2015年 巨人総括 新成

他チームの総括記事です。

2015 中日総括 誤算、いや計画通り?総ては2017年に向けて?

2015 広島総括 優勝候補と目されて

2015 阪神総括 未来へむけて

阪神さんの総括記事を書いてから、かなり間が空いてしまいましたが、続きです。

阪神さんの場合、大転換(基礎戦力でみてもリーグ最下位にまで落ち込みました)と評しましたが、

巨人さんの場合、確たるベース(坂本の内野守備力が健在)を基に変えて行く方なので、ニュアンスが違うと言いますか、

高橋新監督の場合、ベースがあるチーム建て直し、リフォームする難しさを覚え、

一方で、

金本新監督の場合、新規建て直しに近く、最初から思い切った事が出来き(球団も、それを許すような体制になっていると感じます。)、

その点において対照的な船出とも感じます。

もっとも、

チームを一からチームを把握する必要がある金本新監督(場合によると設計図から始めないといけない)と、これまでの経緯を知っている高橋新監督とでは、おかれた環境違いますし、その環境を考えると、両球団伴に、現時点でベストと感じる監督選びだったかもしれません。

(高橋の引退経緯を考えますと、気の毒とは感じましたが、今の巨人にとって天の配剤的な人かもしれません。)

さて、

2012年圧倒的な戦力を誇り、独走した巨人でしたが、

2013年には陰りが見えはじめ、

原監督も世代交代を意識した采配を奮っていたのですが、終に2015年、チャンピオンフラッグを逃しています。

自分の書いた過去、記事読むと面白いですね。

フロントも、監督も、今を予期して、対応していたのですが、対応しきれませんでした。

危機の根底は、

2013年の9月、10月、日本シリーズがトリガーとなっていると思います。

あの時の苦戦が、通年になってしまいました。

対戦チームによっては、阿部を抑えられますと、2013年ですら、苦戦して居ましたので(しかも、打者有利な神宮で)、

苦戦の予感は十分漂っていました。

(昔の澤村の分析記事にて書いていますが)

そんな巨人の戦力推移です。

グラフは、RCWINとRSWINの合算値です。

総合はチーム総てを、

基礎戦力は、総合から、外国人とFA選手を抜いています。

数字的な意味合いで言いますと、総合値で

+20を超えますと、独走首位で走り抜けた、2012年の巨人になります。

+15程度ですと、2013年の巨人。並のチームでは歯がたちません。

+5超えですと、2014年、2015年の巨人並びに2015年のヤクルト、そして2014、2015年の広島となります。

+5程度で優勝するには、混戦が必須です。

今年は、戦力比でみますと、広島、巨人、ヤクルトが僅差でせめぎあっています。

(昨年は広島と巨人)

2015年、阪神総括記事にも書きましたが、

優勝するにも、Aクラス進出するにも、日本の場合、MLBと違って、補強手段が限られていますので、基礎戦力がある程度ないと、厳しい場合が多いです。

選手移動がMLBと違って限られている日本の場合、ある程度の基礎戦力がないと優勝が覚束ないです。

目途的に基礎戦力+5ぐらいないと、そのマイナスを補え切れないと言いますか、143試合を戦うには戦力不足になり易いです。

阪神さんが、控えとレギュラーで、差があり過ぎた事で最終的に優勝を逃しましたが、まずは控えも含む全体的な戦力、FA、外人以外で、核に成りえる生え抜き選手が居る事で、優勝候補となりえます。

2012年の巨人が凄かったのは、その基礎戦力のみでも、他チームを圧倒しており、それを補うような形で、さらにFA、外国人が居ると言う最強の布陣だった事です。

そんな巨人の戦力が低下し始めた原因は、野手陣・・・

ファンの方も、承知しているとは思いますが、2012年との比較で、生え抜きの選手の打撃力が低下してしまっています。

2012年との比較で、大きく成績を低下しているのは、坂・長。

各球団の厳しいマークにあったとみています。

長野に関しては、今年、分析記事を書いていますが、いやはや。。。

今年、菊丸が苦戦しましたが、それに近い感じでしょうか?

