なぜ?井納は打たれたか?疲弊気味の井納に関しての分析と、その雑感

まぁ、しょうがないよねぇ。

井納、今シーズンがローテションピッチャーとして初めてでしたが、ここに来てヘバッテ来ているようです。

疲れると何が一番、切れをなくすかと言うと、やはりストレート。

規定投球回数をクリアした選手の中では、12球団一悪い状態(ストレート被打率が.359)です。

昨日、ヤクルト戦で打たれるかもと記事化していましたが、悪い意味で当たっちゃったと言いますか、ある種、必然だったような気がします。

というより、井納投手の状態で配球を考えようとすると、正直、配球が難しく感じます。

極稀にストレート被打率が悪くても、変化球で抑えきる投手(大原投手)が居ますが、井納はそういうタイプでなく。

ストレートを基本線に、そのストレートとの対比で抑えていく投手です。

そのストレートの調子が悪い以上、非常に苦しい。

逆に相手チームにとっては、対策のとり易い状態でして、

野球インテリジェンスが高く、チームとして打撃を行うようなチームとの相性は決定的に良くないです。(ヤクルトのようなチーム)

要は、現状の井納のままでは苦しいと言う話になります。

昨日のヤクルト戦は、井納の今後を占う試金石のようなモノと見なしていましたが、結果は見ての通りです。

悪いなりに試合を作れるのか?

どうか見ていましたが、まぁ、しょうがないですね。

バッテリーの経験のなさもあると思いますし、何より自分も、今の井納で抑えられるイメージが湧きませんので。

井納を批判しているつもりはありません。

夏場とは、そう言うモノと言いますか、体調管理が難しいと言う話であって、実質一年目の投手に、そんな体調管理を求めても、厳しいと思っているからです。

きっと、今回の経験を基に、来年以降、ガンバってくれると思いますが、

問題は、今シーズン。

疲弊が原因で、コンディションを落し、二軍に落ちていく選手が多いですが、そこをどうマネージメントするか?

個人的には、このまま一軍にいても、上がり目を感じませんし、

ストレートの球威を、戻す為の方策(ミニキャンプ的なモノでもして欲しいです。)をして欲しいとは思いますが、さて・・・

ともかく、ガンバれぇ。

余談

技術的な話

ストレート被打率の悪さ以外で、

5月の頃と井納の投球タスクで大きく違うのは、

初球被打率です。

調子のいい時分、この初球被打率が.188でした。

この.188という数字の重みですが、井納より、この数字が良かった投手は当時、巨人の菅野(1.80ぐらい?今は.250です)だけと記憶しており、かなり優秀なタスクとして部類されます。

それが、今は.339。

一般的に初球は打者有利な場合が多いです。

多くの打者が.350.400を記録しますが、一つに好球必打が出来きるカウントだからです。

ベイの山崎でも、初球打率.400を超えます。

野球の性質上、カウントが悪くなりに従い打者の打率が下がりますし、それは逆説的にピッチャーにも言え、ピッチャーにとってカウントが悪くなると、打者有利になります。

基本、打者対投手の戦いは、そのせめぎ合いになります。

その重要な初球で井納は打たれず(セでも有数のタスクでした。楽天の田中ですら初球は.321被打率)、非常に有利に駆け引きをしていたのですが、その優位性を、ここ数か月で失っています。

初球被打率が悪くなった理由は、初球配球の6070%を占めるストレートが打たれているからです。

要は、球威がなくなり、甘くなったストレートを打たれているわけです。

5月は打ちに行っても凡打になっていたストレートが凡打になりません。

ファーストストライクを如何にとるかという点で、5月の井納は秀逸だったのですが(月間MVPを獲得できた原動力)、それが今は出来ていません。

そうなると配球が苦しくなります。

2ストライクに追い込めなくなってきているので、三振も奪えなくなっています。

現在、奪三振率6.02。

追い込んでフォークが、井納の重要な武器でしたが、追い込むのに苦労している感じで、以前との比較で機能していません。

また、ストレートが機能しなくなって来ていますので、左打者の対戦打率も悪化して来ています。

カウント球として多投しているのは、

ストレート、スライダー。

振らせる球として、フォークです。

現在、ストレートの威力が低下気味なので、追い込む為に、どうしてもスライダーの比重を高める必要があり、結果、どうなるかと言うと、左打者にインスラを<<カウント球>>として投げざる終えず、

→ボール球でなく、ストライクを取りに行く必要があると言うのが苦しい。

この辺、国吉の事情(昨日、記事化しましたが国吉も対左が苦手です)と同じですが、結果、対左打者の対戦成績も悪化して来ています。

外に逃げるスライダーを有効に使える右の.222に対し、井納の対左被打率は.327です。

ストレートの切れが、今後、ドンドン悪くなるのか?戻るのかで、上記タスクが変わってくると思いますが、今が正念場、分水嶺と感じます。