広島本部長発言から感じた違和感と、広島の評価を下げた理由

前記事で、2016年広島の可能性を記述しました。

可能性を感じる広島ですが、

反面、チームを引っ張るべく30代前後の主力野手選手が不在で、

チームが苦しくなると、混乱が長引く傾向にあると感じてます。

ヤクルトで言う、川端、畠山のような主力野手が不在です。

若いチームとは、そう言う傾向があります。(経験がなく、引き出しがないので当たり前なのですが)

2014年、横浜が序盤苦しんだ際、それを救ったのは、中村ノリヒロという4番です。

2015年、広島を救ったのも、新井。

チームの調子が悪くなった時、その空気を変えてくれる人が、強いチームには多数、居る場合が多いです。

その面で、広島は手薄だったかもしれません。

もっとも、

菊丸他が経験を踏むに従い、そう言った若さも、解消傾向なのですが、

未だ残っている気がします。

その原因を読み解くと、

形のありやなしや。

横浜の場合、筒香、お願いしますという打線の核(圧倒的な個、ヤクルト野村監督で言う4番)と、苦しくても最後は山崎という、必勝の形があります。

ファンも、それを期待しているので、球場の空気変わります。

相手も、やり辛いでしょうね。

形がありますと、選手個々は、そこに向けて準備して行きます。

気持ちが一致しやすく、力を出し易いです。

後ろの形が決まっていると、中継ぎ陣も準備し易いですが、そんな感じです。

野球とは準備のスポーツと思いますが、

その必勝の形に向けて、チーム全体が準備していくと、より力を発揮しやすいです。

その形を作り易くしてくれるのが試合で主力として出ている30歳代前後の試合経験豊富なベテランである場合が多く、

かつ、形が壊れても、見失わせないようにするのが、そんな選手達です。

形がなく見失うと、2014年の4月の横浜のように無残なチームになります。

チームがバラバラになり空中分解しかねます。

広島の場合、必勝の形が作れず、ない故に、戦力の割に勝てなかったと見ています。

2015年、その面で苦戦しています。

OB前田が、一時期の広島を指してプレッシャーに負けていると精神論で語っていましたが、それは、その時期、勝ち方を見失っていたからです。

広島に覇気がない理由の考察と、横浜

一方で、勝ち方がわかっていると、ヤクルトのように、頑張れます。

ヤクルトが優勝できたのは、その必勝の形があったからで、

これは阪神も同様です。

さて、

そんな広島に対し、

そのチームの責任者の一人が、現場リーダーに対し、投げかけたコトバですが、

カープ】本部長「緒方監督にも話をしたが1点差負けはベンチの責任。今季はマズイ野球で戦略が足りなかった」

本部長:緒方監督にも話をしたが、1点差負けはベンチの責任。シーズンの得失点差はプラス32。野球がまずく、戦略が足りなかった。

本部長:投手攻略を打者任せにしてはいけなかった。待球、右打ちなどはベンチの指示でやりたい。石井、東出両打撃コーチは戦略を練ることができる。

新井打撃コーチ騒動とリンクしているかもですね。

1点差負けに、ベンチの責任があったのは確かですが、あの陣容(編成)で、何処まで戦えたか?

結局、当初準備していたプランは白紙になり、シーズン中に新井を4番に添え、中崎を我慢して起用し、大瀬良を配置転換する事で、一点差勝敗を25勝26敗まで戻す事が出来ましたが、