近年、データ野球がより、進化したというか、野村ID時代とは比較にならないデータ量で、相手を分析しているようです。

動画解析の精度が上がっているのかもしれませんね。

データだけで見た長野の課題について雑感

MLBも、似た傾向があるそうで、

よりNPBの方がマニアックに進化しているようです。(っと思っています)

打者、受難の時代へ、その予感と。 その他、雑感ツラツラ 主に谷繁

そんな洗礼を、

巨人は、強い故に、受けていたわけです。

おそらく、

坂・長のような伸び悩み、停滞、以前のプロ野球ではなかったと思いますが、本当により厳しい世界になったと感じます。

(その影響でストイックな選手が増えました)

坂・長の成績自体、優秀な部類ですし、本来、褒めるべき水準(特に坂本の守備は秀逸です。居なくなって初めて気づくのかもですが、未だ評価低いですね)なのですが、

彼らが物足りなく感じてしまうのは、今年、厳しく批判された菊丸に通じるかもしれません。

そんな巨人ですが、

阿部。

この人の成績低下は、主に体の問題なので、万全なら打てるのですが、さて、どうなんでしょうね。

セでは少なくなった相手の投手配球意図を読み切って打つバッターです。

待ち構えている所に投げさせるような空気、風格を持ちますが(落合とか、昔の強打者は、駆け引きの結果、投げる所がなくなって・・・。そんな感じがありました。)、

一時、体調不良もあって、待ち構えていた所にボールが来ても打てなかったのですが、

捕手から一塁に移動して、体調が良くなったのか、シーズン後半は、読み切ったボールに関して、スタンドインしていました。

そんな大打者です。

この人を、どう扱うかで、来年の巨人は変わります。

WARで見ますと、一塁阿部と捕手阿部では、その利得が大きく違います。

昨年、2.9だったWARが、今年、マイナスですので、阿部が昨年並みの成績で、捕手をやっていれば巨人リーグ優勝していた可能性が高いと思っています。

差引、3,4勝分は大きいです。

結局、未だ、巨人は阿部のチームかもですね。

優勝する事だけを考えるなら、阿部を捕手で起用し、その圧倒的な打撃と、経験値(配球面も含む)を使い切った方が良いという事なんでしょう。

オフの補強をみると、阿部を一塁で起用する感じに見えませんし(監督自身も、その方向で考えているようですが)、

阿部を休ませながら起用する事で、

全体的な世代交代を進めるつもりなのかもしれません。

クルーズと、脇谷という一見すると役割の被る選手を獲得している所に、その意図を感じます。

軸と期待しているのは、坂本だけかもしれません。

後は、競争を通じ、ポジションを固定して行く。

そんな感じかもです。

一方、投手に関しても、

以前との比較で、全体的に落ちてはいるのですが、澤村、菅野という不動の軸がありますので(一方でスコット鉄太郎が三人とも、来シーズン消える恐れもありますが)、何となくは戦えそうに感じてます。

全体的に、来年も、今シーズン以上に混戦模様ですし、

阿部次第で、巨人は優勝出来るような気がします。

最も、阿部が打てなくても、試合に出れなくても、

優勝出来るだけの戦力あるので、そんな事はないのですが、

なぜか?

その存在感の大きさ故に、そう感じてしまいます。

尚、

個人的に気になるのが、

次世代の野手が育ってない事でしょうか?

巨人さんの場合、手取り足取り、キメの細かい指導をしているように感じますが。。。

教え過ぎていませんかね。

日本ハム黄金期が生み出したもの。

出身コーチに共通する指導姿勢とは?

結果を要求され過ぎると、右投げ左打ちのようになってしまうのですが

左打者が多すぎる。

勝利至上主義の弊害

巨人さんの場合、なんとなく対応し始めているような気はしていますが、さて、どんな感じになりますでしょうか?

その思考錯誤に期待です。