野球賭博に関し、Q&A式にまとめてみました そして、雑感

Q&A的に、今回の事をまとめてみました。

参考にして下さい。

Q、個人の罪が球団にまで波及する場合はあるのでしょうか?

A、

一般的な犯罪と、NPBが定める球界ローカルルール違反(コンプライアンス違反)で対応が変わります。

NPB所属の現役選手、コーチ等による一般的な罪(法律違反)が生じた場合、NPBにより、その所属球団へ制裁が科された例はありません。

一方で、規約違反を犯した場合、その指導、管理が不十分であったとされ、巨人が昨年、1000万円の制裁金を科されたように、NPBより制裁が科される場合があります。

Q、球団への制裁は、どの程度が妥当なのでしょうか?

A、

過去の例を参考にするならば、制裁金が妥当かとは思います。

思いますが、スポーツビジネス故に、世論によって、その量刑が変わる場合があります。

これは、外国でも同じで、一般的に、その量刑判断が一般社会より厳しい場合が多いです。

スポーツビジネスはファンサービスが命の客商売です。

結果、世論におもねった厳しい処分を下しやすい環境にあります。

Q、規約違反をした個人への制裁は、どの程度が妥当なのでしょうか?

A、

野球規約に罰則規定があり、概ね、それに則ります。

第180条違反ですと、1年間か無期の失格処分。

第177条違反の場合、最も重い永久失格処分となります。

Q、今回の違反は何に底触しているのでしょうか?

A、

今の所、巨人がNPBに告発しているのは、第180条 (賭博行為の禁止及び暴力団員等との交際禁止)底触に関してです。

厳密に言いますと、高木投手に関しては、第177条にも底触している可能性(所属球団が直接関与する試合について賭をすること)もありますが、不正行為はなかったとして、巨人は告発して居ません。

解釈的には、「賭けをした試合に参加する職務を負っていること」が、その前提となります。

昨年の場合、笠原らは二軍所属選手であったため、第180条に基づき告発されています。

広義で解釈しますと、高木は勿論の事、笠原らも第177条に底触しているかもなのですが、解釈の余地(調査結果次第)を残しては居ます。

Q、高木投手への制裁は、どのようなモノが考えられますか?

A、

野球協約上、巨人が告発している第180条違反の場合、1年間か無期の失格処分です。

現在、巨人の告発に基づき、NPBによる調査委員会は下記の項目について着目し調査しています。

(1)共謀による試合の勝敗への関与の有無

(2)組織的な背景の有無

(3)知人が賭博常習者か

(4)反社会的勢力や暴力団とのつきあいの有無—

これらを、一か月一月半かけて調査をします。

今回、笠原や、福田と違って、高木の場合、直接の知人(親しい間柄、仲間と目されるような付き合い)に相当する賭博常習者が居ないと思われます。

強いて言えば、笠原が、賭博常習者とも言えるのですが・・・

一般的な感覚で言いますと、賭博常習者とは、外部の人間を指すものと解釈しています。

尚、賭博常習者の認定は、NPBの独自判断であり、NPBによって判断されます。

現在、巷間を賑わせている飲食店経営のB氏は、NPBより、『野球賭博常習者』であると認定されています。

このB氏との繋がりが、知人と判定されるか、どうかが、判断の大きな分かれ目かもしれません。

Q、公的機関による捜査(強制性を伴う)を求める声がありますが、可能なのでしょうか?

A、

かなり難しいと思われます。

現在の問題は、球界独自が定めたコンプライアンス違反であって、法律違反ではありません。

厳密に言いますと、法律違反なのですが(巨人軍がやっていた、高校野球、麻雀、カード賭博も含め)、その立件に向けたハードルは高いようです。

勿論、厳正な法規定に則り、A、B氏らの捜査(令状)をする事も可能かもしれませんが、裁判所が認めるかどうかが焦点になります。

単純な解決だけを考えるのなら、A、B氏を逮捕し、その関係を、総て洗い出す(携帯情報等)のが一番ですが、今の所、警察による捜査の進展を待っているような状態です。

ご承知の通り、A氏、B氏に関し実名報道されていません。

現状、そう言う段階にあります。

また、一部に、巨人だけでなく、他の球団も含む、全選手対応の公的機関による捜査を求める声もありますが、

かもしれないだけでは、公的機関による捜査(強制が伴う)は一般にしません。

任意聴取が基本になります。

余談、

あのような事(麻雀等)、一般的ですよねっとコメント頂きましたが、厳密に言いますと、法律違反です。

ですが、その法の執行には、一定のハードルを設けています。

故意にグレイゾーンを設ける場合がありますが(罪の境界を明確にし過ぎると、法律を守ればなんとやらになるので)、賭博罪は、それに当たります。

賭け麻雀と法律

Q、今後、どうなるのでしょうか?

