2015年、山口寸評

今年、横浜で最大の誤算と言いましたら、

強化したハズだった守備(チームDER3位→リーグ最下位)と、規定投球回数リーグで唯一0の先発投手陣の不振でしょうか?

守備が悪いから、先発投手も不振に陥ったと考えても良いですが、

実際の所はわかりません。

取りあえず、個別に数値を取り上げて、分析して行きたいと思います。

山口に関しては昨年、二軍落ち寸前(先発転向する前)に記事を書いています。

横浜の四球病 山口君の場合

リリーフ、山口は、

スライダーの威力が低下するにつれ、成績を悪くし、球種別被打率で、スライダーが機能しなくなったことで、当時、二軍に落ちています。

近年、NPBでも、スライダー投手全般が苦労していますが、

MLBと同様、打者が対応し始めています。(ように感じる)

過去、カーブが淘汰されたように、スライダーも、求められるレベルが高くなって来ているように感じます。

最近は、スライダーもカーブに近い扱いになっているようで、意識せずに打ちに行っているようです。

勿論、レベルの違うスライダーは意識しないと打てないかもですが、

ストレートと同じタイミングで待っちゃうようなんですね。

そんなわけで、二軍に落ちています。

復帰後の山口の素晴らしさは、ご存じだと思いますが、

何が違うかと言うと、

意識の違いでしょうか?

三振を狙った投球(空振りを狙った投球)から、打たせる投球へとシフトチェンジしています。

それまで山口が主戦場としていた、抑えは、

相手のバットにかすらせない事も大事なポジションでした。

ですが、先発は違います。

それが大成功したわけですね。

そこで、威力を発揮したのが、ツーシム(降格前は投げませんでした。その意味でカーブもですが)とスライダーの組み合わせ。

成績低下のトリガーとなったと思われるスライダーの空振り率は、そのままに、スライダー被打率が1.00→0.229と大きく良化させています。

降格前は力み過ぎて四球を連発していましたが、それもなくなり、被打率と言う意味でみますと、総ての球種で良化しています。

リリーフでは投げなかったカーブも、投げていましたし、ストレートを軸に上手く打たせていました。

さて、

問題は今年です。

原因 1 ツーシムが打たれるようになった

昨年、被打率.227だったツーシムが被打率.350と打たれています。

結果、山口、ツーシムを投げなくなっちゃいました。

原因 2 ツーシムが有効に機能しないのでスライダーも打たれるようになった

被打率.229→.316

原因 3 自分を見失った?

月別で見ますと、交流戦に入った所でボロボロになっています。

後は、お決まりのコースで一軍で立て直す事かなわず、急激に、その質を悪化させ、二軍へ降格しています。

どういうプロセスで、

昨年復活したのか、信じきれないのか、中途半端な投球が目立ちました。

打たせてとる投球で活躍出来たのに、三振を狙う投球に戻っており、奪三振率が昨年の6.97→9.37と三振が増えてしまっています。

残塁率(LOB率)を見ると、ランナー出た途端に成績が悪くなる子なので、

メンタル?と言いたくなるのですが、

被打率の割に防御率の悪い投手です。

今年も、出したランナーの32%(LOB率で68%)を山口の場合、本塁に還しています。

この数字自体、昨年と変わらず、被打率、奪三振率を考えると(その実力を考えると)、いつもの事ながら、非常に低調に感じます。

アウト奪取力があるのに、ランナー出すと崩れ易い。

セのリーグ平均LOB率、75%を超えていましたが、

もし、山口が、リーグ平均並みのLOB率とするなら、

今年の成績でも防御率3.33です。

結果でしか、自分を図れず、結果のみを問われ続けての末路です。

若年層からの教育の問題もあると思いますので、そのパラダイムシフトの転換容易でないと思いますが、

プロセスを評価された経験がないと、こうなり易いようなんですよね。

三振をとる従来の投球をするには、

ストレート以外に軸となる変化球がないと厳しいです。(理想は、小魔神のツーシムのようなストライクゾーンで空振りのとれる変化球)

現状、山口のスライダーは、

そう言うレベルにありませんし、ないのは明白です。

昨年に立ち返り、打たれてもツーシムを投げる事が大事と思います。

ツーシムとスライダーを活かす配球が求められます。

結果、山口の持ち味であるストレートが活きてくる。

あまり、配球がぁ、配球がぁ、と言いたくないのですが・・・そう言わざる終えないです。(即復活して貰うには)

来年に関しては、

木塚コーチが一軍に戻って来ますので、

メンタル論で、

「お前は出来るんだぁ」連呼で、お願いします。

自分を信じろでしょうか?

安っぽいポジティブシンキング嫌いなのですが、山口君の場合、それが一番効きそうです。

ビリーさんでも呼びますか?

もしくわ、トヨタ改善方式の研修にでも行けばいいと思います。

結論、

山口に関しては、沢村賞を、いつ受賞してもおかしくない投手と思っています。

横浜が優勝するとしたら、この子がリーグを代表する投手にならないとダメです。

育成がダメだった横浜にとって、シンボリックな投手でもあり、この子を一人前にする事で過去との決別をお願いします。

一流の選手ですと、技量ありますので、

メンタル7割、コンディション3割だそうですが、それに相応しい実力があると思っています。

(横浜LOVERSさんの受け売りです)

ガンバって下さい。

最後に、来年の成績を妄想。

防御率2.5、15勝5敗(欲を言えば20勝3敗)、MVP。

ヤクルトに引き続き、最下位からの逆襲を期待しています。