倉本観察(成長)日記です。
シーズン途中としては、ここで、お終いにする予定です。
9月における倉本観戦の参考にして頂ければ幸いです。
現在、横浜におけるチーム併殺王、倉本。
どうして彼は併殺が多いのでしょうか?
ベースランニング評価が低い選手ですので併殺が増えてもおかしくないですし、
俊敏性に劣る特徴(守備範囲が狭く感じる理由の一つなのかもしれませんが始動が遅い印象があります)もありますので代走も出される選手でもあります。
ですが、
左の巧打者と言いますと、併殺が少ないイメージがあり、少々意外でもあります。
なんですが、実は意外でも何でもありません。
倉本が、こうなって欲しい的なモデルケース、坂本の守備(5/18 対巨人戦)について
にて、
相手は三塁方向にボールが飛びやすい事がわかっていますから、様々な場面で、この状況を利用するかもです。
例えば1,2塁なんて恰好の餌食になりかねない危険な状態です。
というわけで、併殺が増えました。
記事にも書いていますが、打撃フォーム上の理由で、速球系で攻められますと左に流す打撃をする為、どうしても併殺が増えやすいです。
相手様も倉本に合わせた配球が増えています。
倉本も必死に対応しているのですが、これしょうがないです。
制約のある打撃について 存外難しい最低限での打撃 倉本について説明
どうして最低限の打撃を倉本が出来ないのか記事で説明していますが、守備側からしますと併殺を狙い易い打者でもあります。
打率.300という数字と、守備が遊撃、左打者という事で、
如何にも併殺の少なさそうな打者なのですが、そんなわけではないです。
そんなわけで、倉本、上記状況を打破すべく懸命に対抗しています。
これが凄いですよね。
はい、いつもの記事形態ですが、落して持ち上げます。
普通、これで、お終いなんですが、彼シーズン途中で再度、フォームを微修正して来ました。
具体的に振り子の足の上げ方を変えています。(頻繁に変えています)
2016年06月13日
2016年 倉本の打撃を数値で振り返りつつ雑感
にて、その萌芽を書いていますが、
右に引っ張る打撃を意欲的にチャレンジしています。
(右に引っ張れないと三遊間を絞られ、併殺を取られ易くなります)
相手が倉本を警戒してなく、去年と同じイメージで変化球攻めをしていた時期。
倉本は変化球は引っ張り、速球系は流していました。
序盤
左13 中19 右18 二塁打 左1 中4 右2 三塁打 中1 右1
それが中心打者として警戒され始め、速球系を中心に攻められるようになった結果、長打が打てなくなり左に打球が偏り始めます。
5/156/11
左18 中02 右01 二塁打以上の長打 0
それが、
6/126/30
左06 中07 右02 二塁打 左1 中0 右0
記事書いた頃から質が変わっているですよね。
右に打球を飛び始めています。
で、気付いたら振り子が変わってました。(振り子幅を大きくとらない形)
記事でも書いてましたが、コーチが坪井さんなので、予め対策を考えていたような感じでした。
そして7月。
7/1
左15 中11 右10 二塁打 左04 中02 右02 本塁打 右1
参りますよね。
一時期、相手に対応されて右に打球が飛びませんでしたが、飛び始め、かつ長打も出ています。
シーズン初本塁打が出たのも7月でしたが、いあはや参りました。
7月の月間打率は.379 OPS.889です。
どうして引っ張れるようになったかは、始動を早くし、振り子の予備動作を小さくしたからです。
理論はわかりますが、それを実践しちゃうですよね。
お、恐ろしい。
後は、球種を張るのが上手な打者でもあります。
ですので本当はランナーが居る方が打てる打者です。(配球に制限が加わり易いです)
実際、ランナー居る方が打っているですが、
参考記事
失速気味のベイスターズと中日の共通項、そして雑感 ある意味で順調です
その特性上、併殺が多くなる打者でもあります。(ゴロの多い打者)
相手も倉本の特徴を考えて併殺を狙った配球をします。
さて、
その結果、8月どうなったかと言いますと。
三振が増えました。
始動を早くして、振り子のタメをなくした結果、変化球を空ぶる場面が多かったと思います。
8月まではPA/kで7(打席に一回の三振)以上だったのですが、この数字が8月単月でみて4.2まで悪化しています。
三振のし易さで言いますと、一時期の2倍程度悪化しています。
どうしてかと言いますと、始動を早くしたからなんですが、面白いもんですね。
何かを目指すと、何かが崩れるのですが、
そのせめぎ合いをしているわけですよね。(バランス調整)
普通、ここまでシーズン中に行きつかないのですが、
ランド3へ倉本は進んでいます。
5月に倉本対策があって、ファールで逃げつつ、しぶとくヒットを打っていた時期から、
速球系に対応して7月にOPS.889を打ち、疲労もあったかもですが、その始動の早さを突かれ変化球に対応出来なくなり、そして今です。
シーズン中にラウンド3まで進んだ選手、私、記憶にないです。
大概、ラウンド1で今シーズン終了なんですが、だから3割打者なんですよね。
一方で、
技術的引き出し言いますと、課題の多い打者でもあります。
ですので、併殺があってもダメージが比較で少ないと思われる打順。
7番が一番生きると思っています。
次打者が捕手なのでチャレンジして、おkな打順です。
2番は最悪の打順でしょうか?