A、

黒い霧を例にするならば、警察が捜査するような事態は、なかなか発展にし難いのではないかと考えています。

黒い霧と連動した公営ギャンブルにおける捜査に関しては、逮捕者が出ていますが、野球単独では逮捕者は出ていません。

任意聴取はありましたが、八百長を告白した永易自身が逮捕されていません。

結果、永易と西鉄との間で、八百長を、やったやらない等々、泥仕合を長期間に渡りしています。

今回も、同様な事態に発展する可能性があり、懸念しています。

B氏や、笠原らの証言により、誰々が、賭博したという主張に対して(黒い霧もでしたが)、巨人が弁解するのは難しい場合があります。

今回、文春の報道がきっかけで、騒動に発展していますが、

高木投手がシラを通した場合、その主張は対立していたわけで、高木以外の選手に関し、黒い霧のような経緯を辿る可能性もあり得ます。

球界の黒い霧事件 最大のキーマン・永易将之の独占告白内容

あの時も、西鉄永易将之だけに収めようとして失敗したわけですが・・・

(笠原=永易です。)

泥試合は延々、続き最後は(最終処分を決めた際の記者会見)、

宮澤俊義コミッショナー

「球界の黒い霧についてひとまずこれで調べが済んだが、これで終わりかと言われたら、私はそう言い切る自信はない」

そうならないよう、

巨人だけの問題にせず、球界全体で、事に当たって欲しいです。

個人的雑感

一番の被害者は巨人ファンであると思っています。

贔屓の選手が野球界から追放され、されるかもしれないわけです。

悲しくてしょうがないでしょうし、同時に選手にも裏切られた感でイッパイと感じます。

チームにも動揺が広がっているようですし(いつB氏らに告発されるかわかりませんので)、野球に集中し難い環境です。

憤って良いのやら、悲しんで良いのやら、何とも悔しい状況なわけです。

勿論、彼らだけでなく、私も含むプロ野球ファンが被害者でもあります。

その原因を作った巨人を批判したい気持ちは否定出来ないです。(協約を守らせる指導、管理義務があります)

ですが、

同じ立場を共有する被害者同士でもあるわけです。

その共通理解の元、今後を俯瞰して頂けたら幸いです。

私達が目指すべき姿(希望)は、気持ちよく、開幕を迎えることだと思っています。

そこに厳罰(気持ちはわかります)は、今の所、何ら寄与しません。

再発防止効果にはなるかもですが、現状抱えている問題解決にはなり難いです。

確かに、

巨人の初動調査には、私も憤っています。

B氏がぁ、笠原がぁ調査に協力しないからわからんと言っていますが、分かり切った事(調査に協力して貰えない状況)を今更、言われても困りますし、最善を尽くして欲しいです。

協力して貰えないのなら、貰えないで、その対応をして欲しいです。

名乗り出やすい環境の整備など方法論あります。

巨人としては、現状の調査方法では、満足な調査が出来ない事をコミッショナーに報告し、その善後策を検討すべきだったと思っています。

思いますが、

今更、過去を糾弾しても仕方ありませんし(巨人には反省はして貰いたいですが)、

まずは、

今の状況の払しょくを。

つまりは、

これで、お終いと思えるような環境の整備を、球界(巨人含む、NPB所属団体は当事者意識をもって事に当たって欲しいです)には、お願いしたいです。

業界不信に発展した場合、巨人だけの問題に留まらないケースがあることを、重々承知の上で対応を、お願いします。

黒い霧の結末は、

これで終わりかと言われたら、私はそう言い切る自信はないという状況でしたが、

危機感をもって対応して欲しいです。