中日四球病、その病魔についての雑感
横浜の四球病、山口君の場合
中日の四球病、田島投手の場合
っと四球を軸に一連の記事を連載してきた。
悪い意味で横浜の山口、中日の田島を紹介したが、
同じような投手タイプで、成功している投手のタスクは実際、どうなんだろうという事で、
今回、2013年のマシソンを。
また、田島や山口とタイプが違うが、巨人の山口を、紹介する事で、どのようにして、投手が打者を抑えるか合わせて探って行きたいと思う。
また、原監督がマシソンを期待している理由(抑え起用の理由)も解説して行きたい。
マシソンも、横浜山口、中日田島同様、持ち球はストレート、スライダー、フォークである。
データはキングマシソンと揶揄された2013年の成績と、
二軍に落とされた山口、田島との比較である。(2014年)
三投手とも、配球の60%以上をストレートが占め、特に山口とマシソンに至っては、その配球の70%超をストレートが占めている。
三人とも直球を主体とした投手である。
基本、投手の配球はストレートを軸としており、
その変化球が活きるのも、真っすぐがあるかもしれない(変化しないかもしれない)と思わせる事で成り立っている。
幾ら鋭い変化球をもっていても、その球しかないと見極められてしまうのだが、その球が変化しないかもしれないと思わせる事で、その相対関係が逆転し易くなる。
配球でコースを問題にする方が居たが、
4分割、9分割というより、もっと大雑把であり、
配球の軸は、脳の残像を利用した駆け引き。
速いか、遅いか。
外か、内か。
高いか、低いか。
左か、右に変化するか。(スライダーとシュートの有効性→巨人の山口)
変化するかしないか。
コースが必要になってくるのは、各球種の力、それ自体が足りず、変化が小さい、もしくわ、残像が有効に機能しないような時に必要なモノと私個人は考えており、優先順位としては、そのボール自体の力が、ある基準に達しているか、それが一番である。
マシソンも、横浜山口、中日田島も、速球型の球を軸に、変化するか、しないかのジャンケンで勝負する投手である。
(山井のようなスライダーではなく、速球系のボールが主体。これに遅いボールが加わると配球の幅が広がる。)
横浜山口、中日田島が二軍に落とされたのは、その駆け引きが、今の状態では出来ないと判断されたからであり(駆け引きが出来ない結果、四球が増える)、一方のマシソンは、そう思われてない結果、
成績はともかく、抑えとして原監督に起用されている。
グラフはストレートと、スライダーの空振り率である。
ほぼ、被安打のソレに比例するような感じである。
山口、田島伴に、軸となる持ち球。
変化するかしないかの軸となる球が弱い事で、配球の幅が狭まり打たれている事がわかると思う。
本来、これにフォークと言う縦の変化が三投手とも加わるのだが、この球はボール球を振らせる球種として位置しており、
上原投手のようにカウント球とはなっていない。
つまりはカウント球として用いる球が、山口、田島両投手の場合、限られてしまっているわけである。
記事連載では、球のキレとして空振り率を記載していたが、それと同じぐらい重要なのがストライクゾーンにおける見逃し率である。
田島のストレートの場合、ストライクに入ると打者は90%が撃ちに、ボール球、ストライクゾーンも含む.450がヒット・・・
(公開されているデータの被安打率がコースでなく球種別になっている為)
おそらくストライクゾーンのストレートは、ほんとんどヒットになっているなだろう・・・
逆に山口は、スライダーが、さらに酷い状況で打ち込まれており、撃ちにいかれたボールの100%がヒット。
その見逃し率はわずか10%である。
つまり、カウント球として両投手の場合、軸となるボールが一種しかないという状況。
これが彼らの苦しさである。
一方、マシソンの場合、ストレートの見逃し率は田島並と低いが、撃ちにいっても、被安打率.200弱、その空振り率も15%程と、
分かっていても打てないレベル(球の力が違い過ぎる)であり、勝負球にストレートを多投している。
そして、そのストレートをより活かす意味でスライダーを使う投球スタイルである。
個人的にファンとして山口のストレート以上の威力をもった投手は、
巨人のマシソン(空振り率13.3%)、広島のミコライオ(13.9%)、阪神の呉(11.3%)しか知らず、
それに続く投手(8%)として、今の現状は、つくづく惜しく感じる。
→本音を言うと、山口の場合、ストレートとフォークのみで頑張るには、少し球の力が足りないと思っている。
結果、同じストレートを投げるにしてもコースが必要となってくる。
また、田島投手の場合、そのスライダーは、キレと言う意味で、なかなかレベルであり、
だから、両投手とも期待され起用されたのだが、その武器だけでは、相手打者を翻弄できず、結果、今、二軍である。
両投手には、その武器を見直し、新規一転立て直している最中だと思う。
その頑張りに期待したい所だ。
さて、
件のマシソン。
データは2013年のキングマシソンの投球データである。
山口、田島の理想形の一つとして今回、比較データとしてマシソンの2013年を使用したが、2014年のマシソンはどんな感じなんだろう。
続く・・・