素の力で言うと、リーグ最上位の球威を誇り、
球界のエースと呼ばれても、何ら驚きを覚えない山口なのだが、
このところ、低調な投球が続いている。
往々にして、
技術不足が原因で打たれる(打てない)投手が多いなか、この山口だけは、そのメンタルを意識してしまう。
先頭打者をエラーで出塁させた場合と、四球で出塁させた場合で、その得点確率は変わらないが、
(高校野球レベルでは影響が強いと思う。プロは動揺しない。巨人が好例。)
事、
この投手に関しては、そういうオカルトを信じてしまいそうな部分がある。
勝っていた試合でも、
突然、ガタガタと崩れるのだ。
横浜の場合、捕手(だけでなく他の選手も)も、一緒にキレると言うか、混乱するときもあるので、山口だけの責任ではないのだが、どうにも脆く感じる。
さて、
そんな山口だが、
負のスパイラルに嵌ってしまった感がある。
相変わらず、
ストレートは素晴らしい(最近は、その球威すら怪しくバラつき始めている所感も覚えるが)のだが、
ストライクゾーンで勝負できる変化球がない。
山崎が活躍できるのは、ストライクゾーンで勝負できるツーシムと直球の二種があるおかげで優位に戦えるのであり、
一方、山口には、現状、ストレートのみ。
持ち球は、ストレート50%に、スライダー17%、フォーク20%(振らせるフォークなので被打率自体は低い)
に、
カーブ被打率シュートだが、
ストレート単体だけだと苦しい場合が多い。
スライダー 被打率.321が昨年なみの.229程度(他の変化球も、去年打たれなかったが)にならないと、昨年のような活躍は出来ないかもしれない。
去年との比較で、
その変化球のキレは、どうだったかと言うと、
変化球のキレ(空振り率は変わらず、被打率だけが低い)と言う意味では変わってなく、
・・・・
メンタル云々、関係なく難しいような部分も感じ始めたが、
昨年の山口の分析記事に書いているように、
横浜の四球病 山口君の場合
抑えとして山口が機能しなくなったのは、
このスライダーの空振り率が年々低下した事で、成績を低下させていたわけで、
その結果、先発になり、
ある程度、成績上、立て直したのだが、そのスライダーのキレ自体は先発復帰後も回復してない。(今日、調べるまで気づかなかった)
空振り率は同じだが、被打率が違う原因に対する考察
空振り率が低く、キレがないのは、数字上、明確。
ストライクゾーンで勝負できる球でなく、使い方的にはボール球でひっかけさせるような使い方が去年の好調時。
今年はストライクゾーンに投げているのだろう?
では、なぜ?そんな変化球をストライクゾーンに投げるのかと言うと。。。
ストレートのコントロールが全般的に甘い・・・
分析記事を書いていて思ったのだが、確かにストレートの制球が甘く、際どいというより、棒球か、大きく外れるかのどちらかの印象である。
これが、
開幕当初、厳しい所にコントロールされてストライクをとれており、
結果、キレのない、変化球で逃げる方向(ストライクゾーンに投げる必要がない)で勝負できていたのだが、
今は、それが出来ず、
場合によると、スライダーでカウント(もしくわ他の球で)をとりにいかなくてはならない。
ストレート空振り率も昨年の6%→8%と上昇しており、力んで投げている様相を覚えるが、
勿体ない・・・
もし、山口が、今日、好投するとしたら、ストレートのコントロール次第だろう。
しかし、勿体ない。
他に軸となる球種があれば、誤魔化せるのだが、
ストレートだけだと、どうにも苦しい。
ここが正念場だろうか?
山口に関してはメンタルなんだろうか?
良くわからない。
もっとも、ストレートの制球が定まらないのだから、技術的な問題と言っても良い部分がある。
しかし、
今のストレート空振り率を見ると、昨年の悪い時と同様、力いっぱい投げ込んでいる感触を覚え、その結果、制球が定まらないという負のスパイラルを覚える。
球威とコントロールはトレードOFFする部分もあり、
打たれた事で、
この辺の、いい塩梅を調整出来ていない結果(見失う)、そのポテンシャルを活かしきれてない可能性も覚えるが、
そう考えられてしまう部分でメンタル面を考えてしまう。
本質は技術論なのだが山口に関しては素が良いので、メンタル面を、どうしても疑ってしまう。
と言うより、自分の期待し、実力を認めた山口が打たれると、
その実力不足(技量不足)でなく、メンタルに逃げたくなるのかもしれない。
本当は、他に球種があるか、スライダーのキレが良くなれば(通用するようになれば)良いのだが、
ストレート単体で勝負できる稀有な投手だけに、
つい、
そう評してしまう。
実際、
ある日、突然勝ちだす部分も覚え、戸惑う部分もあるが、
横浜が踏みとどまる為にもガンバって欲しい。
山口のような本格派が苦手な阪神打線に打ち込まれるようだと、
かなり苦しく感じる。
やはり、
正念場だ。
山口が計算できるか、どうかで今後の展開が違ってみえるが、横浜にとっても正念場である。
頑張れ山口。
スライダー投手受難時代?
近年、スライダーを軸に投げる投手が苦戦しています。
理由は、林投手の記事で書いている通りです。
全般的に求められるスライダーのレベルが上がったと考えるのが自然なようであり(MLB化している)、
その部分で山口は苦労しています。
その対応で、
チェンジアップの習得等に励んでいるのは承知していますが、
ストレート(だけ)を軸に勝負できちゃう稀有な投手なので、なかなか、その先に行けません。
昨年の成績見ての通りです。
改めて山口の凄さと、脆さを再認識しました。
ファン的には複雑です。
しかし、山口は、凄い投手です。
その潜在能力の高さにビックリです。
まさか、ストレートだけで、昨年の成績を出していたとは(フォークは振らせるボールなのでカウントしていません)。
成績良すぎると、案外、詳細見ないもんですね。