今年、横浜で最大の誤算と言いましたら、
強化したハズだった守備(チームDER3位→リーグ最下位)と、規定投球回数リーグで唯一0の先発投手陣の不振でしょうか?
守備が悪いから、先発投手も不振に陥ったと考えても良いですが、
実際の所はわかりません。
取りあえず、個別に数値を取り上げて、分析して行きたいと思います。
山口に関しては昨年、二軍落ち寸前(先発転向する前)に記事を書いています。
横浜の四球病 山口君の場合
リリーフ、山口は、
スライダーの威力が低下するにつれ、成績を悪くし、球種別被打率で、スライダーが機能しなくなったことで、当時、二軍に落ちています。
近年、NPBでも、スライダー投手全般が苦労していますが、
MLBと同様、打者が対応し始めています。(ように感じる)
過去、カーブが淘汰されたように、スライダーも、求められるレベルが高くなって来ているように感じます。
最近は、スライダーもカーブに近い扱いになっているようで、意識せずに打ちに行っているようです。
勿論、レベルの違うスライダーは意識しないと打てないかもですが、
ストレートと同じタイミングで待っちゃうようなんですね。
そんなわけで、二軍に落ちています。
復帰後の山口の素晴らしさは、ご存じだと思いますが、
何が違うかと言うと、
意識の違いでしょうか?
三振を狙った投球(空振りを狙った投球)から、打たせる投球へとシフトチェンジしています。
それまで山口が主戦場としていた、抑えは、
相手のバットにかすらせない事も大事なポジションでした。
ですが、先発は違います。
それが大成功したわけですね。
そこで、威力を発揮したのが、ツーシム(降格前は投げませんでした。その意味でカーブもですが)とスライダーの組み合わせ。
成績低下のトリガーとなったと思われるスライダーの空振り率は、そのままに、スライダー被打率が1.00→0.229と大きく良化させています。
降格前は力み過ぎて四球を連発していましたが、それもなくなり、被打率と言う意味でみますと、総ての球種で良化しています。
リリーフでは投げなかったカーブも、投げていましたし、ストレートを軸に上手く打たせていました。
さて、
問題は今年です。
原因 1 ツーシムが打たれるようになった
昨年、被打率.227だったツーシムが被打率.350と打たれています。
結果、山口、ツーシムを投げなくなっちゃいました。
原因 2 ツーシムが有効に機能しないのでスライダーも打たれるようになった
被打率.229→.316
原因 3 自分を見失った?
月別で見ますと、交流戦に入った所でボロボロになっています。
後は、お決まりのコースで一軍で立て直す事かなわず、急激に、その質を悪化させ、二軍へ降格しています。
どういうプロセスで、
昨年復活したのか、信じきれないのか、中途半端な投球が目立ちました。
打たせてとる投球で活躍出来たのに、三振を狙う投球に戻っており、奪三振率が昨年の6.97→9.37と三振が増えてしまっています。
残塁率(LOB率)を見ると、ランナー出た途端に成績が悪くなる子なので、
メンタル?と言いたくなるのですが、
被打率の割に防御率の悪い投手です。
今年も、出したランナーの32%(LOB率で68%)を山口の場合、本塁に還しています。
この数字自体、昨年と変わらず、被打率、奪三振率を考えると(その実力を考えると)、いつもの事ながら、非常に低調に感じます。
アウト奪取力があるのに、ランナー出すと崩れ易い。
セのリーグ平均LOB率、75%を超えていましたが、
もし、山口が、リーグ平均並みのLOB率とするなら、
今年の成績でも防御率3.33です。
結果でしか、自分を図れず、結果のみを問われ続けての末路です。
若年層からの教育の問題もあると思いますので、そのパラダイムシフトの転換容易でないと思いますが、
プロセスを評価された経験がないと、こうなり易いようなんですよね。
三振をとる従来の投球をするには、
ストレート以外に軸となる変化球がないと厳しいです。(理想は、小魔神のツーシムのようなストライクゾーンで空振りのとれる変化球)
現状、山口のスライダーは、
そう言うレベルにありませんし、ないのは明白です。
昨年に立ち返り、打たれてもツーシムを投げる事が大事と思います。
ツーシムとスライダーを活かす配球が求められます。
結果、山口の持ち味であるストレートが活きてくる。
あまり、配球がぁ、配球がぁ、と言いたくないのですが・・・そう言わざる終えないです。(即復活して貰うには)
来年に関しては、
木塚コーチが一軍に戻って来ますので、
メンタル論で、
「お前は出来るんだぁ」連呼で、お願いします。
自分を信じろでしょうか?
安っぽいポジティブシンキング嫌いなのですが、山口君の場合、それが一番効きそうです。
ビリーさんでも呼びますか?
もしくわ、トヨタ改善方式の研修にでも行けばいいと思います。
結論、
山口に関しては、沢村賞を、いつ受賞してもおかしくない投手と思っています。
横浜が優勝するとしたら、この子がリーグを代表する投手にならないとダメです。
育成がダメだった横浜にとって、シンボリックな投手でもあり、この子を一人前にする事で過去との決別をお願いします。
一流の選手ですと、技量ありますので、
メンタル7割、コンディション3割だそうですが、それに相応しい実力があると思っています。
(横浜LOVERSさんの受け売りです)
ガンバって下さい。
最後に、来年の成績を妄想。
防御率2.5、15勝5敗(欲を言えば20勝3敗)、MVP。
ヤクルトに引き続き、最下位からの逆襲を期待しています。