上記グラフは20112013年シーズンにおけるWHIPと相対援護率の関係を表したグラフである。
使用したデータは投球回数をクリアした投手に限っている。
通常の援護率では、その所属するチームの強さの影響を受ける為、相対援護率で援護率を相対化している。
相対援護率=その投手の援護率/その投手の所属するチーム平均援護率
年度に関係なく相関係数はR=-0.2程度あり、数字上、確かとは言い切れないながら、ランナーを多く出す投手の方が援護率が少なくなりそうな傾向がデータからみてとれる。
が、あくまでも傾向であり、ランナーを多く出しても2013年の三嶋投手(四死球が極めて多い投手、BB/9=4.86)のように、ランナーを多く出しても援護をたくさんもらえる投手(相対援護率で1.1)もいれば、逆に三浦投手のようにランナーを出さなくても(BB/9=1.69)、援護が少ない投手がいる(相対援護率で0.65)。
守備時間が長い=攻撃陣にネガティブな影響を与えるのは、実際にプレイしている野手陣が守り易い、気持ちよく攻撃に入れる等、実際にコメントしており、間違いなくあると思われるが、それ以上に強い影響を与えるファクター(因果の因)によって阻害され、統計学上あるとは言い切れないデータ解析結果(因果の果)になるようである。
考察
集中力等に代表される、プレイにポジティブ、もしくわネガティブな影響を与える精神的な状態に関し、
選手の気持ちとは裏腹に、その結果が一致しないのは、
その結果を構成している因果の因。
果は一つだが、その因が様々ある事で、その解析を難しくしていると思われる。
以下、
個人的に解析した雑感だが、
様々なシチュエーションを抱合した状態で打率を評価するのに900打席程度(信頼度0.7を超えるのに必要な打席数)必要な現状を鑑みるに、援護率のような、打率よりさらに様々な要因が関連する果をデータで確認するのは難しいのではないかと思われる。
解釈として、援護率は、たまたまの結果である可能性を常に意識しておいた方が良さそうである。
(得点をするという行為には相手投手の状態や、様々なモノが影響している為、その投手だけの責任に帰すのは難しい場合が多い)
なお、選球眼や、奪三振率等は300400打席程度で、その実力が確認できると考えられており(変動が少ない)、一般にセイバー系が、それらを重視するのは、その数値が確かと考えているからでもある。