中日の育成状況 その確認の前に横浜のモデルケースを

頂いたコメントも、記事ネタ的に面白いですし、調べたくなりました。

落合GMの言う2018年というコトバとリンクする事になるかもです。

一応、二軍成績自体は底を抜けたという認識ですが(投手側の低迷が回復、佐伯前二軍監督2年目でV字回復しています)、

一軍での層の薄さ、並びに次世代を担う選手の経験不足感は、記事で指摘している通りです。

核となる選手が出始めていますが、本格化一歩手前と思っています。

ですのでアラも目立ちますし、安定しません。

一軍レギュラーに向けたモデルケースとしては以下のように考えています。

STEP0.二軍で研鑽中→

STEP1.二軍であるレベルの成績を出す→

STEP2.一軍で使われ始める(一軍打席200程度)→

STEP3.プチブレイク(一軍規定打席未満)→

STEP4.規定打席クリア→

STEP5.相手の研究に対応し継続して成績を出す オールスター級

これらの層が万遍なく存在し、かつ年齢層でもばらけていますと、広島さんのように理想的な野手構成となります。

現在、5をクリアしている中日の野手で、主力選手と言えるのは

平田が2年連続と、その一歩手前(実質で、お.k)。

大島が4年連続と2人います。

こんな少ないの?やっぱ中日弱いと思われるかもですが、

この継続して成績を出すというのが難しいです。

2015年の新春に書いた記事ですが、

3年目(連続)でみた各チーム戦力推移 セ展望2015

巨人の枢軸と呼ばれた、坂本、長野、阿部、村田の素晴らしさを覚えますが、

合わせて連続して成績を出す事の難しさも覚えます。

特に彼らの場合、補強の激しい巨人で、それを成し遂げていたわけですからね。

ですので、チーム力を決めるのは、その手前の層。

STEP2.4までが、あるレベルで存在し、かつ育成目的でなく勝つ目的で起用される事でチーム勝敗が改善します。

この部分の人財の層で、かつて中日が傑出していましたのは、ご存じの事と思います。

ですが、今は正直、かなり少ないです。

特にSTEP12の人数が横浜との比較でざっくり60%程度ですかね。

様々な理由により、この層が失われてしまいました。

一概に何が主因かとは言い切れませんが、2011年との比較で層が薄いのは事実です。

関連記事

中日苦境の原因 消失した1.5軍層について

中日おける世代間断裂と、他チーム比較

去年、中日は勝つ気のない、育成優先の起用で、その勝敗を悪くしていましたが、それには理由があるわけです。

この層が厚い事で勝つための選択肢が増え、チーム成績が向上しますが、その層が薄く期待先行の起用をせざる終えなかったわけです。

今年は去年ほど育成起用ではないとは感じていますが、それでもチラホラ・・・

愚痴っぽい話は止めまして、

中日の二軍状況を俯瞰したいと思います。

その前にモデルケースを。

ウェスタンと、イースタンでリーグ違いますので同じとは言えませんが、

社会人経由 横浜 飛雄馬(25歳) 5年目

2011年 ドラフト7位入団

2012年 二軍 60試合 168打席 打率.248 OPS.658 PA/k=3.36打席に一回の三振 30%二軍で三振しています。

一軍に昇格しますと、この数字が1.52倍に跳ね上がるケースが多く、目途(当てに行くだけの選手もいますので長打力の兼ね合いも重要)として1014%程度が目標となります。

関連記事 2016年

PA/kでみた二軍卒業状態の選手について 中日、高橋周平に期待

2013年 二軍 79試合 210打席 打率.255 OPS.713 PA/k=4.57

2014年 二軍 103試合 311打席 打率.299 OPS.775 PA/k=6.63

2015年より一軍が主体 STEP2.に向けた準備。

2015年は一軍で59試合 135打席 打率.224 OPS.595 PA/k=5.87  二軍は参考。

二軍で成績を出すと言うより、一軍での課題クリア解消目的に調整で二軍にいた感じです。

2016年は 怪我でお休み中。ボチボチ出始め? 

雄馬のような選手がたくさんいる事で、チーム力が増します。

三振率が気になりますが、二軍では課題が見つけにくい状態です。

チーム方針上、0スタートのような事がなく、特に大きな変動がなければ飛雄馬のような感じが、理想的なモデルケースとは思います。

他、大成功例で2012年ドラフト6順目指名の宮崎のような例もあります。

状況の良いチームは、ドラフト上位でなく中位、下位でも成績を挙げてくれます。

2016年記事

PA/kでみた二軍卒業状態の選手について、横浜、宮崎敏郎に期待

雄馬と宮崎で数字上、分けるモノがあるとしたら三振ですかね。

打撃フォーム上の問題とも言えますが、飛雄馬の場合も、頭が動きます。

これ比較で分かりやすいです。

三振の多い打者の多くが、頭が動く事で目線がずれます。

投手側も同じです。

(投げる際に頭が大きく上下に動く藤浪も良くないです。コントロールが悪くなります。)

