横浜と巨人を比較した戦力推移と、その雑感
前記事の補足記事的な内容です。
独立しても読めますが(巨人ファンさんとか興味深いかもですね)、
使用している数値を感覚的にわかって貰う為の記事です。
打率.300と聞くと、多くの野球ファンは、その重み、価値を理解してくれますが、なじみのない数値は、その重みがわかりません。
OPSも、大分浸透したとは言え、出塁率ほどは浸透してないかもですね。
数値と言うのは、比較する事で、その意味が理解しやすくなりますが、
今回は、その一助になることを期待して書いています。
説明
使用する数値の意味。
RC:得点創出力(Runs Created)
打者の総合指標の一つです。一般的な意味で言いますと、評価対象者が創出した得点を意味します。
OPSや打率とは違い、直接、その得点能力を算出しています。
その数値の性格上、各打者のRCの合計が、そのチームの打撃成績から予測される予想チーム得点になります。
ヤクルトの山田のような、打者が凄い評価を受けます。
昨年の数値で言いますと、RC:130になります。
今の数値でシーズン終えた場合は、150を超えそうですね。
また、走力がなく、四死球が少なく、三振が多いような選手は、思った以上に数値が伸びません。
一番分かり易いのは、広島のエルさんのような選手でしょうか?
去年クラスの活躍で79です。
RCAA:平均的な打者と比較して増やしたRCをRCAA (Runs Created Above Average)と呼びます。
RCWIN:RCAAを勝利数に変換したものをRCWINと呼びます。
RCAAは単位がRC (≒得点)ですが、リーグやシーズンによって1点の価値は必ずしも等しくないです。
平均得点が異なるリーグでは1勝あたりの平均得点(失点)も異なるため、得点の価値に差が出てしまいます。
そこで1勝あたりに必要な得点を表すRuns Per Win (RPW)を導入し、RCAAを勝利数に変換することで異なる時代やリーグ間での比較が可能となります。
今回、RCWINを使用して、戦力推移をみた理由は、年度違い(異なる時代)による違いを見る事に適しているからです。
尚、RSは、RCの投手版であり、RSWINもRCWINと同じ意味があります。
グラフは先に説明したRCWINとRSWINの合算(当該チーム所属の合計値)による戦力推移を比較したグラフです。
総合は、外国人、FA補強を含む戦力。
基礎は、自前で揃えた(生え抜き)戦力です。
合算で+20を超えていきますと、実績上、貯金40を超えていきます。
逆に-20という数値になりつますと、前記事で書いたような表現、見るも無残な惨状。
借金で-40を抱えるような状態になります。
勿論、これら数値は、その勝率を保障するものではないのですが(予測です)、概ね、それに近いような数字の意味を持ちます。
±0でリーグ平均並みに戦力ですので、この前後になりますと、勝率.500、CS進出が見えてきます。
横浜は、中畑監督以前から、この数値が複数年にわたり-20程度と、どうにもならない時代が続いて来ました。
普通の球団なら弱くなりますと、否応なく世代交代が進むのですが、その拙さから、全く戦力が向上しませんでした。
それでも、
-10を切った(シーズン途中の評価ではありますが)程度です。
戦力的に見ても今のチーム成績は妥当とも言えます。
感覚的に言いますと、-10ぐらいは最下位争い水準なんです。(他のチームとの相対比較も重要になってきますが)
各指標で、これからを感じる諸数値の向上があり、去年から記事で指摘していますが、もう少しの印象ですね。
優勝に向けて
合算で+20を超えますと、貯金40
+10ぐらいで貯金20?
優勝チームの戦力が+5と言いますと、相手次第なのですが、
混戦模様になります。
地力という意味で言いますと、昨年も今年も、広島が上(守備力含めてないですので注意必要ですWARの合算でみると、昨年も巨人が上の可能性あります)です。
勿論、広島と巨人に、
そんなに差はないのですが、皆さん、感じていますように、
チーム成熟度の差。
経験値の差で、巨人は勝ち切っています。
横浜が実戦力の割に勝ち切れるとしたら、巨人のような大人のチームになる必要がありますが、
そんな経験、直ぐ、みにつきません。
一戦必勝、ともかく、くらいついく。
そんな感じで、初めて何かが見えてくるような感じでしょうか?
今年、どう終わるかわかりませんが、その結末を、一ファンとして一喜一憂しつつ、見守りたいと思っています。