ランナー(四死球)を多く出すと、援護率は減るのか?についての検証

野球に流れはあるのか?シリーズです。

今回はランナーを多く出すと、味方の攻撃に影響があるのか検証しています。

データは、20112013年の規定投球回数をクリアしたセの投手データを基に検証しています。

使用した数値はWHIP(一回に何人のランナーを出したか?)

援護率は、各球団の攻撃力を考慮し、援護率/各球団の援護率で相対化しています。

で、結果は

WHIPが大きければ大きいほど、援護率が減りそうな傾向は見えますが、極めて低い相関・・・

Rで-0.2ぐらいです。

四死球(BB/9)、被安打率でも見たのですが、相関が強いとは言えず(Rで-0.2)、

ランナーを多くだす=援護率が変わるとは言えない状況です。

(有意差を考えると、サンプル数の関係であるとは言えない、弱わい相関)

個人的に面白く感じたのは、

あるとは言えないとはいえ、トレンドとしてWHIPが大きければ、大きいほど、負の相関。

つまり、援護率が減りそうなのは、年に関係なくありそうなので、後はサンプル数の問題になるのかもしれません。

ただ、どちらにしろ、R=0.2前後。

ランナー多いと、攻撃に影響があるというより、関係ない場合の方が多く、攻撃の邪魔になっているかもしれない程度なのかもしれません。

この辺り、因子分析が必要なのかもしれませんが、援護率に関係する因子。

点をとるという事に関し、関わるモノが多すぎる事が分析を難しくしている要因かもしれないです。

相関、因子分析に関しては

http://kogolab.chillout.jp/elearn/icecream/index.html

アイスクリーム統計学といのがありますので、疑問に思った方は是非、相関云々を理解したうえ、計算のチャンレンジをしてみて下さい。

余談、

セイバーでは

統計学的に、○○関係あるかもしれないをトリガーに解析をしていますが、

四死球、失策、うんぬん、かんぬん、もしているようでして、

一般的な私の知己として、ないとなっているようです。

細かな人間模様はともかくとして、

点が入る、入らないという事象に関し、見えにくいのは、

得点圏打率が、個人の能力に関係がないと言われているのと同じ理由と考えています。

大舞台に強い打者はいるかもしれませんが、通常のプロの試合は大舞台と言えず(多くは緊張していない)、普通の打席と変わらぬような気持ちで打席に立っている可能性が高いです。

所謂、平常心。

また、

とあるプログで、得点圏打率と次の年の得点圏打率の相関(変わらないのか?)を検証した数字がありますが、極めて弱い相関です。

選球眼や長打率の指標と違い(R=0.60.7)、相関が弱く(R=0.02)、セイバーではない(確認されない)としています。

個人的には平常心を保てないような場面で、サンプルをとるのがより相応しいとは思いますが、サンプル数が少なく、難しんだと思います。

また、そも打率自体が、その実力を示すのに、900打席程度のサンプル数が必要ならしく、まぁ、つまりは余計に難しいんだと考えます。

(一方、四死球とかは少ない打席数で、その実力を図れるそうです)

個人的な理解としては、

得点の入るシーンとして、打つというのは、極めて強い影響を与える因子と思いますが、その因子自体(打率)が、変動が大きい結果。

ランナーを多く出すピッチャーは援護率が少ないとは言えない結果になるのだと思います。(若干はありますが、ノイズの影響を感じざる終えません)

ピーキーなデータが因子としてある以上、その力の検証をみるのは難しいという話になりそうですね。