かつ、飛雄馬の場合、今年、かかと体重という、軸が崩れやすい悪弊も出てしまい一軍でチャンスをつかめず、怪我で離脱して居ますが、年を追うごとに成長を覚える選手でもあります。

継続して指導され、立ち位置も明確で何が求められているか選手も球団も一致している場合のモデルケース的な選手です。

しかし、その努力のかいなく、道半ばで退団する選手もいます。

宮崎と同期入団で加入した赤堀です。

社会人経由 横浜 赤堀(29歳) 昨年退団

2012年 ドラフト4位入団 

2013年 二軍 105試合 396打席 打率.230 OPS.647 PA/k=6.0

2014年 二軍 101試合 298打席 打率.288 OPS.698 PA/k=12

2015年 二軍 103試合 341打席 打率.248 OSP.661 PA/k=7.9

2015年、退団です。

打席数、試合数をみてわかります通りかなりの期待を受けています。

その期待通り、2014年に長打力以外では、あるレベルの数字を二軍で挙げていますが、

横浜の場合、外野の層が厚く、

現在一軍帯同中の桑原、乙坂、関根、下園、筒香、梶谷以外に、荒波、松本、井出とおり、

本来なら、多村とともに、出されない選手だったかもしれませんが、若手選手の育成の場を与える為に放出されています。

横浜の場合、内野がともかく薄いのですが、外野は充実しています。

ですので怪我した時、一番選択肢がなくなるのが遊撃を守っている倉本となっています。

お手上げとは言いたくないですが、かなりキツイデス。

赤堀の場合、長打力が、あれば退団せずに済んだかもですが、同タイプ(俊足巧打)で一軍でも実績を出している関根(21)らが居ますので、比べられてしまっています。

編成要因ですかね。

その上、

横浜の場合、桑原、筒香、梶谷と外野コンバートされた有力選手が多過ぎなんです。

渡邊(俊足巧打系)と言う内野の選手も外野にコンバートされていますし、内野の育成に苦労している一方、外野には、割合選手が揃っています。

赤堀に関しては、その余波を受けての退団だったとみています。

一方、外部環境(統一球)、球団方針に若干振り回された感がある選手としては

大学経由 松本(30)の場合

2008年 ドラ1 阪神との競合制し入団です。

2009年 二軍 75試合 342打席 打率.267 OPS.683 PA/k=5.5

2010年 二軍 75試合 344打席 打率.310 OPS.715 PA/k=8.1 

この年、一軍でも打席数こそ少ないですがOPS.847を記録して居ます。

数字を出してきています。

そして迎えた2011年です。

2011年 二軍 72試合 301打席 打率.283 OPS.660 PA/k=8.6

これ松本(松本以上に、皆さん成績を落しています)だけではないのですが、統一球の影響を受けて2011年、2012年に調子を崩した選手が多いです。

要は野球が変わっちゃったわけですね。

また、動くボールが急速に普及し、適応出来ない選手が一軍でも続出します。(元巨人小笠原)

横浜だけではなく、各球団、この世代の野手は人財不足ですが、そう言った不幸な面もあったかもです。

これは投手側も同じで、淘汰が激しいです。(スライダーがMLB同様、通用しなくなっています。横浜の山口が苦しみ始めるのは、もう少し先ですが)

2015年の記事

規定打席をクリアした日本人野手数推移数と横浜の現在地

丁度、この時期、リーグ的には世代交代期に入っており、そろそろという段階で、

この改変があった事で、

記事引用(当時の感想)

規定打席をクリアした選手で30歳代前後の選手が少ないような気がするのだが、

こんなもんなのだろうか?

年齢でいうなら、

中日大島、ヤクルト川端、雄平、巨人長野という、プロ野球選手として脂がノリきり各チームの主力野手として活躍する年齢の選手が、思った以上に少ないと感じる。

実は、STEP.4レベルで、他のチームも、この年代(30歳)が、多少なりとスカスカしています。

記事趣旨に変化を覚え始める部分もありますが(発散しかねない)、

2011年以降と、以前では、その継続性に差があるかもです。

以下、

松本は

横浜0スタート DeNAとなり、その扱いが変わります。

中日さんと同じで、編成が変わると、そうなるですよね。

それを中日さんの場合、短期に2回しているわけです。

高木監督時代に

一度諦めた捕手福田を4年ぶりに復帰させたりして・・・

判断を変えているわけですが、

(どうして捕手福田を諦めたのか情報共有がされてなかった?結果、大失敗)

継続がないとは、こういう事なんですよね。

横浜の場合、書面で、ドラフト戦略や、育成計画、どう育て以降とか何も残ってなかったそうなので、余計に、そうなりましたが、中日さんも似た状況に陥っており、行き当たりばったりになっていた可能性があります。

