野さんプラス評価したいのです。

大したもんだなァっと。

 

ピタゴラス勝率の割に勝てなかったと言うより良く立て直したという評価です。

シーズン中の中継ぎ再配置、結構苦戦し易いです。

難しい故に

監督とピタゴラス勝率相関し難い原因と考えています。

その時の勝利の方程式を構築するに相応しい投手が居るのか?という編成起因もありますが

再構築する過程で探す作業を通じてどうしても試合勝敗悪くしますからかなりきついです。

ある程度手順踏まないとチーム混乱し易いのもありますかね。

序盤ダメだからと実績ある4番を外せるかというか難しい場合多いですが

同じ感じです。

 

このピタゴラス勝率で21年の阪神矢野監督はリーグ最高を記録していますが

監督相関弱いので今年のような結果になっています。

そして立て直しが選手起因に準ずるのでなかなか戻らない。

戻らないから

引用「監督の采配のみで接戦を多く制することは難しい」

面もあります。

まぁ稀にいるのですが接戦に強い監督さん。

高津監督など実に上手く差配しています。

因みに昨年の高津監督のピタゴラス良いとは言えません。

高津ヤクルトも21年は抑え変更していますが抑えを変えるというのは大変な作業です。

参考記事

aaakkkaaa.hatenablog.com

引用

実際とピタゴラス勝率の乖離x143試合

1位 ヤクルト +0.5勝

2位 阪神 +6.8勝

3位 巨人 -2.0勝

4位 広島 +1.2勝

5位 中日 +2.7勝

6位 横浜 -2.9勝

となります。

ヤクルトさんが+0.5勝になってる原因は21年序盤の抑えの混乱。

そしてチーム成績の割に得失点が良い事による底上げの結果ピタゴラスでみるとわずかなプラスにしかならないのは皮肉な結果です。

 

この接戦に弱いという事象に関し監督責任に帰すには

個別にダメな理由を積み上げていくことが必要になります。

 

○○という理由でダメだ、実際数字の割に勝ててない。得点も奪えてないなら推論の補強になり得ますが

 

○○と言う理由でダメだに相当する9番野手はダメだ。(個別事例の説明として的を得ているように感じる

でも得点増えてるだと意味不明になり易いです。

baseballgate.jp

引用

生還率と理論生還率のギャップを見てみると、DeNAはリーグトップであることが分かる。つまり、走者が効率よく生還している、ということになる。

でして

非効率を証明しているわけではないのですよね。

マスデータで非効率である。

個別データでもダメ。

こういうケースがあるから、そうなのでは?推論してありなのですが

この辺の論理性の欠如がNPBの解説者に多いでしょうか?

 

因みにチームOPSと期待される得点で当時のラミレス横浜は歴代6位の効率性に相当する+26点を記録しています。

8番投手、9番野手が常に良いとは言いませんが。

打線バランス、リズムを考えた時、当時の横浜には投手8番マッチしていたと言えます。

 

先の横浜寸評で横浜の打線効率は宜しくない。

その原因は佐野1番にもある。

彼の生還率を著しく下げていると評していましたが

そんな論建てで現在の課題を詳らかにしています。

ただ

個人的にはオースティン復帰すると打線バランス自然に戻ると思いますから良化予想なのですよね。

昨年ほどベンチみて選手も野球していません。

 

 

横浜強いです。

実際、出力が改善気味です。(インプット)

 

この逆の解釈が成り立つのが中日さん。

非常に宜しくなく感じています。

感じていたから5月中(交流戦前)に自壊しそうと記事で書いています。

現在中日さんはピタゴラス勝率の割に勝っていますが

この数字が収束するだろうという乱暴な推論でも結論同じになりそうです。(中日さん抑えが良いのでこのままかもですが

全体的に低調になりそう傾向で

中日さんの場合、立て直すの大変そうなんですよね。

私の予想が外れるのか当たるのかわかりませんが

見立て的には今年で済まない混乱期の助走にも感じています。

 

一方、横浜ですが

数字の素性が良い。良くなりそう。

 

横浜強いのですが・・・

aaakkkaaa.hatenablog.com

埋まりそうもないとも感じてまして(先の記事でも書いてますが)

で、やっぱり埋まらなかったと。

未だシーズン半ばですから埋まらないと言うのは早計ですが

現時点の数字を見る範囲では埋まってなく。

対ヤクルト戦他でコテンパにされています。アウトプットでこんなマイナスを記録するとは思いもよりませんでした。

昨年の経緯があるので多少緩和されると期待していたのですが見込み甘かったです。

現時点評価では昨年より悪化しています。

 

参考記事

優勝への試金石、対ヤクルト戦 その歴史を振り返りつつ今をみる - 所持雑感

 

二年連続でヤクルト戦負け越しそうですが

二年連続やられるのはいつ以来ですかね。

2013年頃からやってやられての関係性でしたが

 

このピタゴラスに関係する中継ぎバランスとチームOPS、被OPSの状態との乖離(チームバランス←これを整えるのが上手かったのがラミレスで盛んにチームをいじっています)、

総出力に相当するチームOPS、被OPSが良くなるか否かでみています。

 

インプットに相当する総出力という意味で横浜良化するとみています。

アウトプットが今一ですが(得失点)

総出力高い方が良いのは間違いなく、このバランスの悪さが修正され易いか否かも着目点でしょうか?

 

横浜の場合、修正し易いとみているのでチーム状態あがるとみています。

だから交流戦で勝てるとみていたのですが

もう少しなんですよね。

佐野1番も含めてですが勢いに乗り切れていません。

乗り切れていませんが昨年と違い勝ちきれてる試合もある。

結果、ピタゴラス勝率より実際の勝率が良いわけです。

 

昨年はピタゴラスも含めマイナスを記録していましたが

この点はチームの成長と解しています。

 

後はチーム成績の割に得失点良化させれれば何ですが現状の推移をみると来期以降の宿題になるんですかね。

 

どちらにしろ選手コンディションが悪化するかもしれない危惧ありつつも暫く昇り調子のハズですから

期待して見守りたいです。

流石に優勝は諦めました。

残り試合数とゲーム差、そしてヤクルトさんのコンディションケア。

隙が無さ過ぎて、相当な何かがないと難しく感じています。

 

それでも

瞬間風速で横浜強いを感じる場面があるとみています。

そのポテンシャルの一端を感じる、感じれる事を楽しみに、その時を待ちたいです。

コンディション維持に疑念あり瞬間風速で終わる懸念もありますが

チームの最大ポテンシャルを私は観たく期待しています。

 

最後、チームOPSと被OPSの差分をみて交流戦終えての状況分析〆たいと思います。

重なる部分多いですが御容赦を。