ゴロアウト率70→77%になった際の試算

倉本関連記事でゴロアウト率の変化について記述しています。

 

倉本も、配球次第で三遊間を閉められる守備シフトをされたり、その逆をされたりと苦戦していますが、

 

ゴロを打つこと自体が、

その可能性を狭めるような感じになりつつあります。

 

ゴロを打てと昔の人はしつこく言っていましたが現実は違うわけですね。

勿論、昔はゴロを打つのが今との比較で効果的であった可能性は否定しません。

 

内野の補殺数が昔は少なかったです。

 

ですが、今の二遊間は菊池がベストな状態で2016年度実績上、1000を超えます。

一方、実績上12球団で最も数字の良くない横浜のそれは2017年度実績で800余り。

比較時で200も違うわけです。

 

実感しにくいかもですが、これ数字で言いますととんでもない差なんですよね。

補殺の総てを野手側の責任に帰すのはできませんが(バッテリーの影響を無視できません)2015年以降記録し続けている数字の重みは大きいです。

 

名手憲晴時代に改善が見られていただけに内野守備力という面では後退している横浜です。

(代わりに打撃力が向上しそうです。特に倉本はラミレスさんの目指す打線のキーマンかもですね。倉本を基軸に守備を考えている理由でしょうか?二塁に不慣れな倉本の起用を断念しそうな空気を感じますが、面白いもんですね。)

 

そこはしょうがないです。

 

横浜は二遊間で蒙った損失を他のポジションでカバーする事で全体的にみますとプラスの守備を実現しています。

 

中畑さんの起用方針もあり2015年は穴だらけでしたが当時との比較で随分守備が堅くなりました。

 

唯一改善が見られないポジションが二遊間です。

二遊間の強化は横浜にとって必須とも言える事項です。

 

良く言われますが90点を100点にする難易度より40点を50点にする方が楽ですから、この二遊間の改善は横浜にとって大きな伸び代となっています。

 

 

どちらにしろ、昨年までのセンターラインでは優勝出来ません。

常に例外ありますが、

ここまで二遊間の守備力が低くて優勝出来たチームを私は知りません

 

さて、

前記事に続き今回は、

その数字の重みについて試算です。

 

ゴロアウト率70⇒77%の影響について推計

77%は広島の2014年度における数字を利用しています。

70%は統一球以前の数字です。(裏覚え)

 

2010年度の数字が71%ですから、そんな数字とは思います。

 

この数字が70→77%にアップした際の影響について以下の通り計算していきます。

 

リーグ平均奪三振率が7なので、それを利用。

延長は考慮しません。(イニング減るので失点の総量としては過小評価へ)

9回を終えるには27アウト必要ですので27-7=20アウト。

 

この20アウトを取るために、

外野と内野の内訳を50%づつ。

 

 143試合x(20アウトx50%=)10アウト=1430がゴロアウトの持ち分です。

 

1430アウト取るために必要な打球数は

①、ゴロアウト率70%

1430÷0.7(70%なら)=2043打球

 

②、ゴロアウト率77%

1430÷0.77=1857打球 

 

想定ヒット数 ①2043-②1857=186本 

 

試算上186本、ヒットが増えるわけです。

倉本が昨年放ったヒット数は133本。

 

それだけの重みの差がゴロアウト率にあります。

 

 

横浜のゴロアウト率が2010年以前の70%という事はないでしょうし奪三振率が横浜の投手は高いので、

 

そんな想定にはならいのですが、

想定上2010年までのリーグ平均の野球と最近の広島さんでは、そんな数字の差が生じています。

 

2010年と今ではリーグ防御率が違いますので(平均打率も違いますが)察してあまりある状況と言いますか、

 

野球の質が大きく変換しています。(動くボール他)

 

ゴロで打ち取るのは数あるアウトカウントの取りかたの一つに過ぎません。

 

過度に補殺をクローズアップするのも良くないですがチーム勝敗に無視できない影響を与えていそうです。

 

3割打者がチームに2,3人生まれちゃうような数字のインパクトが186本にはあります。

思えば2010年のリーグ平均打率って、かなり高かったですからね。

 

ranzankeikoku.blog.fc2.com

 

より引用ですが、

2010セ .276 14HR 56打点

に対し、

2017セ .259 12HR 52打点

 

平均的打者の打点(一人あたりの平均なので総量見ますと打点4の差が大きくなります)でみますと差がないように感じるかもですが失点率でみますと、

2010年は失4.54 2017年は失4.04。

その差、0.50。

 

これを143試合に直しますと143x(4.54-4.04)=71.5

チームでみますと71.5失点。

リーグ全体でみますと71.5x6チーム=429失点。

 

延長は考慮していません。

影響としてみるならミニマム値です。(過小評価側)

 

この失点率の差は反発球の影響もありますので、

ゴロアウト率だけに、その因果を求めてはいけないですが。。。

 

動くボールが増え、内野守備力強化の流れを考えますと何とも言えません。

低反発球だからゴロで打ち取り易くなったとも解釈できます。

芯を外す球が有効になっています。

 

結果、フライレボリューションなるコトバが流行るわけですね。

 

守備力の可視化が進んだ事で内野を抜くのがMLBでも難しくなって来ています。

同様な状況がNPBでも起こっています。

 

そんな逆風に対抗しているのが打撃面における倉本。

このマニアックな攻防は。。。2016年に散々記述していますのでしません。

都合15本近く書いてますが凄かったですね。

 

そんな経験を経て倉本はラミレス監督からクラッチヒッターなる称号を得られつつあるわけです。

 

今年も倉本の挑戦から目が離せません。