先日、若手三人の打撃について苦言を呈しましたが、
これ、選球眼の拙い(桑原は良い方ですが)彼らに、待球作戦を指示するようなモノで、なかなか出来ない部類の技術です。
打撃に定評がある倉本を例に、如何に難しいのか説明させてください。
最初に倉本の打撃特徴ですが、
5/15
倉本対策 そろそろ真価を問われる時期が来たかもですね
にある通り、
最近は打撃フォーム的に難のある、インコース。
速球系を中心に配球されています。
それに対し、倉本は必死に抗っています。
これが凄いです。
この記事を書いて以降、ジリジリ打率を下げていますが、三割を依然維持し続けています。
一方で、長打が全くでなくなりました。
最後に長打を放ったのは、5/11の中日戦です。
かれこれ一か月、二塁打以上の長打が出ていません。
なぜか?と言ったら、相手が、そうさせない投球をしているからです。
それに対して倉本が抗っている成果とも言えます。
再度、言いますが、この人、素晴らしいです。
去年も苦しい打撃技術で(本人いわく、打撃コーチのアドバイスが何を言っているのか理解できないほどヤバかったそうです)、
弾き返していましたが、
使い方が上手なんですよね。
だから成績を出せます。
正直に言いますが、倉本ぐらい未熟な打者、ここ近々では見た事ありませんでした。
ですが、成績を出す。
良く2割打てたと思ってます。
で、書いた記事が、
2015年、倉本寸評 守備に関する期待
の中にて、
打撃も、山張るのが上手ですし、センスを感じる時があります。
だから、打点を挙げれます。
所謂、思いっきりの良い打撃でしょうか ?
非常に抽象的なコトバでセンスと書いていますが、不思議な選手なんですよね。
だから、昨シーズンオフに、宮崎、山口と並び、個別で期待記事を書いたわけです。
そんな倉本ですが、
そんな倉本ですので、想像以上の進化を見せています。
ですが、課題もありまして、
5/15の記事にも書きましたが、
現在の打撃フォーム(振り子)ですと、速球に振り遅れ易いのです。
結果、ともかく逆方向に流しています。
右中間に引っ張ってヒットになった打撃も、ライト前ヒットすらないです。
5/14の一塁内野安打が最後ですが、
要は、そう言う状況で戦い続けているわけです。
驚愕です。
ここまで来ると、もう少し苦戦するハズなのですが、耐えきっているように感じます。
これも一種の才能ですかね。
気持ちで戦い続けています。
そんなわけで最低限の打撃を倉本出来ません・・・
状況次第で、右方向、左方向への打撃が求められますが、
したくても出来ないと言いますか、相手も引っ張れないのがわかっていますから、最低でも○○の場合、そう言うバッティングのし難い球を投げて来ます。
当たり前ですよね。
ゴロを打たせたくないのなら高めを。
フライを打たせたくないのなら低めを。
三振を取りたいのなら、変化球、落ちる球。
状況に応じた打撃をさせたくないので相手も絞って来ます。
以前、中日の荒木(右打者)がインコースの速球を器用に畳んで、右方向へ進塁打を打ちましたが、状況次第のバッティングとは、実は大変、難しいです。
倉本は、この技術の必要性を痛感していると思います。
なぜなら、その技術があることで、相手との駆け引きで有利に立てるわけです。
川端が、手強いのも、レフト方向に弾き返せるだけでなく、ライト方向にも引っ張る事が出来るからです。
結果、相手に有利に立てる。
長打も打てるようになる。
そう言う思考ロジックしているハズです。
遊撃の守備も相手の意図を読んで打球方向絞りますので、自然、そうなるでしょうね。
そう言うバッターが二遊間、多いですが自然な成り行きでしょうか?
例、
川端(元遊撃)、荒木、井端、そして宮本。
参考記事
倉本が、こうなって欲しい的なモデルケース、坂本の守備(5/18 対巨人戦)について
左方向ばかりの打球が多くなりますと、三遊間絞られちゃいます。
間違いなく、倉本、危機感をもって対応していると思います。
この頑張りが、倉本の場合、報われそうなんですよね。
やっぱり、この人は凄いです。
以前も記事で書きましたが、
純粋な打撃技術は宮崎の方が上ですが、成績は倉本が出しちゃうかもしれません。
その行く末にワクワクして居ます。(今シーズン、例え、結果が出なくても、将来的にアジャストする可能性を覚えます)
こういう駆け引き、試行錯誤、私、好きなんですよね。
倉本、凄い打者と思います。
ところで、制約の多い打順では技術がないと成績出せないわけですが、
逆に、その制約を外せば、結構、打てます。
ラミレスさんの場合、故意に、その制約外して打たせているケース多いように感じています。
エンドランが、ランナーを進める目的でない場合がありますが、明らかに制約を外させていますよね。
若手三人編(桑原)へ続きます。