所謂、対処療法的、バケツが空いたから塞ごう的な話です。

根本的には、どうしてバケツに穴が空いたのか?検証する必要があるのですが、その検証、根本対策なく行いますと、バケツに穴が空き続けるわけです。

そんな松本ですが、

2012年 51試合 187打席 打率.322 OPS.711 PA/k=7.8

となります。

二軍成績上、長打力以外はまずますに見えましたが、

 

中畑さんの希望は、機動力、スモールベースボール、守備力なわけです。

そこに合致出来ませんでした。

松本がです。

同時期に荒波が一軍で起用された理由は、そこなのですが、荒波の二軍成績を追っても面白かったですね。

急に扱いが飛雄馬の初年度のような打席経験数(期待度の変化)になっています。

荒波の場合、この抜擢が良かったか不明ですが、二軍でも当時、三振が多いので一軍でも三振が多く、これが彼の後の大成を阻んでいます。

横浜名物、早すぎたって奴です。

もう少し、時間かけて欲しかったですが、余裕がありませんでしたし、成績も出せたので、こうなっちゃったのですが・・・

そうは言っても、荒波も、横浜を支える選手のひとりであり、荒波のような選手(一軍、規定打席をクリアした事もある優秀な選手)が控えているというのも大きいです。

以下、松本啓二朗の成績です。

2013年 31試合 108打席 打率.269 OPS.719 PA/k=9.5

2014年 65試合 238打席 打率.317 OPS.859 PA/k=8.8 課題だった長打率も.400を超え、ほぼ仕上がっていますが。。。

問題は、

この2014年に、筒香、梶谷(他では桑原も)らが内野からコンバートされた事で、横浜の外野層が劇的に厚くなってしまいました事です。

完全に編成方針が切り替わっています。

2015年 49試合 158打席 打率.295 OPS.809 PA/k=7.2

松本に関しては統一球と、球団方針の切り替え、そして内野で鍛えていたハズのツツカジのコンバートと、その大成を阻む要因がありました。

一方、打力ではまずまずに見えるのですが、一軍で起用し難いのは、

守備

長打力

の3点です。

一軍で生き残るのには、何らかの武器が必要なのですが、その3点に課題があり、上に残れていません。

ですが、それを目をつぶれば、あるレベルの成績を出せる選手でもあり、横浜の有力なバックアッパーとなってはいます。

2016年も、ちょこ、ちょこ、一軍で呼ばれています。

後少し、選手です。

横浜の場合、

外野では他にも、下園、井出、荒波らが、ある一定の技術水準を超えいます。

こういった選手が居る事が重要です。

そんな後少しな選手が中日の二軍さんに、

どれだけいるかと言うと

松井裕介(30)ぐらいになるんですかね。

(2016年 二軍成績 OPS.803 PA/k=6 ←この数値が、もう少し良ければですかね。 打席174です)

福田は二軍選手と言うより限りなく一軍選手ですし、現成績だけでみますと、1.5軍選手が見当たらないです。

遠藤が二軍(それでも友永の半分程度)で良く使われていますが、彼、落合GM以降の選手ですし、

あれ?感は拭えないですよね。

中日の入退団選手も含め、歴史的経緯を見ませんと、二軍の状況がわからないですが、何人かピックアップして、経緯を確認してみます。

しかし、

福田を捕手にコンバート(したい気持ちはわかりますが)するような球団ですので、いろいろ齟齬があったのはわかるのですが、結構、混沌としていたかもですね。

同様な作業を、投手側でも必要なのかもですが、

打者だけに特化させてください。

一応、横浜ファンですので、横浜の育成が、あるレベルで上手く行っているのは知っていますし、同じ観点で中日を俯瞰しますが、未だ、完全に正常化されたとは言えないという話になるかもです。(わからない)

2回の0スタートの影響が強すぎて、もう少し時が立たないと見えないかもですね。

周平や、福田、堂上をみますと、

底は抜けているとは思いますが、

0スタートがあると、継続が途切れるので、その是非をみるのに時間がかかります。

それを、2回もやっちゃっているので、何処まで見切れるか(責任を問い辛い)…

その影響が、何処まで、チームに影響を与えているか?

組織を作り直すのに3年かかると言っていた落合GMだけに、2016年現在で何が見え、成績として、何処まで確認できるかわかりませんが、検証をしてみるだけしてみます。

細かくはみていませんが投手力側は、戦力戻して来ているようには感じるのですが、

問題は打者側でしょうか?

0スタート2回の影響が大きすぎて、わからないという結論になるかもですが、もう少し深く掘り込んで、考察記事として書くだけ書いています。

新たな、何かみえるかわかりませんが・・・

佐伯2軍前監督時代に急回復した投手力視点でみた方が、ポジティブに見れるのかもしれませんね。

打者側、記事先行して調べましたが。。。