シーズン中不調に陥った選手に対する対応として、モデルケースとなる事例と思い記事化します。
横浜の選手起用(批評)の参考にしてください。
以前、梶谷不調時、さらっと楽天松井の起用例を挙げて説明しましたが、
見事に立て直しましたね。
おめでとうございます。
ご承知の通り、楽天松井はシーズン序盤、抑えに相応しくない状態でした。
それに対し、
一般的な対応は、
二軍再調整
配置転換
の2点になりますが、松井裕樹を抑えから動かさず我慢強い起用を楽天梨田監督は続けます。
理由としては、
二軍に落とす事で深刻なダメージを受ける可能性があった(メンタル的な問題)
二軍では問題解決にならない場合がある
の以上、2点です。
横浜梶谷が打率.200を切る所まで下がりましたが、梨田監督と同様、ラミレス監督も、我慢強く梶谷を起用し続けています。
おそらく理由は同じと思いますが、
現在の不調の原因とは何かを見るのは重要でしょうか?
我慢の起用と言いますと美談に聞こえますが、
判断を間違えますと、
2012年の梶谷や、高城、筒香のような有様になります。
また、2014年の三嶋、山口もでしたが、あきらかに二軍に落とした方が良いケースがありまして、その場合は技術的な問題(一軍では解決できない)になります。
技術がないのに無理に一軍に起用しますと、その我慢が逆効果になり易いです。
関連記事
2014年04月27日
三嶋・山口は二軍へに対する雑感
期待先行の中畑監督采配 一応、こんなメリットがあるかもしれません
当時、
中畑監督の起用を、戸塚ヨットスクール方式では?っとコメント頂いていますが、
技術的な問題が大きすぎますと、何が悪いのか確認できませんし、通じるボールがありませんから(打てるボールも)、ただ漫然と試合に臨むだけになり易くなります。
遠泳する能力がないのに遠泳させるような感じでしょうか?
我々、
素人が一軍の試合に出場しても、技術レベルが違い過ぎますと、何ら得るものないですが、それに近い感覚です。
そのレベルに達してない選手を期待先行で起用し続けますと、その多くは失敗します。
堂林が、その実力の割に遠回りしてしまいましたが、一軍起用が早すぎると、そうなり易いです。
では、当時の三嶋や、山口(山口の場合、球種を増やして対応しています)と違い技術的な問題以外の事が大きく影響していそうな選手の場合は、どうなるでしょうか?
そのモデルケースが、
楽天松井であったり、横浜梶谷、そして横浜平田だったと見ています。
実力が図抜けてますと(特に松井裕樹のように尖った能力がありますと、その能力だけで押し切れてしまいます)、二軍での調整は向かないです。
梶谷のように二軍成績が飛び抜けていますと(二軍では打率.471 長打率.941 出塁率.500 OPSは1.44を記録しています)、
二軍では課題が見つからず、一軍の成績には結びつかなかったかもしれません。
梶谷の場合、相手の配球を読んで打つタイプです。
一軍捕手、投手と駆け引きをする事で、状態を上げて行くタイプです。
試合勘のようなモノが足りてなく、ズレてしまった選手ですので、監督が判断したように、二軍に落としても意味がなかった可能性が高いです。
楽天松井も、そんな感じです。
与四球高いですし、従来抱えている課題はあるのですが、それが(今は)、松井の持ち味でもあります。
自信喪失というコトバが一番しっくりくるのですが、あの自信喪失状態から、良く戻しました。
シーズン中に立て直せるのか、どうかは一流選手か、どうかの大きな目安になります。
その修正力を発揮できる機会を、彼らは与えられ、その機をモノにしたわけです。
これ、大きな財産です。
特に若い松井裕樹には大きなアドバンテージになったと感じてます。
一方、二軍で秀逸(防御率0.70 奪三振率13)な成績を残していた平田は修正する場も満足に与えられず、何が通じ、何が通じなかったわからず二軍降格して自分を見失ってしまいました。
二軍でも場を失い今シーズンを終えようとしています。