筒香の前でランナーが居なくなります。
どちらにしろ、横浜ではトップクラスの野球IQ(配球を読むのが上手い打者でもあり、シーズン中に此処まで来るのは凄いです。)を覚える打者でもあり、妙な素養を覚える打者なのは記事で書いている通りです。
バントが苦手な巧打者というのも変な感じですが、
監督がバントを倉本に命じますとドキドキします。
中畑さんが倉本を2番で起用しなかった理由の一つと思われますが、見てて不安に思うバントをするですよね。
(エリアンと同レベルとみています)
一方で変わることに躊躇しない選手でもあり、
普通の選手は5月のスタイルを維持する形。
ファールで逃げつつ、単打を中心に打撃スタイルを確立させても良さそうなんですがシーズン中に次の段階に挑むですよね。
将来的には中軸を打ちたいのかもしれませんが、
あの体型、体で長距離打者を目指すのですから(そう感じる)、志が高いとも感じます。
日本人の思考方法で言いますと異質な選手です。
これ面白いので記事ネタとしてとっておいているですが、前向きな性格の選手ではあります。
尚、
倉本に併殺が多いように、その師匠でもある川端も併殺多いです。打撃スタイル的に、そういう傾向があるかもですね。
(二人ともゴロが非常に多い打者です)
補記
打球について
ロペスはフライ:ゴロが1:1、筒香は3:2 倉本は1:3 あります。
これは宮崎(1:2)も事情は同じでゴロが多い打者は併殺が多くなります。
ちょっと宮崎でフォローしておきますと、そんなゴロの多い打者が本塁打率でロペス並なんですよね。
宮崎ぐらいの割合でゴロの多い打者で本塁打が多い打者と言いますと、あまり居ないですね。
当たり前ですがフライの多い打者の方が本塁打率高くなります。
参考に広島新井で言いますと、2:3ぐらいでしょうか?
長打を狙っている時と、そうでない場合で広島新井同様、打撃スタイルを変えている可能性が高いです。
こういう選手って活躍しやすいです。(っと思っています)
で、そんなゴロの多い倉本が後述しますが、犠飛が多いわけです。
尚、リーグ併殺王の巨人村田のフライ:ゴロの比率は1:1。
昔と違ってチームバッティングを意識する打者になった村田ですが、その特性上併殺が多く(リスクを負って長打を狙うケースは、そうなり易いですし、そうなる配球を相手もします)なり易いです。
そんな村田のランナー一塁における打率は.405です。
昔は常に本塁打を狙っているような打者だったのですが変われば変わるものです。
巨人に行って本当に成長しました。
右打ち上手い打者です(元々上手でしたがチームバッティングとして昇華されてませんでした。村田だけの責任ではありませんが、TBS時代は・・・)。
村田に関しては、印象で損しているかもですね。
得点圏出塁率 .365です。
巨人の場合、村田の後ろを打つギャレットらを、どう抑えるかがポイントになります。
でないと大量失点喰らいかねません。
補記 お終い
「強く振りたい、長打を打ちたいという気持ちはあります……」
「長打を狙っていません」
なんてく言っていますが、そう言うタイプでないのは、成績が物語っています。
負けず嫌いな選手ですかね。
横浜で一番、気持ちが強い選手と見ています。
プライドを捨てることのできた2年目の倉本に、プロとしての矜持を強く感じた。
っと、
DeNA倉本、打撃開眼に隠された一大決心——己のこだわりを捨ててプロで生き…
記事で書かれていますが、
そんな人ではないです。
はい。
プライドを封印して(段階を踏んでいる)、その先を考えている選手です。
拘りを捨ててないから先に進んでいるわけですね。
その戦いを見守りたいです。
(わかり易い数字としては三振と、打球方向になります)
倉本が打ってくれないと9月、キツイノで是非、ガンバって欲しいです。
ガンバレ倉本。
因みに賢い選手なので地味に犠飛も放ち始めています。
チームで2番目に犠飛が多いです。
リーグ一位はロペスの6。
倉本は3も記録しています。(筒香や梶谷が打ててないです)
倉本の特徴を考えますと、
これは、これで凄いです。
課題の最低限でも○○の一種を、ゴロの多い打者が狙ってフライを打てるようになって来ているわけです。
去年の本当に拙い技術レベルを思いますと、凄い速度で成長しています。