あの苦戦をベンチマークとして良いのか私には疑問です。

むしろ、中崎を信頼し、良く戦い切ったとみています。

中崎、4,5月の防御率悪く、敗戦を重ねますが、緒方監督起用し続けます。

6月2日には通算防御率で5.11という状態でしたが、その後も使い続け、形を作っていきます。

その信頼に中崎が応え始めたのは、その6月以降です。

外目からみますと、緒方監督、良く形を作った面もあったと思うのですが、そう言う評価ではないようです。

野球がまずいと一刀両断し、批判する。

まさか、その責任を、ともに負うべき球団本部長がするとは思いませんでした。

そもそもの原因で言うなら、

前半戦総括シリーズ ピタゴラス勝率からみた現在位置と雑感

にて、緒方監督を擁護して書いてます通り、

勝ち方を確立出来てないと言う意味で緒方新監督の責任もあるかもですが、

これシーズン前から予測された事態でしたので、

過度に責任を問わないでね。

です。

4番不在に、後ろが未整備。

編成上の問題です。

接戦に弱そうだから、シーズン前に広島を4位予想して居ましたが、

その大本の責任者が、ベンチマークに問題があると言うとは思いもよりませんでした。

前半戦84試合でわずか、18SPしか記録できなかった広島は、後半戦59試合で30SPと大きく伸ばしています。

その後半の頑張りも、中崎、大瀬良を無理させたからと思っています。

中崎、大瀬良を無理させた根本原因を考えると、中継ぎが手薄という、非常に分かり易い事実に気づくと思うのですが、どうなのでしょうか?

そして、2015年同様、2016年も中継ぎ手薄に感じてます。

この辺のズレが、戦力格差の少ない今のセではダイレクトに影響しそうで、新春予想順位では今の所、下位予想しています。

この課題をオープン戦を通じ、クリア出来るかで、また、予想変わって来ますが、

結構、渋い課題ではありますね。

1点差負けはベンチの責任

なのは確かのですが、編成にも責任があると思い、その辺の情報共有が現場と球団上層部で出来ているか怪しく感じ、

先の順位予想につながっています。

天の時は、地の利に及ばず、地の利は人の和に及ばずという有名な格言がありますが、今の戦力を球団が、どう考え、ベンチとして、どう対応して欲しいのか・・・

打線の軸が不在、かつ、中継ぎが手薄な状態で、ベンチが悪いだけでは、悲しすぎます。

今、報道されている本部長発言だけ見ますと、結果論にしか聞こえない自分がいます。

なぜ?接戦に勝てないのか?

打撃面。

攻撃が荒いです。

長打がないと点がとれません。

野村監督時代からの課題です。

クラッチヒッター不在な為、進塁打、犠打が思った以上に機能しません。

走塁面

野村監督時代ならと、2015年良く聞きましたが、昔らから苦手としています。

走者二塁時に単打を打った場合の本塁生還率

一点を奪う野球、皆さんが考えている以上に苦手なチームなのが広島です。

野村前監督も、その課題に対し苦労しています。

緒方監督だからではないです。

守り。

中継ぎ面。

ドラフト傾向、育成方針をみますと、まずは先発育成を柱とし、それでダメなら中継ぎという傾向があり、適性が先発に偏りがちです。

故に、候補として先発は割合、豊富です。

中継ぎ適正を考え、中継ぎとして育成する為に投手指名をするような事はあまりないです。

中日の又吉のような指名、育成はあまりないでしょうか?

広島の中継ぎ陣の多くが最初先発起用されていますが(育成の力点が先発に寄っています)、

その影響もあって、専門性が弱く、他のチーム以上に手薄に成り易い傾向が強いです。

その手薄さ故に、若いうちに中継ぎで集中起用され、怪我するパターンも多く・・・

チーム編成考えますと、有望な野手多いですし、2015ヤクルトのような外国人編成でも良かった気がするですが、一時的に、その育成を諦めるような編成を行っています。

今年勝ちたいので、待望のクラッチヒッターを補強しています。

ですが、相変わらず、中継ぎ陣は手薄。

その面での動き、非常に重いです。

広島に限らず、70試合以上投げた若い投手(20歳代前半は特に危険です)の多くが翌年、成績を落しています。

中崎が離脱した時、どう組み立てるのか・・・

このプログの読者なら、ご存じのように、

安易なメンタル論同様、采配万能論も、私嫌っています。

結果は大事ですが、

それと同じぐらいプロセス(中継ぎ陣が手薄な理由)も大事です。

PDCAとはプロセスチェックです。

結果だけを問うなら、PDCA、要りません。

現場で日夜苦しんでいる方々は、それなりの理由で、その采配を選択しています

何事にも、原因があり、

そこにwhyが生じます。

そのwhyを突き詰めると、

その事情を忖度しますと、誰々が悪いと言いにくくなる場合が多いのですが、

今回の発言は異例の発言でした。

その異例故に、今は評価を下げています。