当時、書いた記事の一部を引用しますと、
梶谷や、楽天の松井を二軍に落として、復調できるか疑問ですが(メンタルの問題なので二軍調整が意味をなさない場合もある)、平田も同様な可能性があります。
に結局、なってしまいました。
もし、平田が、追い展開で昨年なみの成績を残せて居れば、随分、横浜、楽だったのですが、
結局、そうなれませんでした。
6月の、あの采配をみて、私は横浜の戦力を読みを大幅に変えています(Aクラス以上、余裕からAクラス前後に見込みを修正しています)。
私的には痛恨の一時でした。
あの雑な起用自体、編成上の問題でもあるのですが(当時、選手構成上問題を抱えています)、現投手コーチに責任大と感じる部分でもあります。
広島戦4点差、逆転負けの要因の一つ、加賀の起用について、その背景と、その雑感
上記記事に書いてます通り、
ラミレス監督は、
職分を意識して、
投手コーチの進言に基づき起用します。
投手コーチには反省して貰いたいですが、
あの起用の結果、平田の選手生命終わりになったかもしれないです。(与四球率が大きく上がりました)
そんな状態から這い上がるのがベストですが、平田の実戦力を考えますと(戦力としたいのなら)、梶谷や松井同様とは言いませんが、
多少の配慮を、一軍で何が通じ、何が通じなかったの確認をさせて二軍へ落して欲しかったです。
確認できず落ちた平田が陥った手さぐり状態感、わかりますかね。
二軍で秀逸な成績を残し過ぎると見失っちゃうんです。(課題が見つからない)
落し方が非常に良くありませんでした。
篠原さんも、今の立場では一年目ですし、毛色の違うラミレス監督ですので、その連携に粗さがあるのも理解できるのですが、今回の一事を今後に活かして欲しく思っています。
平田への想いについて
現在、横浜が一番やりくりに苦労をしているのはミドルセットアッパーです。
その分野の欠員補充として実績上も実力的にも、最も近かった投手が平田であったというのが私の評価です。
2015年実績の登板順で言いますと、
58試合 山崎 防御率 1.92
52試合 エレラ 防御率 2.96
45試合 長田 防御率 2.06
35試合 タナケン 防御率 2.20
28試合 平田 防御率 3.38
横浜の場合、年間30試合近く投げれた投手が少ないです。
林、大原、加賀らが居ますが、経年勤続疲労もアリ、皆さん怪我しています。
その部分で欠員が出た事で藤岡を緊急トレードしたわけですが、この部分がずっと空いたままです。
一軍昇格時における二軍成績を見る限り、かなり期待できた選手と思いますが、残念な結果に終わっています。
横浜平田と、同点で広島が薮田を使った意味について、素直に参りました、他雑感
大本を辿りますと、
中畑前監督のコトバ足らずが原因なのかもしれませんが、
薮田がモノになり、平田が二軍ですら場を失う有様は、
優勝するチームと、出来ないチームの差を覚えた瞬間でもありました。
平田へのゾンザイな扱いの結果、横浜の中継ぎの陣容は薄くなりましたが、来期にも響く仕儀だった可能性があり、苦い想いがあります。
この采配に対するwhy?(首脳陣にも動機がありますが、非常に下手をしています)は、シーズン終了後、さらに詳しくやる予定ですが、
シーズンの大きな分岐点。
象徴的な事例だったと見ています。
平田には、
この苦境を乗り越えて欲しいと伴に、
ファンの皆さんも、平田は、もうダメだ、顔も見たくないなどと、安易に言わず、応援してあげて欲しいです。
中畑監督の起用の仕方(登板過多で疲弊した状態で、大事な場面で起用し打たれた)と、口下手が原因かもしれませんが、過小評価されている投手と思ってます。
大舞台で経験(甲子園出場経験なし、大学も4年秋にブレイクで目立たず、社会人野球へ、日本選手権本戦での最高順位は二回戦)の少ない投手故に、応援を、お願いします。
実力があってドラ2指名された投手です。
その実力を引き出すような配慮を、その努力を、チームには、お願いしたいです。